平和のため、国民の生命と財産を守るため、憲法改正を

本日5月3日は、憲法記念日です。

「日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する」ことを趣旨とした国民の祝日ですが、
昭和22年5月3日に日本国憲法が施行されたことを記念したものとされ、
今年でなんと76年という月日が経ったことになります。

自民党は昭和30年の結党以来、
「憲法改正」を党是としていますので、
立党の原点が憲法改正ということになります。

今日私は、若林区遠見塚のヨークベニマルで951回目の街頭活動をし、
憲法改正について演説をしたところです。

そして毎年のことですが、メディアでは、
憲法改正を訴える集会と同時に、
護憲派、憲法を守れという集会が取り上げられます。

しかしよく考えてみると、
「憲法を守る」ということは当たり前のことであって、

法律の上位規範である以上、
現行の法律、そして憲法が守られなければ、
世の中がうまく回らないでしょうから、
あえて声高に叫ぶことではないのではないかと思うわけです。

だからといって、現行の法律に課題が生じたならば、
国会などに働きかけたりして、手続きに則って法律を変えること、
そのこと自体を否定することはおかしい。

法律の上位規範である憲法においても同様ですし、
そもそも日本国憲法96条に改正手続が規定されている以上、
憲法改正そのものを否定するということは、
日本国憲法の精神に反するわけです。

すなわち、「憲法改正に反対する」ということは憲法を否定することになるわけですね。

9条以外の改正にも、
そして一字を変えることにも反対をするというのは、
歴史的に言えば、大日本国憲法を「不磨の大典」とみなして以来の、
わが国の伝統でもあるのかもしれません。

そして「憲法改正」という言葉を聞いて、否定的反応を持ったり、
「戦争への道だ」などとすぐ感情的になる方がいらっしゃいますが、

日本国憲法を一字一句変えてはいけない、というのではなく、
憲法をどう変えて、どう変えてはいけないか、議論をしていき、
最終的には国民投票で日本国民が決めていくべきことなのです。

改正の議論すらしてはいけない、
という「護憲派」の皆さんの主張そのものが
憲法を否定していると思うのですが、いかがでしょうか。

こうした議論にとどまらず、
昨年2月24日以来のロシアによるウクライナ侵略は、
我が国の世論に大きな影響を与えているものと感じます。

今日の読売新聞によれば、以下の通りです。
⇒ https://www.yomiuri.co.jp/election/yoron-chosa/20230502-OYT1T50232/

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【引用ここから】

憲法改正「賛成」が61%、コロナ禍やウクライナ侵略影響で高水準に…読売世論調査

読売新聞社は憲法に関する全国世論調査(郵送方式)を実施し、
憲法を「改正する方がよい」は61%(前回昨年3~4月調査60%)と、2年連続で6割台の高い水準となった。
コロナ禍やロシアによるウクライナ侵略など、
憲法のあり方を問う世界規模の出来事が相次いだことが影響したとみられる。

【引用ここまで】
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平和を守るということは何よりも大切なことです。

しかし、多くの日本国民が、そして世界の人々が、
昨年来のウクライナの状況を見て、

ロシアのような国が暴発した時には、
この21世紀においてさえ、
隣国は悲惨な状況になってしまうということを、
驚きをもって再認識したのだと思います。

「お花畑」であっては自国が悲惨な状況になりかねないと、
ドイツやスイス、フィンランドなど、中立的に近い立場をとってきたヨーロッパの国々でさえも、
昨年のロシアによるウクライナ侵攻直後の短期間に、
安全保障政策を歴史的大転換させています。

19世紀の帝国主義の時代と同じような事態、
そしてウェストファリア体制以来積み重ねてきた国際法の世界を、
完全に無視する国があらわれた場合、
この21世紀においても為す術がないということを
私たちは世界中で再認識をしました。

日本は、そのロシアと国境を接し、領土は奪われたまま。
北朝鮮からはミサイルが頻繁に飛んでくる。

中国は日本の領海を頻繁に侵犯し、軍事力を急激に増大させ、
いまや日本の軍事費の6倍になっている。

台湾海峡は一触即発の状況になっている。

東アジアは、世界でも有数の危険な地域となっている、
この状況下でいざ有事が起きた場合に、
わが国は何も手を打つことなく、ただ滅びゆくのみ、
ということで本当によいのでしょうか。

憲法改正は一つの手段でしかありません。

たとえ憲法を改正しても、
わが国が隣国から蹂躙され、
再び廃墟となってしまうことは決してないとは言えないでしょう。

ウクライナの報道を見ても、本当に子供たちが不憫で仕方ありませんが、
日本がそうならないとは決して言えないでしょう。

とはいえ、現行の憲法下での課題を解決しなければ、
危機への対応はできず、私たちの生命や財産は守られないでしょう。

わが国を守るために、子供たちやまたその次の時代の子供たちも守るために、
どんな手を打つのか、その一つの手法が、憲法改正です。

憲法の規定する緊急事態については、
世界各国においても新型コロナウイルス感染症の拡大を
国家の危機と受け止め、ロックダウンなど強権を発動しています。

スペインやイタリアはじめ多くの国々で、
憲法に基づく非常事態を宣言し、
国民の外出や経済活動を制限しました。

しかしわが国においては憲法で「緊急事態」が定められていません。
ちなみに1990年以降、憲法を新たに制定した国は、
世界で104カ国あるそうなのですが、

「それらの国はすべて緊急事態条項を定めている」

そうです。

国によっては時代の変化に合わせて、
緊急事態の対象をテロや自然災害に広げる改正もなされています。

「憲法改正はいつか来た道」
「再び日本を侵略国家にするな」

現代日本人の誰も考えていないようなことをスローガンにして、
不安をあおる団体もあるようですし、

改正を考えることだけで戦争への道、と主張される方がいますし、
私もこのように罵声をよく浴びせられますが、

改正することを悪とするのではなく、
どう改正するのか、中身の議論をするべきだと思います。

ちなみに平和条項を憲法に書いている国は、
世界で164か国あるそうで、
いわゆる「平和主義」に関しては、日本だけのものでは決してありません。

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今そこにある危機に対して、
具体的にどのように対応していくのか、
そのために欠けていることは何か、
こうしたことについて考えるのが、
この5月3日、憲法記念日なのだろうと思います。

毎日平和に暮らせること、
美味しいご飯をあたたかい家で家族と食べることができること、
本当にありがたいことです。

この平和を守るために、何をしなければならないか。

これからのおよそ30年は、わが国にとって大きな正念場であると私は思っています。
同じ志を持つ方々がたくさんいますので、
みなさんから様々ご指導をいただきながら、私自身も努力してまいります。

(第4614号 令和5年5月3日(水・憲法記念日)発行)