人は、なぜ選挙のボランティアをするのか?
宮城県知事選も4日目となり、
19日からはさらに衆院選も始まるということで、
政治の世界は熱くなってきました。
とはいえ、大多数の方々は選挙が始まるようだな、
ということで「選挙に特に関心はないよ~」という感じではないでしょうか。
テレビや新聞、ネットニュースなどを熱心に読んでいらっしゃる方は、
選挙報道をよく読んでるよ、という方もいるかもしれませんね。
わが国の政治家は民主的に、
選挙で選ばれますので、
選挙運動が民主主義の基本中の基本となります。
つまり、私たちの生活のルールを決める土台は、
「選挙」になるわけです。
とはいえ、テレビを見ていると政治家には悪い印象しかないし、
身近なところに政治家がいるというわけでもないし、
仕事も忙しいから選挙に行ったことはないよ~、という人もいることでしょう。
一方で、何かのご縁から選挙事務所に出入りするようになり、
ボランティアで、手弁当で、選挙を手伝っているという方が、
実はたくさんいらっしゃいます。
選挙事務所というのは不思議なもので、
たくさんのボランティアの方々が集まり、
ふだんはそれぞれ別の仕事をしているけれども、
ある候補者のために、様々な仕事を一緒になって、
長期にわたってお手伝いをしてくださる、
そんな方々がたくさんいるんですね。
この候補者に活躍してほしい!
そんな思いからボランティアに入る人もいれば、
候補者を熱心に応援する人の紹介で最初は選挙事務所に出入りした、
そういう方もいらっしゃいます。
手弁当で、ボランティアで、
選挙を手伝うなんて、変わった人だなあ、
と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
一昔前は、政治家に近づくと美味しいことがあるから、
という理由で手伝っていた人もいたことでしょう。
令和の時代にはもうそういう方はいらっしゃいませんが。
それでは、手弁当で、ボランティアで、
人は、なぜ選挙のボランティアをするのでしょうか。
最初は仕方なく手伝っていた人も、
なぜか選挙最終盤になると候補者よりも真剣になっていたりして、
朝から晩まで一生懸命やっていたりする人はたくさんいますし、
一回選挙を手伝ってしまったために、選挙の魅力に取りつかれ、
毎回手弁当で、熱心に協力してくださる方もいらっしゃいます。
人は、なぜ選挙のボランティアをするのか?
一つ目の理由は、
選挙事務所にはパワーがみなぎっているから。
だと私は思います。
熱伝導のように、人の集まるところには、
不思議なことにいろいろな魅力が集積していきます。
候補者は実はあまり事務所にはいないのですが、
後援会の方々や、応援する政治家、経済人、地域の方々、
様々な職業の方々、老若男女、入れ代わり立ち代わり訪れ、
常に変化が起こる毎日です。
たくさんの人のパワーが発電されているところには、集まりたくなる、
そんな雰囲気があるなと思います。
二つ目の理由は、
熱心に取り組めば取り組むほど、自分が成長するから。
だと思います。
これは選挙に限らず、ボランティア活動すべてに言えると思うのですが、
特に若い世代の方々には、無償で社会活動に取り組むことを、
ぜひやってほしいなと思います。
そんなタダ働きなんて!
と思う人もいるかもしれませんが、その発想はもったいない発想です。
ボランティアで社会活動に取り組むことで、
自分とは異業種のいろいろな仕事をしている方と自然に知り合うことができ、
仕事のやり方や、雑談の中で新たな価値観を学ぶことができるんですね。
私自身も様々な社会活動をやっていますが、
自分とは違う分野で活躍しているたくさんの方と仕事を一緒にすることで、
自分自身、スキルアップしたなと感じますし、
ボランティア活動から得た学びを、
自分の仕事に置き換えて生産性が向上したり、
仕事の仕組みのヒントをいただくことが何回もありました。
この経験は、プライスレスです。
三つ目の理由は、
政治が身近になり、社会を変えられる実感がわくから。
だと思います。
政治家を応援することで、その活動が身近なものになり、
自分自身も政治に関心を持ったり、
新聞やテレビでも報道されない世の中の仕組みを知ることができるようになります。
後援会活動に熱心に取り組むだけではなく、
最近は政治家の活動をSNSで見ることにより、
さらに政治を知ることができるようにもなりました。
ほかにもさまざまな理由がありますが、
今回の知事選においても、私のまわりには、
20代30代の若い方々がたくさん選挙ボランティアとして活躍してくださっていて、
コロナ禍のために従来とは違う形で、
密を避けた選挙戦とはなっていますが、
若い世代のボランティアの皆さんが、力を発揮して下さっていることに、
とてもいいことだなあと横で見ていて感じているところです。
中国や北朝鮮、共産党一党独裁政権の国や、軍事政権など、
民主主義を否定する国もたくさんありますが、
民主的な「選挙」という制度が存在するわが国においては、
十二分にこの機会を生かして、投票所へ足を運んでいただき、
また機会があれば、選挙事務所でボランティアをするなどして、
民主主義を支える活動を、
多くの方にしていただきたいなと思う次第です。
(第4050号 令和3年10月16日(土)発行)