「ウグイスが夏になっても鳴くのはどうして?」
思い起こすと、今年の春先に、
寒さが和らぎあたたかさを感じるようになった頃でしょうか、
うちの近所の木からでしょうか、
「ホーホケキョ!」
となくウグイスの声が聞こえました。
毎年聞いているように思うのですが、
今年は特にウグイスの鳴きっぷりがいいなあと、
春の訪れの象徴のように
とてもうれしく感じたものでした。
しかし5月、6月とすぎ、
7月を越え、8月になって、
お盆になった最近でも、ウグイスの、
「ホーホケキョ!」
という美声が聞こえてくるのです。
むしろ声量も大きくなり、
歌い方も上手になっているような。。。
別に夏にウグイスが鳴いても、
なんの問題があるわけではないのですが、
しかし気になるので、インターネットで検索してみました。
すると、私とまったく同じ疑問を持った小学4年生が、
NHKの「夏休み子ども科学電話相談」に電話をしており、
そのやりとりが以下のサイトにありましたので、
引用したいと思います。
「ウグイスが夏になっても鳴くのはどうして?」(2018年7月30日 NHK「夏休み子ども科学電話相談」)
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【引用ここから】
放送日時:7月30日(月)午前11時05分ごろ~
山田アナ:山田敦子アナウンサー
川上先生:川上和人先生(森林総合研究所 主任研究員)
はるかさん:質問者
山田アナ:それでは次のお友達につなぎます。こんにちは。
はるかさん:こんにちは。
山田アナ:お名前を教えてください。
はるかさん:はるかです。
山田アナ:はるかさんは何年生ですか。
はるかさん:小学4年生です。
山田アナ:おうちはどこかな?
はるかさん:京都府です。
山田アナ:はるかさんはどういうことを聞きたいのですか。
はるかさん:ウグイスは春に鳴くと聞いたのですが、まだ鳴いているウグイスがいます。また、ウグイスはオスが鳴くのですか? メスが鳴くのですか。
山田アナ:はるかさんの家の近くに、ウグイスが鳴いているの?
はるかさん:はい。
山田アナ:夏になったのに鳴いているのは、どうしてかな? ということね。
はるかさん:はい。
山田アナ:それでは川上先生お願いします。
川上先生:どうもこんにちは、川上です。
はるかさん:こんにちは。
川上先生:ウグイスの鳴き声、家の近くとかでよく聞こえますか。
はるかさん:はい。
川上先生:ウグイスはね…ウグイスに別名があるのを知ってますか。
はるかさん:知りません。
川上先生:ウグイスは別名、ハルツゲドリとも言われていて、春になって鳴き始めるから、春になったことを教えてくれる、春を告げる鳥、ハルツゲドリとも言われています。だから、ウグイスが春に鳴くと考えるのはすごく、ある意味正しいことですね。じゃあ、ウグイスがなんて鳴くか、知っていますか。
はるかさん:ホーホケキョ。
川上先生:そうだよね。ホーホケキョって鳴きますけども。じゃあ、何のために鳴いているのかというのを、ちょっと考えてみましょう。まず、鳴くということは、とても目立つということなので、例えばね、タカとか、ネコとか、襲ってくる動物がいると、目立つということは良くないことだよね、襲われちゃうから。それでも大きな声で鳴くということは、何かきっと良いことがあるはずなんだけれども、何だと思います?
はるかさん:仲間を集めるため。
川上先生:仲間を集めるね。確かに鳥は仲間を集めるときに、よく鳴くよね。実は、このときに集めたい相手というのは何かというと、1つはメスなんです。だから、1つ正解ですね。メスに、言ってみればモテたいんです。だから、1つの理由としては、自分のつがいになる相手を探すため、自分のことを好きになってくれるメスを集めるために、鳴いているというのが1つあります。実は、もう一つ、ホーホケキョには意味があるのだけれども、それは想像してみると何か分かるかな? 今度は逆なんだけど。
はるかさん:分かりません。
川上先生:今度はね、ほかの鳥を寄せつけないためというのがあって。鳥はナワバリを持ちます。ナワバリを持つときがあるのですね。ここの範囲は自分のナワバリだということを示すために鳴いて、ほかの、周りにいる個体が入ってこないようにしよう、というような役割もあります。
はるかさん:はい。
川上先生:その2つの役割、メスにモテるためというのと、ナワバリを守るため、というのを考えると、これはどういう時期に鳴いたらいいか考えてみると、何か想像がつきますか。どういう時期がいいかな、というの。
山田アナ:季節。
はるかさん:分かりません。
川上先生:分からないか。やっぱり季節としては、繁殖する季節なんですね。繁殖して、卵を産んで、子どもを育てる季節には、たくさん食べものもいるし、メスを守らなければいけないし、まず何よりもメスにモテないといけないから。だから、春から夏にかけて、というのが繁殖期なので、よく鳴きます。で、特に春になるとよく鳴きます。そこまではだいたい分かった?
はるかさん:はい。
川上先生:じゃあ、ウグイスはなんで今も鳴いているかというと、実はウグイスなんかも繁殖期が結構長い場合があります。
はるかさん:そうなんですか。
川上先生:そうそう。春から繁殖をするのだけれども。例えば、繁殖に途中で失敗しちゃったりして、途中で卵を食べられちゃったりして、もう1回卵を産みなおしたりとかすると、時期が遅くなっちゃうんですよね。
はるかさん:はい。
川上先生:そういうときに、どんどん遅くなったりとか、場合によっては、もしかしたら1回うまくいって2回目の繁殖をする、ということもあるかもしれないです。
はるかさん:そうなんですか。
川上先生:そうそう。遅い場合は、そうですね、夏とか、もしかしたら秋ぐらいまで、ときどき鳴いていることもあるんです。
はるかさん:はい。
川上先生:でも、冬になると、もう繁殖をしないので、ホーホケキョって鳴かなくなるんですけども。実は、ウグイスというのは、ほかにも鳴き声があるというのを知っていますか。
はるかさん:知りません。
川上先生:ホーホケキョって有名なんだけれども、実はほかの鳴き方もあって、地鳴きといって、チャッチャッチャとかという鳴き方をすることがあって、冬にはそういう鳴き方をするんです。そして、もう1つの質問は、オスが鳴くのか、メスが鳴くのか、というところだったのですけども、実は、これはもう答えを言ってしまうと、オスが鳴きます。
はるかさん:はい。
川上先生:ウグイスって、実はちょっと特別な繁殖の仕方をしていてね。一夫多妻といって、オスが1羽で、メスがいっぱいいるような場合があります。そして、子どもを育てるのは、実はほとんどメスがやります。だから、卵を産むのもメスだし、卵を温めるのもメスだし、子どもにエサをあげるのも、実はメスがやるんですね。そうすると、オスは何をやっているかというと、ナワバリを守るという大切な仕事をしていて、オスとメスで別の役割をしているんだ、と思ってください。
はるかさん:はい。
川上先生:メスは子どもを育てないといけないから、あまり目立つと危ないよね。
はるかさん:はい。
川上先生:だから、メスよりもオスのほうがそういう役割をやっているんだと思います。
はるかさん:分かりました。
川上先生:分かりました? 良かったです。
山田アナ:はるかさん、質問どうもありがとう。
はるかさん:ありがとうございました。
山田アナ:はい、さようなら。
はるかさん:さようなら。
川上先生:さようなら。
山田アナ:はるかさんでした。
【引用ここまで】
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疑問が解けました!
小学4年生の女の子に感謝します。
このラジオ番組は夏になるたびに楽しみにしているのですが、
非常に勉強になるテーマが多いです。
あまり実生活ですぐに役立つものはないのですが、
なるほどなあと知的好奇心がくすぐられます。
子供たちの発想がいいんですね。