宮城県議会自民会派で県外調査─大分県、宮崎県
私が所属している宮城県議会の会派、
自由民主党・県民会議で、4月27日、
県外の先進事例等調査視察に行ってまいりました。
他県の先進事例は政策形成やビジネスのヒントにもなりますので、
皆さんにシェアしたいと思います。
●九州電力八丁原発電所(大分県玖珠郡)
日本一の地熱発電所ということで、
大分県玖珠郡九重町にあります八丁原発電所へ。
九州電力 八丁原・大岳発電所
⇒ https://www.kyuden.co.jp/effort_geothermal_t_hattyoubaru.html
昭和52年より運転開始しているこの地熱発電所は、
出力11万キロワット、一般家庭約3万7千軒の需要を担う規模となっており、
わが国最大の地熱発電所となっています。
わが国における地熱発電所は、東北と九州に集中しており、
宮城県においては鬼首地熱発電所が現在改修中となっています。
近年のエネルギー問題は、全世界で大きな経済問題となっていますが、
今後の私たちの生活に直結する問題でもあり、
エネルギーの安定的確保が何よりも求められているところ、
クリーンな再生可能エネルギーをどうやって安定的に確保するか、
また同時にどの分野のエネルギーにおいても反対運動が激しくもなっている状況ですので、
地域で納得をしていただくための仕組みづくりも年々重要になっているところです。
地熱発電はまだコストが高く、反対の声もある状況ですが、
一方で自然エネルギーとして高く評価する声もあるところです。
この八丁原発電所は、地熱発電とはいえ、
思っていたよりもしっかりとした規模の大きい発電所であると感じました。
純国産で、燃料が不要、
そして半永久的に安心して利用できるベースロード電源となる、
二酸化炭素を排出しないなど、
いま世の中から求められている要素を多く持っています。
残念ながら大容量の発電所はできにくいわけですが、
研究を重ねていただき、地熱という分野にも注目していきたいと思っています。
●訪問看護ステーションゼロワン(宮崎県都城市)
宮崎県都城市にある訪問看護ステーションゼロワン。
外観も内装も、カフェに入ったかのような明るい雰囲気でしたが、
実際にお話を伺うと築年数がかなりいった物件に入居されたとのこと。
もともと美容室であったそうですが、
空き物件をこうした事業で利活用するという観点からも大切な視点であると感じました。
この「ゼロワン」は、西都城駅前に位置し、
三つのサービスを提供する複合型事業所となっています。
その三つとは、
1 看護師が自宅を訪問し医療のサポートを行う「訪問看護ステーション ゼロワン」、
2 医療的ケアを必要とする重度の障がい者を対象とした短期入所施設「とまり木」、
3 その利用者を対象として、医療保険や介護保険でカバーできない「保険外サービスの提供」
とのことで、少人数のスタッフで、
医療と福祉のハイブリッド事業をすすめながら、
保険外サービスも提供しており、
最新のニーズにこたえる事業を展開されています。
宮城県内においても医療的ケアを必要とされる方がショートステイを実現するために、
様々な施設がありますし、その数も増えてきてはいますが、
小回りの利く規模の事業所で、大都市ではなく、
地方都市の一地域でしっかりと運営をしている事業所が、
今後さらに求められていくものと思っています。
しかし残念ながら、地方でこうした規模でこまめに事業をやっていただけるところはまだ少なく、
同時に経営側も安定するまでに様々な課題があるようです。
収益化、人員確保の課題、耐震や防火対策などの課題など現場の声をお聞かせいただきました。
昨年スタートしたばかりの事業とのことですが、
コロナ禍においても、そして今後ますます必要とされる事業ですので、
政治の場から何ができるのかということも今後考えていかなければなりません。
────────────────────────
今回も今後の県政に生かせる情報、お話をたくさんいただきました。
コロナ禍においてはオンラインや書籍・雑誌などで様々、
情報収集をしてきましたが、
本質的な部分や五感で感じる部分はやはり直接見聞しなければと今回も感じたところです。
今回ご教示いただいたエネルギー問題や医療福祉の課題について、
今後の県政活動に生かしていきたいと思います。
(第4244号 令和4年4月28日(木)発行)