宮城県議会再生可能エネルギー・脱炭素調査特別委員会でトヨタ自動車東日本株式会社(大衡村)、富谷市議会を訪問

本日令和3年7月26日、
宮城県議会再生可能エネルギー・脱炭素調査特別委員会の県内調査で、
宮城県大衡村、富谷市を訪問しました。

今期、私は本委員会で委員長を務めています。

●トヨタ自動車東日本株式会社「Fーグリッドにおける取組について」(大衡村)

宮城県にトヨタ自動車がやってきて約10年。
ものづくりの拠点が東北地方に生まれて着実に製造業が育っています。

トヨタ自動車東日本(https://www.toyota-ej.co.jp/index_top.htmlにおいては、
相互研鑽プロジェクトを進めているとのことで、
他の業種に「カイゼン」方式を伝えながら、
異業種から学ぶという姿勢をとっているのだそうです。

事例として、農業の分野が紹介されており、
仙台市宮城野区にある株式会社みちさきとの相互研鑽が紹介されていました。

また、トヨタ車ができるまでの製造工程も映像で紹介されましたが、
昔に比べると格段に細かい工程までが機械による製造となっており、
人出が少なくなっている印象をうけました。

さらに少し移動して、
供給側と需要側が一体となって、
工業団地内の工場が協力して、エネルギーをつくり、
貯めて、使うという「Fーグリッド」について。

ヤリスクロスがたくさん並ぶ工場のすぐそばに、
ベジ・ドリーム栗原(http://www.vegi.co.jp/
パプリカを生産する農業生産法人の水耕栽培が。

私が10年以上前の秘書時代に、
要望をいただきパプリカの生産拠点づくりの
お手伝いをしたことがありました。

そのころはパプリカを生産するということは未知の世界でしたが、
いまや宮城県が国産パプリカの生産量は全国一となっており、
このベジ・ドリーム栗原が多くのシェアを持っているとのことです。

また、丁寧にご説明をいただいた方が、
説明後に話しかけてくださり、
私のこのメルマガを何年も読んでくださっていたとうかがい、
さらに驚いたところです。
ありがとうございました。

この植物工場では、ガスエンジンのコージェネから出る電気と熱を
効率的に利用、冷却水系統の熱を回収し、
高温水をこのパプリカ生産工場の温室暖房に利用し、
コストをかなり削減していらっしゃるとのことです。

ヤリスクロスとパプリカは全く異なる生産物ですが、
エネルギーを効率的に利用することで、
環境にもやさしく、コストも削減できるという工夫がなされていました。

●富谷市議会「再生可能エネルギーの地産地消の推進について」

富谷市においては、若生裕俊市長のもと、
まちづくりや起業をはじめ各種政策推進に積極的に取り組まれており、
近年は再生可能エネルギーの地産地消にもチャレンジされています。

特に平成29年から5年間、環境省の事業である

「地域連携・低炭素水素技術実証事業」

に富谷市は手を上げ、

「富谷市における既存物流網と純水素燃料電池を活用した低炭素水素サプライチェーン実証事業」

を進めています。

⇒ https://www.env.go.jp/seisaku/list/ondanka_saisei/lowcarbon-h2-sc/demonstration-business/

これは富谷市にある太陽光発電の電力を用いて水を電気分解し、水素を製造、
水素吸蔵合金を用いたカセットに貯蔵し、
生協のトラックなど、既存の配送網を用いて店舗や一般家庭、児童クラブに配送、
各施設の燃料電池を用いて発電や給湯に活用する実証事業です。

これは日立製作所、丸紅、みやぎ生協、富谷市による事業で、
実際に利用されている、日吉台小学校放課後児童クラブ棟、
そして水素バッファタンクから水素をカセットに充填できる施設のある、
コープ富谷共同購入物流センターにも伺い、
どういう仕組みになっているのかをご説明いただき、
実際に見てきたところです。

こうした水素の活用による再生可能エネルギーの貯蔵ができるようになると、
目指すべき電源構成を大きく変えることが可能になると思います。

現時点においてはこうした意欲的なエネルギー製造は、
まだまだコストが高く、研究もまだまだこれからの面はありますが、
野心的な取組をする、挑戦的な取組をする自治体や企業、研究者がいなければ、
技術の進歩はありません。

国として、また自治体としても、
さらにこうした取り組みを後押ししていく必要があると思います。

─────────────────────────────

また余談ですが、富谷市においては、
富谷開宿400年ということで、
富谷宿観光交流ステーション「とみやど」が誕生しました。

ここは、昭和戦前の宮城県を代表する政治家である、
内ケ崎作三郎の生家などがリノベーションされています。

実は私が書いた大学の卒業論文も、
この内ケ崎作三郎の政治思想であり、
懐かしく思い出したところです。

当時、内ケ崎を研究する富谷在住の郷土史家の方に、
様々ご指導いただき、国会図書館や慶應の大学図書館にこもり、
マイクロフィルムと格闘したことを思い出します。

そして数年前に、この論文を若生市長にも読んでいただき、
内ケ崎作三郎によるまちづくりの一助にもしていただいたところで、
20年以上前に書いた論文ですが、うれしく思ったところです。

復刻版「人間学」発刊とみやどプレミアムスクール
⇒ https://tomiya-jinseigaku.com/

お忙しいところ、視察を受け入れていただきました皆様に感謝申し上げますとともに、
本日の調査内容を今後の宮城県における政策立案に役立ててまいりたいと思います。

ありがとうございました。

(第3968号 令和3年7月26日(月)発行)