自由民主党・県民会議会派役員による鹿児島県視察について─全共鹿児島大会、産廃最終処分場、リサイクル率日本一の町

宮城県議会令和3年11月定例会も無事12月15日に終了しましたが、
翌16日、17日と二日間の駆け足でしたが、

佐々木幸士会長を中心とする自民会派役員で、
鹿児島県における取組を調査してきました。

1、第12回全国和牛能力共進会鹿児島大会開催準備の取組状況について

2、公共関与による産業廃棄物管理型最終処分場「エコパークかごしま」について

3、リサイクル率日本一である鹿児島県大崎町のごみ処理行政の取組について

以上の三点について、実際に現場に伺ったり、
お話を伺ったりしてきました。

鹿児島県庁をはじめ、鹿児島県環境整備公社、大崎町
の皆様にはお忙しいところお時間をいただき丁寧なご説明をいただき、
ありがとうございました。

【1、第12回全国和牛能力共進会鹿児島大会開催準備の取組状況について】

平成29年に宮城県で開催された、全国和牛能力共進会全国大会は五年に一回の、
和牛畜産業界の一大イベントですが、
次回は来年令和4年に鹿児島県で開催されます。

鹿児島県は畜産県であり、全国でもトップレベルの和牛育成をされていますが、
コロナ禍において来年の開催ということで、

来年10月6日から10日の開催に向けて、
今から入念に準備をされていらっしゃるとのことです。

前回宮城県大会での取り組みも参考にしていただいているとのことですが、
コロナ禍で延期された国体との関係もあり、
会場準備もなかなか大変のようです。

しかし、わが国の畜産業界をけん引する鹿児島県でもありますので、
会場設営、催事広報、交通輸送の点でも、
既にかなり準備が進んでいるようです。

マスコットキャラクター「かごうしママ」も決定され、
愉快なキャラクターが大会を盛り上げてくれることと思います。

私からは、今後の担い手不足という課題も含め、
農業高校も含めた若い世代の取組についてうかがいました。

宮城県も来年に向けて鹿児島に負けずに、
「仙台牛」をアピールしていきたいと思います。

Facebookページ「第12回全国和牛能力共進会鹿児島大会」
⇒ https://www.facebook.com/kagoushimama

Twitter「第12回全国和牛能力共進会鹿児島大会」
⇒ https://twitter.com/kagoushimama

【2、公共関与による産業廃棄物管理型最終処分場「エコパークかごしま」について】

平成27年に開業した「エコパークかごしま」は、
鹿児島県で初めてつくられた「管理型最終処分場」であり、

覆蓋施設を有する日本最大規模の管理型処分場となっています。

「覆蓋施設」というのは屋根がある処分場ということで、
臭いが広がらないことや、粉じんなどが風で飛ばされないこと、
景観上良好であることなどのメリットがあり、

新たな最終処分場の形として注目されています。

鹿児島県庁廃棄物・リサイクル対策課、
鹿児島県環境整備公社の方にご説明をいただきましたが、

地域住民の方の反対の経過や、地域振興策などもうかがいながら、
県内で発生する廃棄物を県内で処理することとともに、
廃棄物の種類についても詳細にチェックをし、
発生行程についても調査しているとのことでした。

【3、リサイクル率日本一である鹿児島県大崎町のごみ処理行政の取組について】

リサイクル率日本一の自治体が鹿児島にあるとのことで、
鹿児島県大崎町の方からご説明をいただきながら、

埋立処分場、大崎有機工場、有限会社そおリサイクルセンター

にうかがいました。

リサイクル率の全国平均は約20%で、

ちなみに仙台市のリサイクル率は約30%であり、
全国を大きく上回っていますが、

この鹿児島県大崎町のリサイクル率は80%以上という、
ダントツの数字を挙げているところです。

2018年にはジャパンSDGsアワード受賞、
生ごみ・草木の堆肥化は100%、
最終処分場の残余年数は40年以上もあるとのことで、
驚きの数字の連続でしたが、

平成11年までは全国平均以下、鹿児島県平均以下であったとのことです。

そのころ大崎町ではごみの増加に伴い、
埋立処分場が使用予定期限を待たずに満杯になるという状況にありました。

そこで埋立処分場を新たに造るか、焼却炉を新しく設けるかという議論になり、
住民との対話を重ねて、徹底したごみ分別により埋立処分場を延命化する道を選んだのだそうです。

住民・企業・行政が一丸となり、
現在町民はごみを27品目に分別することにより、
リサイクル率80%以上を達成。

また、ごみの6割を占める生ごみ・草木等の有機物を、
100%堆肥化し、町内の農地に循環させる仕組みをつくります。

実際に有機工場に行きましたが、
生ごみから堆肥化の過程が意外と簡単にできることもわかりました。

人口1万3千人の町であり、
お隣の人口3万3千人の志布志市との連携もあるものと感じましたが、

行政も住民も努力と工夫を重ねて実現したものと理解しました。

近年増加し問題となっている紙おむつのゴミをリサイクルしようと、
ユニ・チャーム株式会社と連携して、
この大崎町、志布志市、(有)そおリサイクルセンターが実証実験を行っているとのことです。

────────────────────────────

鹿児島県の先進的な数々の取組を伺いながら、
いままで知らなかったことや気づかなかったことを、
行政として政策実現をしているものがたくさんありましたので、

今後の宮城県政に活かしていきたいと思います。

いずれ宮城県にとっても喫緊の課題でありますので、
それぞれの課題についてさらに政策研究を進めていきたいと思います。

(第4113号 令和3年12月18日(土)発行)