【渡辺勝幸一般質問】【大綱2】村井県政四期十六年をどのように見ているか【第380回宮城県議会】
昨日9月15日、
第380回宮城県議会(令和3年9月定例会)において、
渡辺勝幸は一般質問に立ちましたので、
このメルマガで数回に渡って、
一般質問の内容等についてお伝えしたいと思います。
2回目として、
大綱2 村井県政四期十六年をどのように見ているか
内容をお伝えしたいと思います。
【大綱2】村井県政四期十六年をどのように見ているか
以下4点について知事及び教育長の所見を伺いたい。
(1)首長の多選批判に対する現状の認識について、知事就任前の見解と併せてどうか。
次に、大綱二点目「村井県政四期十六年をどのように見ているか」についてお伺いいたします。
九月一日の県議会本会議において、村井知事は、
来る知事選挙に出馬し、次の四年間においても全身全霊を傾ける、と述べました。
四期十六年間の知事の県政運営に対する県民の評価は大きなものがあると私は感じており、
実際に支持率は高いという数字もあるとうかがっています。
そしてこのコロナ禍において県政のかじ取りを進めることのできる人物がほかにいるのかといえば、
残念ながら見当たりません。
しかし、県民からは知事の五回目の挑戦にあたり、
「このコロナ禍において県政が不安定になってはいけない」という声がある一方で
「五期二十年は長いのではないか」という声も聞こえております。
また多選知事の弊害が、全国各地で様々な議論がなされていたことも事実であります。
「五期二十年」の県政が県民にとって本当によいことであるならば、
私たちも全力で応援しなければなりませんが、
五期目の知事が独断専行の県政運営をすることになれば、
これは県民にとって不幸なことになるわけであります。
したがって、当選回数を重ねれば重ねるほど、
県議会こそが知事に対するチェック機能をさらに強化し、
県議会も、そして県執行部も知事に対して、言うべきことを遠慮なく言う、
知事を諫める存在が重要になってくるものと感じるところであります。
そして、そのような環境をつくるのは知事自身であり、
当選したならばでありますが、知事の器が問われる五期目になるものと私は思っております。
この四年間を振り返ると、「独断専行」という批判が高まった一方で、
宿泊税導入議案の取り下げ、県立高校エアコン設置、宮城県美術館の移転計画など、
県政の諸課題に対し、ご自身の信念を持ちながらも、
ときに柔軟な対応をすることもあり、
知事におかれては引き続き、住民の声を常に聞き、
独断専行との批判が県民から出ることのないよう、
「衆知を集める」宮城県政を進めていただきたいと思います。
そこで知事に、首長の多選批判についてお伺いいたします。
村井知事は自民党所属の県議会議員を務められ、知事に就任される前は、
自民党宮城県連の幹事長として党県連の中心にいらっしゃいました。
その際、首長の多選には課題があるとして、
三選を超える首長選挙に対しては党県連の推薦を出さないという多選制限の方針を出されました。
平成二十九年六月の県議会定例会一般質問において、
畠山和純議員がこのことについて触れ、知事の見解が示されています。
私自身は、民主主義の根幹は選挙で示されるものであり、
投票結果が最も重きを置かれるべきものであるとかねてより考えておりますが、
一方で、首長の大きな権限や現職首長の日常の行政執行が事実上の選挙運動効果を持っている
との指摘にも頷けるところであり、そうであるからこそ多選を重ねた首長は、
自身が権力に対して謙虚に抑制的であるべきですし、
議会の側もさらに首長に対するチェック機能を強めていかなければならないと考えます。
首長の多選に対する当時の見解もあわせて、
令和になった現在、知事は多選批判に対してどのように考えておられるのか、
知事ご自身の見解をお示しください。
(2)復興を経た我が県だからこそ、コミュニティに着目した政策が重要であり、
担い手となる青少年を育成し地域の活性化に取り組むべきと思うがどうか。
過去、本県において、四期十六年以上知事を務めたのは、
村井知事と故山本壮一郎知事のみであり、
山本知事は県政史上最長の五期二十年にわたり県政を担われました。
私は先日、せんだいメディアテークにあります仙台市民図書館において、
山本知事が五選をめざされた昭和六十年の県知事選前後に発行された当時の
『河北新報』を数ヶ月分マイクロフィルムで読みました。
昭和六十年は、仙台市が政令指定都市を目指し、また東北新幹線の上野駅乗り入れ、
そして新聞広告に不動産物件が多数紹介されるなど、
県経済が活性化している様子がうかがえました。
当時の山本知事県政十六年の総括記事なども読み、
県政運営の課題や来る二十一世紀に向けて県がなすべき政策について様々な議論があったことを感じました。
そのなかで気づいたことは、山本県政において重視されていたソフト政策のひとつが
「新しいふるさとづくり」であり「コミュニティーづくり」であったことです。
本県においては昭和四十七年から五十八年までに
百四カ所のモデル・コミュニティーを指定、住民の手による住みよい環境づくりが行われ、
それぞれの特性に応じた地域活動が活発に行われていました。
この『河北新報』の記事においては、
本県は「コミュニティー先進県」として全国に知られるようになったと宮城県の政策を高く評価しておりましたし、
実際に、県内各地でこうしたコミュニティを中心として、活発に行動した多くの青年が、
現在県内各地域の政治家や地域リーダーとして活躍しており、
確かに本県の先進的な取り組みであったと感じたところです。
また、地域の青年団活動や「青年の船」など、
当時のハード政策全盛期には珍しい、ソフト政策が行なわれていましたが、
当時においてもコミュニティ政策は「永遠の行政課題」であり、
県庁職員挙げて取り組んできた課題であったようです。
その後、本間、浅野県政を経て、宮城県のコミュニティ政策は薄れてしまい、
地域の活性化を担う青年は少なくなり、人口減少もとどまることを知りません。
東日本大震災がさらに追い打ちをかけたともいえるでしょう。
しかし復興後の宮城県だからこそ、地域コミュニティを再生し、
活性化するための「コミュニティ政策の復活」が必要であり、
青少年の育成により地域を活性化させる「令和のふるさとづくり」が必要であると考えます。
県の見解をお伺いいたします。
(3)福祉分野に関して、今後更なる取組の充実を期待するが、
新・宮城の将来ビジョンの方向性も踏まえ、認識はどうか。
次に、「福祉の村井」についてお伺いいたします。
宮城県議会会議録検索システムで調べてみると「福祉の村井」というキーワードは
議員発言で二十四件ヒットしました。
私が県議会議員となってからも何度かこの「福祉の村井」というキーワードを耳にした記憶があります。
村井知事の進めた「富県みやぎ」政策は大きな結果を残しており、
「創造的復興」とあわせて四期十六年間の大きな成果であると多くの県民が思っているところでありますが、
「福祉の村井」という言葉は、議会やメディアで時折、場をにぎわわせることがあっても
実際の県政においては、村井知事の肝いり、一押しの政策として打ち出された福祉政策は、
ほとんど見当たらないのではないでしょうか。
現在、新型コロナウイルス感染症対策として、
知事が医療提供体制の確保に奮闘しておられることは承知しておりますし、
心より敬意を表するところです。
しかし、社会的に弱い立場の人に「政治の光」を当てるという政策が
村井県政には足りないのではないか。そのように感じるところです。
議事録によれば、知事自身も「福祉の村井といわれるように頑張りたい」と何度かおっしゃっていますし、
県の長期計画である「新・宮城の将来ビジョン」には、
「社会全体で支える宮城の子ども・子育て」が新たに柱建てされており、
大いに期待するところであります。知事の見解をお伺いいたします。
(4)若い世代に妊娠・出産や不妊に関する知識を伝えることは重要であり、
大学生向けに実施しているセミナーの対象を高校生などにも拡げる必要があると思うがどうか。
少子高齢化社会において、子ども・子育て政策は県政運営にとって重要なテーマであります。
若い世代が子どもを生みやすい環境をつくるためには、様々な政策支援が必要であります。
今年度は、県として新たにAIを活用したマッチングシステムの導入により、
「みやぎ結婚支援センター」を開設、結婚支援をさらに進めていると伺っております。
未婚化・晩婚化が本県でも進行しており、少子化の要因の一つであるとされているところ、
やはり若い世代に対して、妊娠・出産の適齢期や不妊に関する知識を伝えていくことも大事なことであります。
これまで県では、大学生向けセミナーを開催してきたところでありますが、
今後は高校生などさらに若い世代に対象を広げ、
全県で若い世代が男女ともにライフプランニングについて
考える機会を提供する必要があるのではないかと考えます。
県と教育庁の見解をお伺いいたします。
(大綱三から五は明日以降に続けます)
質問内容についてのご感想、
ご意見、ご質問などいただければありがたく存じます。
すべてにお返事はできませんが、
今後の活動に役立ててまいります。
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【渡辺勝幸一般質問要旨】
【大綱1】東京2020オリンピック・パラリンピックのレガシー継承について
以下3点について知事の所見を伺いたい。
(1)世界の人々への感謝など、復興五輪のテーマは大会終了後も
レガシーとして継承していくべきであり、今後この考え方をどう生かしていくのか。
(2)レガシーという観点からも、障害者スポーツの推進に更なる取組が必要と思うが、
今後の方向性についてどうか。
(3)障害を持ったアスリートの雇用促進と障害者雇用の現状についてどうか。
【大綱2】村井県政四期十六年をどのように見ているか
以下4点について知事及び教育長の所見を伺いたい。
(1)首長の多選批判に対する現状の認識について、知事就任前の見解と併せてどうか。
(2)復興を経た我が県だからこそ、コミュニティに着目した政策が重要であり、
担い手となる青少年を育成し地域の活性化に取り組むべきと思うがどうか。
(3)福祉分野に関して、今後更なる取組の充実を期待するが、
新・宮城の将来ビジョンの方向性も踏まえ、認識はどうか。
(4)若い世代に妊娠・出産や不妊に関する知識を伝えることは重要であり、
大学生向けに実施しているセミナーの対象を高校生などにも拡げる必要があると思うがどうか。
【大綱3】環境は経済であり、農業もまた経済である
以下3点について知事の所見を伺いたい。
(1)地球温暖化への対応が経済成長の機会になるとの認識が広がりつつあり、
我が県の経済戦略の根幹に環境分野を位置づけ、
グリーン成長戦略として打ち出すべきと思うがどうか。
(2)農業分野では、地産地消や食育の取組を震災復興と並行して進めることにより
需要の創出を図ることが重要である。
これまでの施策の評価と今後の取組についてどうか。
(3)農産物の輸出に関して国は大きな目標を掲げており、
我が県としても潜在的な力を発揮する好機と思うが、
今後の取組の方向性について、県産農産物の輸出額の推移と併せてどうか。
【大綱4】子供たちの将来について
以下2点について知事及び教育長の所見を伺いたい。
(1)令和5年に創立150周年を迎える小学校が多く、記念事業が計画されている。
県制150周年記念事業と一体となった取組を提案するが、記念事業の内容はどうか。
また、小学校創立150周年についての見解はどうか。
(2)東北地方で初めてとなる不登校特例校の設置を受け、
県としてその取組を支援するとともに、県内への共有を進めるべきと思うがどうか。
【大綱5】名取川水系広瀬川の洪水対策と流域治水の考え方について
以下2点について知事の所見を伺いたい。
(1)仙台市が実施する大規模雨水処理施設の整備に関して、
放流先となる広瀬川や名取川の周辺住民から水害の発生を懸念する声があるが、
仙台市との調整状況や対策についてどうか。
(2)流域治水は自治体の枠組みを超えた取組が必要であるが、
県としての方向性や課題について、認識はどうか。
【一般質問要旨ここまで】
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「渡辺勝幸 宮城県議会県政活動報告」(ブログ)
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(第4020号 令和3年9月16日(木)発行)