私は小学生の時にも会社をつくりました

現在私は、株式会社つくる仙台という小さな会社を経営していますが、
小学校高学年の時にも、友達と会社をつくりました。

いま思うとちょっと変わった小学生でしたね。

けっこう本格的に株券を発行して、資金を集め、
ファミコンソフトの転売をしたり情報誌をつくったと記憶していますが、
当時の詳細はあまり覚えていません。

「会社をつくる」という発想を生み出したきっかけの一つは、

⇒ 那須正幹著、前川かずおイラスト
『うわさのズッコケ株式会社』 (こども文学館) 1986/7/1

でした。

この本を読んで、会社って面白そうだと感じ、
会社について調べ、
本屋さんに行って商法の本を読んで株式会社はどういうもので、
仕組みはどんなものかということを研究しましたね。

いま思うと、やはり変わった小学生でした。

学校の視聴覚室で株主総会をやったりもしました。

けっこう友達を中心に盛り上がり、
お小遣いから株券を買ってくれる子もいたりして、
事業は大きくなっていきました。

やっているうちに楽しくて、
友達と次から次へといろんなアイデアを話し合い、
実行していき、仲間を増やしていきましたが、

ある日、株主を集めて視聴覚室で株主総会をやっていたところ、
一人、となりのクラスのおとなしめの友人も参加していたのですが、
そのクラスのいじめっこに、

「なんだお前、となりのクラスの奴らと視聴覚室で何をやっているんだ」

とつるし上げられ、やむなくその子が事情を話したところ、
すぐにそのクラスの担任の学年主任の先生に、
事業内容や株主総会について告発されてしまいました。

学年主任はベテランの女の先生でしたが、
学校でお金のやり取りをするとはけしからん、
会社のまねごとをするとはけしからん、
ということで、

私をはじめ取締役一同が職員室に呼び出され、
厳しくご指導をいただき、会社は即日解散、
株主にお金を返還したということがありました。

私の担任の先生は、
「まあ、そんなに悪いことではないと思うけどなあ」
とは言ってくださいましたが、
私が初めてつくった株式会社は、このようにしてあっという間に解散となったのでした。

あれから30年以上がたち、
現在は小学生が起業家教育を受けて、

株式会社を設立するという、「ファイナンスパーク」「ステューデントシティ」など、
お金についての勉強を子供のころからしていこうという流れが生まれており、
キャリア教育の一環としても新たなカリキュラムが提供されています。

私にはよくあることですが、
時代を先取りしすぎていたようにも感じます。。。

30年以上前に先生にこっぴどく叱られたこの経験ではありますが、
会社の仕組みを知り、世の中のビジネスについて関心を持つ子供たちがたくさん生まれることで、

次の時代のビジネスや産業をつくる、そんなシステムを
これからはさらに充実していく必要があると思っています。

21世紀にになった現在、
創業スクールを実施して新しい会社をつくるお手伝いをしたり、
東北大学で会社の作り方を教えたりしていますが、

その原点は、小学生時代にあったなあといまさらながら思い出すところです。

そのころから、行動力はあったんだなあと、
まあそれも善し悪しはあるわけですが、
おもしろい小学生だなと自分で思い出されます。

先生方にはご迷惑をおかけいたしました。
御指導ありがとうございました。

(第4977号 令和6年4月30日(火)発行)