「ヤ・サマ」の精神でパラ車いす陸上7冠を目指すタチアナ・マクファデン
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ロシア生まれ、アメリカ育ちの車いすランナーである、
タチアナ・マクファデン。
本日7月19日放映のNHKスペシャル「超人たちの人体」
においても、取り上げられていましたが、
世界を代表するパラアスリートです。
1989年、二分脊椎症という先天性の病により、
腰から下が麻痺した状態で生まれたマクファデンは、
「長くは生きられない」という医師の診断もあり、
実母が手放し、孤児院に預けられました。
しかし、なんとか一命をとりとめ、
他の孤児たちとともに幼児期を過ごします。
1994年、6歳のとき。
視察のため孤児院を訪れた米国保健局の障がい者担当官、
デボラ・マクファデンさんと出会い、
タチアナは養女となりました。
その後、アメリカで学校に通いながら、
デボラさんからスポーツの機会を積極的に与えられ、
水泳や車椅子バスケットボール、アイススレッジホッケーなど
さまざまな種目に挑戦をしたのだそうです。
このデボラさんの慧眼が、
タチアナ選手の将来を決めたのだと感じます。
その後、タチアナ・マクファデン選手は、
車いす陸上のアメリカ代表として活躍し、
今回の東京パラリンピックでは、
パラリンピック車いす陸上で7冠を目指しています。
そして、このタチアナ・マクファデン選手が、
常に自分に言いきかせている言葉が、
「ヤ・サマ」。
「Ya sama(ヤ・サマ)」とはロシア語で、
「私にはできる」という意味。
困難にぶつかり、もうここが限界だと思ったときでも、
「ヤ・サマ」と自分に言いきかせ、壁を乗り越えてきたのだそうです。
タチアナ・マクファデン選手もそうですが、
世界を代表するアスリートのほとんどが、
ここが限界だと思ったところを、
さらにぶつかっていくという精神を持っているように感じます。
おそらく「ヤ・サマ」の精神は、
世界のどこでも通じるものなのでしょう。
タチアナ・マクファデン選手の活躍に期待したいと思います。
(第3961号 令和3年7月19日(月)発行)