【再録】先生という職業ほどすばらしいものはない

現在私は小学校のPTA会長をやっています。

小学校に出入りするようになって、
子供のころ出入りしていたこともあって、
懐かしいなと思うこともたくさんありますし、

新たに学ぶことも多くあります。

この年になっても
小学校で学ぶことができるというのは幸せなことですし、
これは娘たちのおかげですね。

そしてこの年になって、
小学校に出入りして思うのは、

「先生という職業ほどすばらしいものはない」

ということです。

私も東北大学でバイト教員をやっているわけですが、

小学校や中学校の先生は
すばらしい職業だなあと思います。

もちろん、
現実の先生方を見ていると、
次から次へと抱える問題に朝から晩まで忙しく対応され、
授業の準備や保護者への対応、
さらには地域への対応など、

昔に比べると様々な時間を取られることが多く、
忙しくなって大変なところもあるかと思います。

それでも、

未来の世界をつくる礎は先生にある。

先生が次の時代をつくっている。

そんなことを感じる場面を見ることがありますね。

いじめの問題、
学力の問題、
生活の問題、
保護者の問題、

学校には様々な問題がたくさんありますが、
その問題に朝から晩まで一生懸命携わっている先生方の姿勢は、

きっと子供たちにもじわじわと伝わっていくだろうなと思います。

徹底的に何かに取り組んでくれる先生を見て、
子供たちは徹底的に何かに取り組むことを学びます。

以前に、

「教師が変われば生徒も変わる」

という言葉を聞いたことがあります。

子供たちは先生に大きな影響を受けます。

私も思い返すと、
先生に迷惑をかけ、
よく怒られるタイプではありましたが、

出会った先生との思い出が、
いまの人生を形作る、
要素の一つ一つになっているように感じることがあります。

そして、

「教えることは学ぶことである」

という言葉もあります。

私も講演をしたり、
大学で講義をしたりするときは、

準備をするために
あらためて知識の整理や経験の棚卸をしますが、

教えれば教えるほど、
学ぶことが増えていきます。

これもまたすばらしいことであり、
自分も成長していくなあと感じます。

さらに先生という仕事がすばらしいのは、

自らの教え子が、
何十年先になると、

各界で活躍するわけで、
教え子の活躍や頑張りを見るなんて、
こんな幸せなことはないだろうなとも思います。

さらに同窓会で一緒に酒が飲めたら、
これほど幸せなことはないでしょうね。

「苦労ばかりの人生は楽しい思い出と化す」

とはシャープの創業者、早川徳次の言葉ですが、

頭を悩まし、
手のかかった教え子ほど、
記憶に残ると言われますので、

それもまた幸せなことなのでしょう。

いじめの問題、
学力の問題をはじめ、
先生というのは大変な仕事です。

それでもやりがいがあるだろうなと感じますし、

「人を信じる」ことで、

無限の可能性を生み出すことができる仕事

だとも感じます。

政治家はそうはいきませんが。

「先生という職業ほどすばらしいものはない」

ここ数年あらためて感じているところです。

(第1807号 平成27年8月26日(水)発行)

( 第3499号 令和2年4月13日(月)発行 )