平和のための憲法改正を

本日5月3日は、憲法記念日です。

「日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する」ことを趣旨とした国民の祝日ですが、
昭和22年5月3日に日本国憲法が施行されたことを記念したものとされ、
今年でなんと75年という月日が経ったことになります。

今日は、第24回公開憲法フォーラム
「憲法改正で危機突破を! 各党は参院選で改憲の必要性を訴えよ」に参加しました。

これは、東京平河町の砂防会館別館にて開催され、
岸田文雄自民党総裁のビデオメッセージの後、
国防、防災、防疫それぞれの専門家から憲法改正の必要性についての提言、

そしてその後、自由民主党、公明党、日本維新の会、国民民主党の代表から
憲法改正について挨拶がありました。

自民党は昭和30年の結党以来、
「憲法改正」を党是としていますので、
立党の原点が憲法改正ということになります。

そして毎年のことですが、メディアでは、
憲法改正を訴える集会と同時に、護憲派、憲法を守れという集会が取り上げられます。

場合によっては護憲派だけを取上げるニュースもあったりします。

しかしよく考えてみると、
「憲法を守る」ということは当たり前のことであって、

法律の上位規範である以上、
現行の法律、そして憲法が守られなければ、
世の中がうまく回らないでしょうから、
あえて声高に叫ぶことではないのではないかと思うわけです。

だからといって、現行の法律に課題が生じたならば、
国会などに働きかけたりして、手続きに則って法律を変えること、
そのこと自体を否定することはおかしい。

法律の上位規範である憲法においても、同様ですし、
そもそも日本国憲法96条に改正手続が規定されている以上、
憲法改正そのものを否定するということは、日本国憲法の精神に反するわけです。

すなわち、「憲法改正に反対する」ということは憲法を否定することになるわけですね。

「憲法改正」という言葉を聞いて、否定的反応を持ったり、
「戦争への道だ」などとすぐ感情的になる方がいらっしゃいますが、

日本国憲法を一字一句変えてはいけない、というのではなく、
憲法をどう変えて、どう変えてはいけないか、議論をしていき、
最終的には国民投票で日本国民が決めていくべきことなのです。

改正の議論すらしてはいけない、
という「護憲派」の皆さんの主張そのものが
憲法を否定していると思うのですが、いかがでしょうか。

こうした議論にとどまらず、
2月24日以来のロシアによるウクライナ侵略は、
我が国の世論に大きな影響を与えているものと感じます。

今日の読売新聞によれば、以下の通りです。

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【引用ここから】

憲法改正「賛成」60%、「自衛のための軍隊保持」は45%…読売世論調査

読売新聞社は憲法に関する全国世論調査(郵送方式)を実施し、
憲法を「改正する方がよい」は60%(前回昨年3~4月調査56%)と、
郵送方式となった2015年以降で最も高かった。

ロシアのウクライナ侵攻や北朝鮮のミサイル発射などによる安全保障への関心の高まりを反映した。
「改正しない方がよい」は38%(同40%)だった。

憲法の条文を改めたり、新たな条文を加えたりする方がよいと思うもの(複数回答)は、
「自衛のための軍隊保持」45%が最多で、「緊急事態への対応」38%、
「教育の無償化」36%などが続いた。

【引用ここまで】
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平和を守るということは何よりも大切なことであり、
そして同時に非常に難しいことであるということも、
今回のウクライナを見て感じたところです。

ゼレンスキー大統領は、ロシア侵略直前まで「外交的解決」に言及していましたし、
グテーレス国連事務総長も最近直接モスクワに乗り込み、
プーチン大統領と会談していますが、事態は一向に改善の兆しも見えません。

多くの日本国民が、そして世界の人々が、
今回のウクライナの状況を見て、ロシアのような国が暴発した時には、
この21世紀においてさえ、隣国は悲惨な状況になってしまうということを、
驚きをもって再認識したのだと思います。

「お花畑」であっては自国が悲惨な状況になりかねないと、
ドイツやスイス、フィンランドなど、中立的に近い立場をとってきたヨーロッパの国々でさえも、
この短期間に、安全保障政策を歴史的大転換させています。

19世紀の帝国主義の時代と同じような事態、
そしてウェストファリア体制以来積み重ねてきた国際法の世界を、
完全に無視する国があらわれた場合、
この21世紀においても為す術がないということを
私たちは世界中で再認識をしました。

日本は、そのロシアと国境を接し、領土は奪われたまま。
北朝鮮からはミサイルが頻繁に飛んでくる。
中国は日本の領海を頻繁に侵犯し、軍事力を急激に増大させ、日本の軍事費の6倍になっている。
台湾海峡は一触即発の状況になっている。

東アジアは、世界でも有数の危険な地域となっている、
この状況下でいざ有事が起きた場合に、
わが国は何も手を打つことなく、ただ滅びゆくのみ、
ということで本当によいのでしょうか。

憲法改正は一つの手段でしかありません。
たとえ憲法を改正しても、わが国が隣国から蹂躙され、
再び廃墟となってしまうことは決してないとは言えないでしょう。

ウクライナの報道を見ても、本当に子供たちが不憫で仕方ありませんが、
日本がそうならないとは決して言えないでしょう。

わが国を守るために、子供たちやまたその次の時代の子供たちも守るために、
どんな手を打つのか、その一つの手法が、憲法改正です。

「憲法改正はいつか来た道」
「再び日本を侵略国家にするな」

現代日本人の誰も考えていないようなことをスローガンにして、
不安をあおる団体もあるようですが、

今そこにある危機に対して、
具体的にどのように対応していくのか、
そのために欠けていることは何か、

こうしたことについて考えるのが、
この5月3日、憲法記念日なのだろうと思います。

毎日平和に暮らせること、
美味しいご飯をあたたかい家で家族と食べることができること、
本当にありがたいことです。

この平和を守るために、何をしなければならないか。
これからのおよそ30年は、わが国にとって大きな正念場であると私は思っています。

同じ志を持つ方々がたくさんいますので、
みなさんから様々ご指導をいただきながら、私自身も努力してまいります。

(第4249号 令和4年5月3日(火)発行)