宮城県議会大震災復興調査特別委員会の県外調査で、福島第一原子力発電所、復興庁を訪問しました

令和5年7月26日から27日にかけて、
宮城県議会大震災復興調査特別委員会の県外調査で、
福島第一原子力発電所、復興庁を訪問しました。


メンバーは以下の通りです。

委員長 本木 忠一 (自由民主党・県民会議)
副委員長 熊谷 義彦 (社民フォーラム県議団)
委員 ゆさ みゆき (みやぎ県民の声)
委員 佐々木 奈津江 (みやぎ県民の声)
委員 三浦 一敏 (日本共産党宮城県会議員団)
委員 大内 真理 (日本共産党宮城県会議員団)
委員 遠藤 伸幸 (公明党県議団)
委員 佐藤 剛太 (自由民主党・県民会議)
委員 伏谷 修一 (自由民主党・県民会議)
委員 渡邉 重益 (自由民主党・県民会議)
委員 高橋 宗也 (自由民主党・県民会議)
委員 渡辺 勝幸 (自由民主党・県民会議)
委員 守屋 守武 (自由民主党・県民会議)
委員 石川 光次郎 (自由民主党・県民会議)
委員 畠山 和純 (自由民主党・県民会議)



●宮城県議会大震災復興調査特別委員会県外調査一日目。
「福島第一原子力発電所事故被害関連の対応について」
(廃炉資料館、東京電力ホールディングス株式会社新事務本館、福島第一原子力発電所構内)

福島第一原子力発電所各号機の状況
⇒ https://www.tepco.co.jp/decommission/progress/about/


東日本大震災から12年の月日が経過しました。
福島第一原子力発電所の現状と廃炉に向けた状況を含め現地調査、

東京電力ホールディングス株式会社福島復興本社の高原一嘉代表に対し、
宮城県議会として、

「福島第一原子力発電所事故に起因する被害への迅速かつ十分な対応
及び原発事故の早期完全収束を求める要請書」

を提出し、質疑応答をしました。

現在は廃炉に向けた作業を、一日当たり四千人の作業人数で展開、
冷温停止から30~40年後での廃炉をめざして動いています。

またALPS処理水の海洋放出についても、
安全確保のための設備についてご説明をいただきました。


宮城県議会としての要請はいくつかありますが、
まずは「被害の実態に即した損害賠償の実施について」。

宮城県内において原発事故がなければ生じることがなかった損害について、
その支払率は宮城県になるといまだに非常に低い状況にあり、
地域や期限の制限を設けることなく、実態に即した対応を求めるということです。


第二は、「福島第一原発のいわゆるALPS処理水の放出に伴い、
風評被害が発生した場合の賠償基準の見直しについて」。

東京電力は令和4年12月に賠償基準を公表しましたが、
風評被害を受けている宮城県の関係団体の理解を得ないままに定めており、
賠償基準の見直しをすべきとの要望。


第三には、処理水の対策について。
新たな風評が生じる懸念が多く、
これまで十年以上にわたり積み重ねてきた復興や風評払拭の成果が水泡に帰す懸念がある。

風評被害を生じさせないよう、国民・国際社会へ向けた科学的根拠に基づく説明と
理解情勢に向けた取組の強化など、国とともに最後まで責任を持って対応すること。


そのほか含め七項目の要望内容です。


福島第一原発に起因する課題は様々ありますが、
ALPS処理水の問題について、中国は日本の海産物を全量検査し、
日本の食品輸出にダメージを与える戦略に出ているのが現状です。

残念ながらこれにより、海洋放出がいまだ始まっていないものの、
宮城県内の水産関係者は今月から大きな打撃を受け始め、
カキやホタテ、アワビの漁業者を中心に、水産加工業者のみなさんは非常に厳しい状況に陥っており、
経営が大変厳しく、廃業を検討しているという声が非常に大きくなってきました。

外交的にみて中国のこうした対応に屈してはならないと考えますが、
一方で漁業者や水産加工業者が壊滅してしまい、
宮城県のみならず我が国の水産業界が取り返しのつかない状況になってしまってはなりません。

東アジア諸国への水産物輸出について販路拡大を急ぐとともに、
苦境に陥って廃業直前となっている水産関係者を守ることは大きな国益であると考えます。

●宮城県議会大震災復興調査特別委員会県外調査二日目。
「震災からの復旧・復興対策に係る要望活動」(復興庁)

霞が関の復興庁を訪問し、
小島敏文復興副大臣に対し、宮城県議会として、

「震災からの復旧・復興対策に係る要望書」

を提出しました。

「東日本大震災復興関連予算の確実な措置」
「福島第一原子力発電所事故の損害賠償に対する支援」
「福島第一原子力発電所に係る処理水・汚染水・廃炉対策」

など11項目を要望しました。


宮城県はわが国有数の水産県であり、
今回の風評被害により水産業界はすでに大きな打撃を受けています。

安全で安心な水産物、しかもとてもおいしい水産物がたくさんありますし、
宮城の水産物を私も、毎日美味しく食べています。


しかし震災以降、厳しい経営状況下にある水産業界は、
今回の風評被害、そして今月に入っての中国による全量検査で瀕死の状況となっています。

美味しい水産物は、たくさんの人による人手を必要とし、
輸送という観点も重要でありますし、天候に左右されというる面もあります。

日々暮らしていると、当たり前のように美味しい水産物を食べているように思えますが、
たくさんの関係者の皆さんのご苦労とリレーで、
食卓で、飲食店で、美味しい水産物を食べることができているのが実態です。

日本の水産物は海外からも高い評価を受けるほど素晴らしいものです。


東日本大震災からの復興やエネルギー問題も含め、
様々な複合的な課題の解決は複次方程式を解くような難しい政策テーマではありますが、

食料安全保障という観点からも、
宮城県水産業の苦境に大きな力を与えていただきたいと強く思う次第です。




「処理水海洋放出について宮城県議会議員らが東京電力に要望」
(khb東日本放送 2023/07/26)
⇒ https://youtu.be/dopP9Zx-4G4

(第4699号 令和5年7月27日(木)発行)