渡辺勝幸予算特別委員会質疑の内容についてその3─令和3年2月予算特別委員会先議議案総括質疑(令和3年2月16日)

2月16日、
宮城県議会予算特別委員会において、
渡辺勝幸は総括質疑(35分)に立ちましたので、

その質問内容等についてお伝えしたいと思います。

昨日の続きです。

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【3 「新型コロナウイルス感染症対応事業者支援費」について】

(1)7月補正でも計上された当該予算について、
今回の事業内容と目的はどうか。

渡辺:
「新型コロナウイルス感染症対応事業者支援費」についてお伺いをいたします。
2月6日、私は南三陸町を久しぶりに訪問いたしました。
歌津地区の漁港はじめ震災からの復興はまだまだ途上であると感じましたし、
またそんななか、南三陸のさんさん商店街を訪問いたしましたが、
コロナの影響もあるのでしょう、お客さんが土曜日でしたけれども、
ほとんどいないという状況でございました。

今回の補正予算、「新型コロナウイルス感染症対応事業者支援費」として、
業況悪化の事業者を支援する県内市町村に助成するという予算が
三十億円計上されています。

これは7月補正でも計上されておりまして、
拡充ということになるかと思いますが、
その事業内容と目的についておうかがいいたします。

村井知事:
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴いまして、
昨年12月28日から、仙台市内の種類を提供する飲食店等に対しまして、実施いたしました。

営業時間短縮要請や、GoToキャンペーンの一時停止等により、
飲食宿泊業を中心に、多くの事業者が厳しい経営状況にあるものと認識をしております。

このような状況にある事業者を支援するため県では、
市町村が地域の実情に応じて実施する取組を支援する
「新型コロナウイルス感染症対応事業者支援費」の補助金を再度創設することといたしました。

事業内容といたしましては、事業継続支援や、
新たに追加した感染症予防対策などのメニューから、
市町村がその趣旨に合致した事業に取り組む通常枠に加えまして、
営業時間短縮要請の対象となった事業者や地域を手厚くし、
事業者や地域を手厚く支援するため、今回新たに行政対応枠を設けました。

県としては市町村としっかり連携をいたしながら、
引き続き事業者支援に取り組んでまいりたいと考えております。

(2)7月補正予算に係る市町村での事業内容について、評価と併せてどうか。

渡辺:
ある県内の自治体から以下のような声がありましたので、お話をしたいと思います。

今回のこの事業者支援費について担当の方々が、
自治体のですね、担当の方々が現場の声を踏まえて工夫しまして、
「デリバリーやキャッシュレス決済を事業者グループで基盤整備する取組を後押しする補助制度」、
また「クラウドファンディングを後押しする補助制度」
を検討したそうなのですが、県側からは、
「現状の仕組みでは、事業者を間接的に支援するもの、
消費者等に還元されるものには活用できない、という制度設計となっている」
との説明だったとのことで、結局は「事業者支援の補助金交付事業」に落ち着いたそうです。

視点としては、非常に現場の声を踏まえて、いいアイデアだなと思ったんですが、
なかなかこういった使い勝手が市町村側からすると、
ちょっと厳しいのではないかという声が上がりました。

ぜひ、こうした市町村のアイデア、現場の声を生かした形で、
今後ですね、さらに、いろんな形で支援制度を進めるときに
取組を進めていただきたいと思います。

この「新型コロナウイルス感染症対応事業者支援費」につきましては、
昨年の7月補正において、先ほどもお話ありましたように既に実施をされているわけでございますが、
それぞれの市町村においてはどのような事業を進めていたのか、
その具体的内容と評価についてお伺いをしたいと思います。

千葉経済商工観光部長:
市町村では本補助金を活用いたしまして、
例えば売上の減少率が50%未満である、
国の持続化給付金の対象外となっている事業者への給付金や、
家賃補助の充実など、地域の実情に応じたきめ細かな支援に
取り組んでいただいているところでございます。

事例といたしまして、例えば岩沼市のケースですが、
売上が減少した宿泊業、旅客自動車運送業などに対する支援金、
南三陸町では、漁業者への給付金など、こういった独自の取組が行われているところでございます。

県といたしましては本補助金の目的に沿って、
市町村が地域経済の状況や事業者の実情を踏まえて適切な支援を柔軟に行っていると
そのように評価しているところでございます。

このメニューの対象外となった事業者の方につきましては、
例えば農地、地域の商品券とか、そういったものにつきましては、
市町村に直接行っている地方創生の交付金がございますので、
そちらを活用しながらいろいろ事業をやっていただいているところでございます。

(3)最新の調査では、サービス業よりも悪い指標値を示す業種が存在しているほか、
業種間の支援格差に批判の声も出ている。
市町村によるきめ細かな支援は意義があるものと思うがどうか。

渡辺:
次にまいります。
仙台市の酒類を提供する飲食店に対しまして、特措法に基づいて、
営業時間短縮の協力を要請した、先ほどお話がございましたが、
2月8日に解除ということで、これから経済支援政策をどう進めていくか、
これが非常に大きな課題になっていく、また、注目をされるところであると思っております。

一方で、東京都は3月7日まで緊急事態宣言で20時時短、
北海道においても、札幌市全域で、営業時間の短縮要請を今月末まで実施するということでありまして、
ちょっと差が出てくるということで、国分町への影響、
これも人流、人の流れを見据えながら、一方でやはり第四波というふうにならないような、
大前提である感染拡大の防止、これも進めていかなければならないと思っております。

そういったなかでやはり、県内中小企業への経済的な支援をどう進めていくのか、
市町村が進めるこの「事業者支援費」は非常に重要であると感じているところでございます。

ところで先日ですね、
全国中小企業団体中央会、中小企業の全国の団体ですが、
最新の令和3年1月25日発表の、「12月の中小企業月次景況調査」、
これ毎月出してる月次の景況調査があるんですが、
中小企業の景気動向を見る上で非常に重要な指標ということで、
この最新のデータによると、景況を表す指標DIというのがありますが、これを見ると、
飲食業や宿泊業といったサービス業で、前年同月比-54.1ポイント。

やはり声があるように、景況が悪化しているということが分かるんですが、
一方で、全19業種あるんですが19業種を見ていくとですね、
サービス業は-54.1なんですが、最も悪いのは印刷業で、-93.5ポイント。
繊維工業、-84.7ポイント。商店街、-73.8ポイント。

というように、これがワースト3なんですけれども、
サービス業より数字が悪化している業種が、客観的な数字で指標で見ますと、
19業種中11業種も、サービス業以上に悪化しているというものがあったということでございます。

もちろんサービス業はすそ野が広いということもありますし、
雇用者数も多い関連業界も多いということで、
感染防止の観点から見れば、今回の時短要請は理解をするところでありますが、
客観的な数字をみると、他の業界でも厳しい景況感を示しているところから、
今回の事業者支援費のように、県内全域において、
またそれぞれの地域においてきめ細やかに、
事業者一般に対して支援をしていくということは意義があるものと思っております。

またここのところ少し業種で支援に差が出ているということへの批判も
ちょっと見られるようになってまいりました。
県としての見解をお伺いいたします。

千葉経済商工観光部長:
ただいま委員からご指摘のありましたように、
新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中では、
営業時間短縮要請の対象となった飲食店だけではなく、
その取引先などの関連事業者も苦境に立たされているほか、
国のGoToキャンペーンの一時停止等の影響もありまして、
幅広い業種において非常に厳しい状況が続いていると、
このように認識しているところでございます。

昨年12月に市町村を対象に行いました、この事業者支援市町村事業補助金に関するアンケート調査、
こちらのほうで、本補助金については市町村の判断で柔軟に活用できるということから、
多くの市町村から高い評価をいただいたところでございます。

こういった状況を踏まえまして、県といたしましてさらなる事業者支援として、
この補助金制度を再度実施するということにしたものであります。

地域の産業構造とか様々な面から、事業者の置かれている状況というのは、
地域によって様々でして、また影響度合いも違っております。

このような点から市町村が地域の産業界の皆様の声に耳を傾けまして、
この補助金を活用して地域の実情に合わせたきめ細かな事業者支援を、
適切なタイミングで実施していただきたいとこのように考えているところでございます。

(4)コロナの影響が長引く中、融資の返済時期を控え資金繰りに苦しむ中小事業者が多く、
増額借換や据置期間延長等について早急に周知すべきと思うがどうか。

渡辺:
次の今回の事業者支援費に関連してコロナ融資について伺いたいと思います。

飲食業界の方の要望、今回多くいただく中で聞こえてきたのは、
いわゆるコロナ融資はちょうど昨年4月5月の緊急事態宣言下で貸付を受けた方が多く、
その際に、据置期間を半年あるいは一年としていた事業者が多いようでございます。

先週、若林区内の飲食事業者の方からご相談をいただいたのですが、
やはり昨年にコロナ融資を受けたものの、据置期間は一年ということで、
そろそろ返済が迫ってきているなか、
「コロナが一年も続き、年が明けてもひどい状況が続くとは思わなかった」
とのことで、融資について今後どうすればよいか迷っていらっしゃるとのことでございました。

また、2月8日の日本経済新聞の記事によれば、
中小企業や個人事業者への実質無利子・無担保融資について、
中小企業庁が調査したところ、昨年12月末までに決定した融資のうち、
日本政策金融公庫で66%、民間金融機関では56%が据置期間を1年以内に設定していたと。
6ヶ月以内は日本公庫で33%、民間で42%だった、とのことであります。

今回のコロナ融資は制度上、国のほうで据置期間最大5年という異例のものになっているとはいえ、
現場の金融機関ではほとんどが据置期間1年で融資が実行され、
年度末を目の前にしてまもなく返済が始まることを考えると、
ここで「もはやここまで」と、廃業を選択するという方もどんどんでてくるのではないか
と心配をしているところでございます。

おそらく、想像ですが、金融機関にとっても、
今回のコロナ融資は、国や県の利子保証があり、
むしろ融資をすすめやすいのではないかとも思うのですが、
現場の実情からすると、いまこの瞬間も、
資金繰りに頭を悩ませている飲食業や宿泊業、
その他コロナで影響を受けている事業者の方々はたくさんいらっしゃるのではないか、
そう考えると一刻も早く、増額借換や据置期間の延長について、
周知の徹底や行政と金融機関との連携が必要であり、
融資と今回補正予算で提出されました、この「新型コロナウイルス感染症対応事業者支援費」を
速やかに活用していただくことが、重要であると考えます。

既往債務の条件変更や据置期間の延長措置、増額借換等、
中小事業者の資金繰りの面について、金融庁からも通知が出ているとは思いますが、
県としても融資制度の周知を徹底、積極的に行うことが必要と考えますが、いかがでしょうか。

村井知事:
据置期間が満了を迎え、元金の返済が必要となる中小企業者の資金繰りが懸念されますことから、
県では、金融機関に対して据置期間、償還期間の延長など、
事業者の状況を十分に勘案した柔軟な対応について繰り返し要請をしてまいりました。

こうしたなか、首都圏等における緊急事態宣言が延長されたことなどに伴いまして、
中小企業庁から、実質無利子無担保の新型コロナウイルス感染症対応資金について、
同一金融機関内での借換制限を緩和する旨の通知がございまして、
県としては、今月22日から実施する予定としております。

これにより、今月一日から実施しております、
融資限度額六千万円への引き上げと合わせ、
増額借換や実質的な据置期間、償還期間の延長など、
事業者の実情に寄り添った対応が促進されるものと考えております。

この借換制限の緩和措置については、すでに金融機関に対して連絡をしておりますけれども、
今後さらにホームページをはじめとする各種広報媒体や、
商工会、商工会議所などの支援機関を通じ、事業者への周知をしっかり図ってまいりたいと考えております。

渡辺:
知事の前向きな答弁ありがとうございます。
さらにですね、こういった通知、積極的に広報していただいて、
どうしてもその金融機関がなっていても、事業者の方はなかなか、
そのニュースを知らないとか、その事実を知らないと、
一人で悩んでいらっしゃるという方もたくさんいらっしゃいますので、
ぜひ報道等も含めて周知をしていただきたいと思います。

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以降の質疑内容については、
明日以降に続けてご紹介したいと思います。

質問内容についてのご感想、
ご意見、ご質問などいただければありがたく存じます。

すべてにお返事はできませんが、
今後の活動に役立ててまいります。

なお、正式な議事録は後日宮城県議会ホームページで公開されます。
この記事はおおよそのやりとりを表していますのでご理解ください。

「渡辺勝幸 宮城県議会県政活動報告」(ブログ)
⇒ http://cuccanet.blog72.fc2.com/blog-category-42.html

インターネット中継の動画等はこちらから見ることができます。
⇒ http://www.miyagi-pref.stream.jfit.co.jp/

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【令和3年2月予算特別委員会先議議案総括質疑(令和3年2月16日)
 渡辺勝幸委員質疑要旨】

1 県コロナ関連予算の総額について

(1)新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、
我が県では震災以来となる累次の補正予算を編成しているが、
今年度のコロナ関連予算の総額についてどうか。

(2)今年度のコロナ関連予算のうち、特別交付税や地方創生臨時交付金など、
国からの財政支援の概算額についてどうか。

(3)一般財源の負担額及び財政調整基金の取崩し額についてどうか。

2 コロナ関連対策費の財源について

(1)新型コロナによる経済的打撃は、県税収入にも複数年にわたり影響が出ると思うが、
現時点の令和2年度及び3年度の収入見込額についてどうか。

(2)減収補てん債は、償還時に交付税措置があるほか、
今年度限りで対象税目の拡充が認められたところであり、
積極的に活用すべきと思うがどうか。

(3)財政調整基金が枯渇し、コロナ対策に苦慮している自治体があると聞く。
緊急時に備えて余力を確保しておく必要があると思うが、
臨時的な財政出動を想定した我が県の対応についてどうか。

3 「新型コロナウイルス感染症対応事業者支援費」について

(1)7月補正でも計上された当該予算について、
今回の事業内容と目的はどうか。

(2)7月補正予算に係る市町村での事業内容について、評価と併せてどうか。

(3)最新の調査では、サービス業よりも悪い指標値を示す業種が存在しているほか、
業種間の支援格差に批判の声も出ている。
市町村によるきめ細かな支援は意義があるものと思うがどうか。

(4)コロナの影響が長引く中、融資の返済時期を控え資金繰りに苦しむ中小事業者が多く、
増額借換や据置期間延長等について早急に周知すべきと思うがどうか。

4 新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金について

(1)今回補正で計上された新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金は、
今後の時短要請に対応する予備的な予算とのことだが、その事業内容はどうか。

(2)「みやぎお知らせコロナアプリ」の現在の登録施設数及び
利用者登録数はどうか。

(3)協力金申請の機会などを活用し、
「みやぎお知らせコロナアプリ」の登録・利用の促進を図るべきと思うがどうか。

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(第3810号 令和3年2月18日(木)発行)