【渡辺勝幸一般質問】【大綱2】富県宮城の推進とその課題について【第396回宮城県議会】

昨日6月19日、
第396回宮城県議会(令和7年6月定例会)において、
渡辺勝幸は一般質問に立ちましたので、
このメルマガで数回に渡って、
質問の内容等についてお伝えしたいと思います。
2回目として、
大綱2 富県宮城の推進とその課題について
その内容をお伝えしたいと思います。
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【大綱2】富県宮城の推進とその課題について
(1)世界各国が巨額の予算を投下し、全国の自治体が積極的に誘致活動を進めている半導体産業について、現時点での工場誘致の進捗状況はどうか。
次に、大綱二点目「富県宮城の推進とその課題について」お伺いいたします。
昨年九月の代表質問において私は、半導体工場誘致に伴う課題について指摘し議論をしましたが、その代表質問の翌日にPSMCの宮城進出断念というニュースが飛び込んできました。事態が一転してしまったことに私だけではなく多くの県民が意気消沈してしまったことと思います。
その後も、村井知事を先頭に県庁をあげて半導体企業の誘致に尽力されていると伺っていますが、トランプ関税問題や電気代高騰などもあり、未だ宙ぶらりん状態が続いている状況です。経済安全保障の観点から見ても、半導体産業へは世界各国が政府主導で巨額の予算を投下しており、全国の自治体が誘致活動を積極的に進めていると聞いております。現時点での半導体工場誘致の進捗状況についてお聞かせください。
(2)半導体人材は不足しており、工場誘致の実現を見据え、いまから人材育成について積極的に取り組むべきと考えるがどうか。
一方、半導体人材は依然として不足しており、人材強化は半導体工場誘致が実現するまでの間、いまから力を入れておいても損はないテーマであります。半導体人材の育成について積極的に取り組むべきと考えますが、県の見解を伺います。
(3)外国人材の受入れには、日本語だけでなく、伝統や文化、生活ルールの理解が重要であると考えるが、現状認識と見解はどうか。
先月、ある方のご紹介をいただき、仙台市内にある「東北外国人研修センター」を訪問、その事業内容と外国人就労の課題を、現場の実態も踏まえてご説明いただきました。技能実習生が現場に出る前に、入国後一か月間、生活習慣やマナーの講習を受ける場であり、熱心に日本語や生活ルールを学んでいらっしゃいました。
しかし、実際に外国人受入研修をする先生から、今後、外国人をわが国が受け入れるにあたり、懸念する点が多いというお話をいただきました。
一つは、生活習慣が全く異なるために丁寧に指導しても日本の生活ルールがなかなか伝わりづらいとのこと。ゴミ出しの細かいルールも日本人にとっては当たり前ですが、仕分けが理解できない、油を排水溝から棄ててしまうなどの課題があり、交通ルールも教えているが日本独特のルールを覚えるのが大変である、日本語能力試験は合格していても、実際の生活にはやさしい日本語や仕事で使う日本語が必要であり、実態と乖離していることなど、様々な懸念があるとのことでした。
特に「特定技能外国人」にはこのような研修が不足しているとの指摘もありました。こうした外国人に対する研修について、実態を鑑みると、このままの体制で外国人をどんどん受け入れてしまうと大変なことになるのではないかとのお話でした。
日本に強い魅力を感じ来日していただいた外国人の皆さんには、わが国の伝統と文化を踏まえ、生活ルールも学んだ上で活躍してほしいと思いますし、何も知らずに生活するのは日本人にとっても外国人にとってもお互い不幸な結果を生み出してしまいかねません。日本語能力試験だけではない要素をしっかりと身につけていただくことが大切であり、土葬の議論をする前に、やるべきことがたくさんあると感じました。
村井知事はこれから外国人材を宮城県に多数受け入れると表明しておられますが、こうした現場の声を踏まえると、わが国の伝統や文化、生活ルールを一部の外国人ではなく、宮城県にお越しいただくすべての外国人にしっかりと理解していただくことが今後ますます重要になると考えますが、現状認識と見解を伺います。
(4)スタートアップ支援策の現状と課題はどうか。また、起業家の成長意欲と連動するよう、成果報酬型の支援制度を設計すべきと考えるがどうか。
私事ではありますが、昨年、十一年間続けてきた、東北大学大学院での非常勤講師の仕事を辞めました。「情報技術経営論」として、起業や経営、政策をテーマに週一回の講義を大学院生向けにしていました。
振り返ってみると震災直後は、興味本位で起業に関心があるという学生が多かったのですが、ここ数年は、既に起業しているという学生やビジネスプランコンテストに応募したことのある学生がたくさん受講し、スタートアップが学生にとって身近なものになっているという変化を実感しました。
宮城県をはじめ、行政の創業支援もこの十年でかなり充実してきており、テック系やメディカルのスタートアップなど、大学との連携により新たな動きが出てきたことは歓迎すべきことではあります。しかし課題もないわけではありません。
創業支援政策のなかで、行政からの補助金はスタートアップにとって大きな支援になるものの、その補助金が何に使われるかというところに行政の視点が向かいがちで、結果として補助金の使途制限が細かすぎるため、市場拡大やスタートアップ企業成長のレバレッジに使いづらい。結果として「資金調達はできたが、売上や顧客数はほとんど伸びなかった」ということになっているように思います。
KPI達成に応じて追加交付をするなど、補助金そのものを成果報酬型に設計し、起業家の成長意欲と連動する形にしていくことで、本来の目的である地域経済の活性化、宮城県の経済成長と雇用創出に資するものになります。
宮城県におけるスタートアップ支援の現状と課題、成果報酬型の制度設計について見解を伺います。
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【渡辺勝幸一般質問要旨】
【大綱1】宮城県と仙台市の連携について
(1)防災庁の設置について、東日本大震災の経験や東京からのアクセスの点から有力な候補地である仙台市と連携して要望すべきと考えるがどうか。
(2)クルーズ船の寄港が少ない仙台塩釜港仙台港区におけるポートセールスについて、仙台市と連携して取り組むべきと考えるがどうか。
(3)民間資本の投資促進による税収増や、インバウンドによる経済活性化が期待される高級ホテルの誘致について、仙台市と連携して取り組むべきと考えるがどうか。
【大綱2】富県宮城の推進とその課題について
(1)世界各国が巨額の予算を投下し、全国の自治体が積極的に誘致活動を進めている半導体産業について、現時点での工場誘致の進捗状況はどうか。
(2)半導体人材は不足しており、工場誘致の実現を見据え、いまから人材育成について積極的に取り組むべきと考えるがどうか。
(3)外国人材の受入れには、日本語だけでなく、伝統や文化、生活ルールの理解が重要であると考えるが、現状認識と見解はどうか。
(4)スタートアップ支援策の現状と課題はどうか。また、起業家の成長意欲と連動するよう、成果報酬型の支援制度を設計すべきと考えるがどうか。
【大綱3】子供たちの国語教育とスポーツについて
(1)母語である日本語の読み書きは学習の基礎中の基礎であり、学校図書館や電子図書館の活用を含め、国語教育の充実強化を図るべきと考えるがどうか。
(2)子供たちが希望する部活動に参加できるよう、機会創出や移動負担軽減などの支援が重要であると考えるがどうか。
(3)幼児教育の質の確保には、エビデンスに基づく政策判断が重要だと考えるが、今後の取組の方向性はどうか。
【大綱4】安全、安心な日本、宮城県について
(1)自転車利用者におけるヘルメット着用の努力義務化から2年以上が経過し着用率の低下を感じており、事前の広報啓発活動や交通安全教育が重要と考えるがどうか。
(2)全国的に自転車ヘルメット着用への支援の動きが見られており、我が県でも県立高校でモデル事業を実施し、自転車ヘルメットの購入支援を進めるべきと考えるがどうか。
(3)予算の充実だけでなく、「ヒートマップ」をもとに事故多発箇所や高齢者・自転車事故が多いエリアへの優先的な交通安全施設整備が必要と考えるがどうか。
(4)今後の米対策には長期的な農業の持続可能性、食料安全保障とのバランス、県産米のブランド価値の維持や生産者の意欲促進が重要だが、全国トップクラスの生産量を誇る我が県として、政府の備蓄米対応及び生産者の視点も含めた見解はどうか。
【大綱5】医療、福祉、少子化対策について
(1)東北労災病院の現地存続が経営悪化とすれば、今後の医療機能低下が懸念されるが、県の対応も含め見解はどうか。また、富谷市の総合病院公募に対する現状認識と支援策はどうか。
(2)4病院再編により搬送時間を短縮するのではなく、医療機関の負担に見合わないとの声がある救急搬送の診療報酬を段階的に加算する制度も一考の余地があると思うがどうか。
(3)医療型短期入所事業所の地域偏在格差が解消されつつある一方で、障害福祉の医療的ケア中核拠点に偏りがあると思うが、現状の重症心身障害児者の課題について見解はどうか。
(4)富谷市と県障害者スポーツ協会との連携協定締結以降、富谷市を拠点にパラスポーツ振興の取組が具体的に進んでおり、県として更なる障害者スポーツ支援を進めるべきと思うがどうか。
(5)出生数を減らさないため、他県や海外の成功事例を全て実施するという気概を持って少子化対策に取り組むべきと考えるが、現在どのような少子化対策を考えているのか。
【一般質問要旨ここまで】
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(大綱3から大綱5は明日以降に続けます)
質問内容についてのご感想、
ご意見、ご質問などいただければありがたく存じます。
すべてにお返事はできませんが、
今後の活動に役立ててまいります。
「渡辺勝幸公式ウェブサイト活動報告」
⇒ https://katsuyuki.jp/category/report/
(第5393号 令和7年6月20日(金))