平成30年卒業記念品贈呈式の小学校PTA会長挨拶メモ─国語辞典

六年生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。

みなさんはあと数カ月でこの小学校から卒業し、
中学校で様々な勉強、スポーツに取り組み、
たくさんの新しいことを勉強することと思います。

今日はPTAから皆さんに、
卒業の記念ということで国語辞典を贈呈したいと思います。

みなさんは辞書を引くのは好きですか?
楽しいという人もいれば、
面倒だなという人もいることでしょう。

辞書を引くことは、
新しい言葉をたくさん知るということにもなるので、
いろいろな世界が広がっていくきっかけになります。

ぜひこの辞書を活用してください。

ところで、ある研究調査によると、
ふだん大人がコミュニケーションするのに必要な言葉の数は、
その国によって違うということがわかりました。

英語やフランス語は、
だいたい二千から三千の言葉を知っていると、
9割の理解が得られるのだそうです。

ところがドイツ語になると、
五千語の言葉を知らないといけないのだそうです。

ずいぶんとちがうものですね。

それでは日本語でしっかりとしたやりとりをするのに、
どれくらいの言葉の数が必要になるでしょうか。

みなさんは、どれくらいだと思いますか。

なんと日本語は、

「一万語」

の言葉が必要なのだそうです。

日本人は他の国に比べると、
たくさんの言葉を知っていないと
やりとりがうまくできないんですね。

みなさんも、もうほぼ大人ですので、
たくさんの言葉をこの六年間覚えてきたと思います。

これはすごいことですね。

なぜ日本語はこんなにたくさんの言葉が必要なのか、
二つ大きな理由があります。

一つ目は、

「日本語は新しい言葉をつくりやすい」

といわれているためです。

みなさん、

「そだねー」、

「スーパーボランティア」、

「インスタ映え」。

それぞれ聞いたことある人はいますか?

6年生のみなさんはけっこう知っているようですね。

これらの言葉は最近の流行語で、
ちょっと前まではあまり使われていなかった言葉が多いです。

特に日本語は、
外国の言葉と日本語を、

「インスタ」+「映え」

のように組み合わせて、
新しい言葉を生み出すことが多いとされていて、
そのことがたくさんの言葉が新たに生まれやすい理由なんですね。

日本語にたくさんの言葉がある二つ目の理由は、

「日本語には感情を表す言葉がたくさんある」

とされているからです。

「気持ち」を表す言葉が、
たくさんあるんですね。

日本語で言うところの「悔しい」に近い言葉は、
フランス語にはないそうです。

また同じように、
日本語で言うところの「もったいない」という言葉も、
英語にはないのだそうです。

日本人は気持ちを表す言葉をたくさんもっているんですね。

ぜひこれから、
こうした気持ちを表す言葉をたくさん覚えて、
言葉を大切にしてほしいと思います。

お贈りする国語辞典を使うことによって、
たくさんの言葉を覚え、
たくさんの言葉を使いながら、

みなさんがよりよい中学校生活を送られますことを
心より願いまして、
PTA会長のあいさつといたします。

ご卒業、誠におめでとうございます。

(平成30年12月18日
 仙台市立沖野東小学校 視聴覚室)