「東京2020オリンピック」から私たちが学ぶべきことは多い

令和3年(2021年)7月23日に、

「東京2020オリンピック」
⇒ https://olympics.com/tokyo-2020/ja/

の開会式が、国立競技場にて行われました。

日本で開催される2回目のオリンピックでありますが、
新型コロナウイルス感染症が全世界で拡大したために一年延期をするという、
たいへん厳しい状況下での開催となりました。

開会式においては各国選手が入場しながらも無観客ということで、
これもまたオリンピック史上初めてとのことです。

本来であれば昨年開催されていたはずのオリンピックであり、
また紆余曲折や様々な批判も多かった大会でしたが、

まずは無事にわが国の首都で開会式が行われたことに、
ほっとしたという安心とうれしさを感じました。

たくさんのアスリートが、
この大会に向けて尋常ならぬ努力を重ねてこられたこと、
そしてこの大会を実現するために、
裏方として多くの方がご努力をされてきたことに、
まずは感謝の気持ちと応援をしたいなと思うところです。

周辺警備には全国の警察本部の方々が数カ月をかけて尽力をされていますし、
会場の国立競技場をはじめ周辺施設整備に携わった方々も、
たくさんいらっしゃったことと思います。

警備には宮城県警察からも人員派遣がされていますし、
新国立競技場には、47都道府県の木材が利用されているとのことで、
宮城県からも南三陸町の木材が使われています。

復興五輪ということで宮城県においてもサッカー競技が開催され、
有観客ということで賛否両論ありましたが、
その試合内容も楽しみにしているところです。

今回の東京オリンピックも日本の総力が結集されており、
アスリート以外の方々の、見えないけれどもそれぞれの分野で、
力を発揮されていることにあらためてありがたいことだなと思います。

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昭和39年(1964年)の前回東京オリンピックでも、
当時の英知を結集して国立競技場が建設され、
東海道新幹線や首都高速道路など、日本人の各分野の力が発揮され、
東京の都市としての力がオリンピックを契機として高まったと言われています。

しかしあまり言われていませんが、
歴史を紐解くと、前回昭和39年のオリンピックにおいても、
国内で「なぜ今オリンピックなのか」という声があったのだそうです。

その一つの理由は、戦後まだ20年たっていないなかで、
復興は途上であり、国力に余裕はないというもの。
まだまだ「戦後」であり、敗戦国から抜け出すという雰囲気ではなかった時代でした。

もう一つの理由は、昭和39年が歴史的な水不足の年となり、
オリンピック開始直前まで、東京の水がめが干上がってしまい、
都民の生活が立ち行かなくなるほどの大渇水となってしまったことにより、
政府に対する大きな不満がぶつけられていたのだそうです。

そのなかで、当時の池田内閣は、
こうした大きな批判のなかで、
田中角栄大蔵大臣や、河野一郎オリンピック特命担当大臣、
小泉純也防衛庁長官を中心として、水不足対策等に奔走していたのでした。

しかしこのオリンピックが終わってみると、
わが国は高度経済成長、急速な復活を遂げ、
再び国際社会の中心に復帰する大きな転換点であったと評価されることになりました。

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また、オリンピックは平和の祭典であり、
開催期間中はいかなる戦争も政争も控えるというのが、

「オリンピック休戦」

の意味であるとされています。

紛争をスポーツに置き換えることで争いをなくすという理念は、
平和国家である日本においてオリンピックが開催される
今回も大切にしていかなければならないと思います。

昨年来、コロナ禍においては、
私もそうですが、不安や怒りがあふれ出す毎日になっています。

不安や怒りが行き着く先がどうなるかは、
歴史が証明しているところです。

和の国である日本が果たすべき役割は大きいのではないでしょうか。

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そして、わが国のアスリートだけではなく、
全世界から素晴らしい選手が東京へ、そして宮城にもやってきます。

オリンピック開催期間中は、選手の紹介などを通して、
アスリートから学ぶことも多くありますね。

世界レベルのアスリートは、
肉体的にトップレベルであることはもちろんですが、
精神的にも、その生き方などを尊敬すべき方が多いので、
試合以外のところにも目を向けていきたいところです。

オリンピック憲章にもその精神は書かれていますが、
オリンピックの価値は、
卓越、友情、敬意の三つにある
とされています。

「卓越」
スポーツに限らず人生においてベストを尽くす。
体と頭と心の健全な調和をはぐくむ。

「友情」
スポーツでの喜びはもちろんのこと、チームでともに戦ったり、
対戦相手とも交流することで、友情をはぐくみ、
結果として平和でよりよい世界の構築に寄与する。

「敬意」
対戦相手にも互いに敬意を払い、
ルールを尊重することでフェアプレー精神をはぐくむ。

この三つの精神は、世界レベルのアスリート、オリンピアンだけではなく、
私たち普通に毎日を暮らす人間にでも、
すぐにでも取り入れることのできる大切な精神ではないかと思います。

いま私たちが日本に生きていることは、
ありがたいことであり、
そしてこの東京オリンピックが開催される年にめぐりあうこともまた、
ありがたいことであるなと思います。

そしてオリンピックが自国で開催されるからこそ、
さらに関心も抱くものですし、
オリンピックから学ぶべきことは多いのではないかと感じます。

全世界のオリンピアンの活躍を目にしながら、
そしてオリンピックの価値、平和の祭典を感じながら、
およそ一カ月、東京オリンピックから多くのことを学んでいきたいなと思うところです。

(第3965号 令和3年7月23日(金)発行)