令和5年(2023年)の政治経済見通し

以前からこのメルマガでも指摘していますが、

「未来を予測することは一定程度可能である」

と私は思っています。

たとえば令和5年5月10日に渡辺勝幸は48歳になる!

とか、

令和5年4月1日に、わが国では、
「こども家庭庁」が設置される!

ということは、
もう予定として決まっているわけです。

私がむかし永田町で働いていたとき教えられたことは、
政治的作業の一番要の部分は

「日程を作ること」

だということでした。

だれがいつどう動くか?

これを知っていると、その後の動きが解るし、
世の中の制度がどのように変わっていくかも、
未来の日程が解れば推測できるようになります。

永田町に限らず
ビジネスにおいてもそうですね。

したがって、
どんな種類の手帳を使うか、
アナログかデジタルかということも大事かもしれませんが、

「手帳に書いてあることをどう見ていくか」

ということのほうが重要なわけです。

もちろん人の気持ちや、
突発的災害、事故、人の死などで、
情勢が大きく変化することはありますので、
そこもシミュレーションのひとつです。

令和5年は、

「世界経済が減速する年」となりそうです。

この数年は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、
全世界でコロナによる影響が甚大なものとなりました。

そのなかでリベンジ消費や物価高騰に連動した景気拡大も見られましたが、
来年は欧州を中心に世界経済の減速に注視する年となりそうです。

日本政治の世界では、

「春の統一地方選挙」が課題です。

岸田内閣は衆院選、参院選に勝利しましたが、
安倍総理の銃撃事件、統一教会問題、相次ぐ閣僚の辞任により、
「黄金の三年」は過去の話題となっています。

万が一、統一地方選挙で自民が惨敗ということになれば、
5月の広島サミットが「花道」ということにもなりかねません。

岸田総理の自民党総裁としての任期は、
2024(令和6)年9月までとなりますが、
第一の関門が「統一地方選挙」となるでしょう。

立憲民主党、日本維新の会など野党各党の勢力図も、
統一地方選挙次第となりますし、

国民民主党との連立問題も統一地方選挙までに見えてくるのか、
その後になるのか、政局の動きにも注目です。

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日本経済については、
想定以上の物価高騰と「悪い円安」が打撃を与えており、

コロナによる「ゼロゼロ融資」の返済が始まる状況からも、
景気動向は要チェックです。

世界経済の減速により、場合によっては、
輸出企業が厳しい状況になる可能性があります。

日本におけるインフレがどの程度、影響を与えるのか、
そして賃金上昇の数字がどのくらいになっていくのかという点も重要です。

また引き続き、
「脱炭素」「デジタル化による経済活性化」は今年も大きなテーマであり、
政府の政策推進が進展することとなります。

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そして、国際的な情勢としては、
コロナ以後、ますます熾烈となっている、

「米中の覇権争い」が主軸として展開していくことでしょう。

欧米が中露と対立するという、
20世紀の国際情勢にも似た構図が、
再び激しく生まれているようにも思えます。

ウクライナへのロシア侵攻により、
ヨーロッパの安全保障は一変しましたし、
エネルギー情勢も一変しました。

中国をターゲットとした、「経済安全保障の強靭化」というテーマは、
対ロシアを含めた概念に傾きつつあります。

第三次世界大戦の懸念も、論者からは指摘されるようになりましたが、
台湾海峡も含めた東アジア情勢はウクライナと相似関係にあるとも言え、
非常に緊迫化しているといえます。

また、コロナによる経済への影響は落ち着きつつあるものの、
各国政府・中央銀行は、戦後最大規模の財政出動を含む
あらゆる政策手段を総動員したこともあり、
出口を見据え、巨大債務をどう処理していくのかという課題も
見据える必要があります。

アメリカでは、この一年想定以上のインフレが進行しており、
インフレ動向と金融政策が最大の焦点となるでしょう。

エネルギー価格の動きから見ると、
ピークアウトしたのではないかという指摘もありますが、
政策金利は5%を軸として動くとの予想もこれあり。

また、米中対立を含め、トランプ的反グローバル、
サプライチェーンの在り方の議論を見ると、
インフレ懸念が完全に払しょくされるためには相当な時間が必要となりそうです。

2024年の大統領選を見据え、
共和党のトランプ前大統領が出馬表明、
ポスト・バイデンの議論が今年は注目です。

ヨーロッパではコロナ禍の経済活動再開による需要回復も一巡したとみられており、
景気後退入りがコンセンサスとなりつつあります。

消費者マインドも大幅悪化とのことで、
昨年から続くエネルギー価格高騰がインフレを牽引。

なかでも、イタリアの財政懸念がリスクとなっています。
脱ロシア・脱中国を欧州がどれだけ進められるか、困難な選択を迫られそうです。

中国は、ゼロコロナ政策からの転換や不動産市場の低迷など、
中国経済の力強さがみられない状況です。

政治的には習近平の体制は強化されましたが、
足元が揺らぎつつあることは明白ですので、
経済の動向次第ではさらなる強硬な外交が進められる可能性があります。

またコロナ禍以来、
大規模な財政金融政策を打ち出していないこともありますが、

今後5年間の習近平政権が「中国式現代化」をどのように進めていくのか、
さらなる不安定な状況が惹起される可能性もあります。

昨年のこの記事では、「来年の地政学リスク」として、
北朝鮮、イラン、ウクライナを挙げました。

しかし、ここまでロシアがウクライナへの侵攻をするとは、
なかなか想定できるものではありませんでした。

自分自身反省しながら、
どんなに時代が進化しても、
独裁者の意志によって戦争が簡単に起こってしまい、
人の命はあっという間に軽いものになってしまうということを再認識した次第です。

平和は尊いものですが、
平和を訴えて侵略をするということもあるということを肝に銘じ、
複合的な視点が必要だということを肚に落したいと思います。

大転換期の世界において我が国がどう進むべきか、
宮城県の進むべき方向はどうあるべきか、

年末年始、考えてみたいと思います。

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【令和5年(2023年)の予定】

1月23日 通常国会召集

1月21-27日 春節(旧正月)休暇(中国ほか)

2月24日 ロシアのウクライナ侵攻開始から1年

3月11日 東日本大震災から12年

4月1日 こども家庭庁設置法施行

4月8日 日本銀行黒田総裁の任期満了

4月9日・23日 統一地方選挙

4月23日 衆参統一補欠選挙

5月6日 チャールズ3世戴冠式(イギリス)

5月19日~21日 G7サミット(広島)

7月 ファミリーコンピュータ 生誕40周年

7月 仙台市議会議員選挙

9月1日 関東大震災から100年

9月8日~10月28日 ラグビーワールドカップ2023(フランス)

9月9日~10日 G20首脳会議(インド・ニューデリー)

10月 宮城県議会議員選挙

10月29日 ウクライナ議会選挙

11月 APEC首脳会議(アメリカ)

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来年は卯年。
渡辺勝幸は年男の48歳となります!

卯年の相場格言は「卯年は跳ねる」。

相場上昇が期待できるという年になるでしょう。

令和5年の干支は「癸卯」。
十干が「癸(みずのと)」で、十二支が「卯」。

「寒気が緩み、萌芽を促す年」とされています。

「壬」は十干の10番目、生命の循環で言えば最後に位置し、
次の生命を育む準備が完了した状態を表しています。

一方、「卯」は十二支の4番目で、
草木が地面をおおうようになった状態、萌え出づる春を表します。

そう考えると令和5年は、
春の兆し、今まで培われた実力が試される年であるといえます。

コロナにより、厳しい冬を全世界の人々が過ごしてきましたが、
新たな時代をつくるスタートの年となる、
これが「癸卯」の令和5年となるのでしょう。

また一方で、無理をしすぎず、頑張りすぎない、
ほどほどの年とすることも大事ですね。

大きな転換点に私たちはいま立っています。

世界の大転換期にあって、
諸外国との平和を維持しながらも、

わが国の原点に立ち返り、
日本のあるべき姿をもう一度考えていかなければなりません。

日本が果たすべき役割を考えながら、

地元の若林区と宮城県の発展を推進するため、
「新たな時代をつくる」年としたいと思います。

(第4490号 令和4年12月30日(金)発行)