安倍晋三総理大臣が、持病が悪化したことなどを理由に辞任を表明

本日令和2年8月28日、
安倍総理大臣は、持病が悪化したことなどから、
国政に支障が出ることを避けたいとして、
総理大臣の職を辞任すると正式に表明しました。

安倍内閣は約8年の憲政史上最長政権、
特に経済と外交政策においては、
平成時代の内閣では特筆すべきものがあったと思います。

国政選挙においても結果を残し、
国民の強い支持を得て政策を推進してきたといえるでしょう。

ふりかえると安倍総理は小泉内閣で内閣官房副長官、
自民党幹事長、内閣官房長官を歴任し、
平成18年総理大臣に就任したのが第一次安倍内閣でした。

このときは戦後最年少の52歳で総理大臣に就任しましたが、
このときも病気が悪化し在任期間366日で辞任されました。

実はあまり注目されていませんが、
安倍総理の大臣経験は「官房長官のみ」です。

小泉総理の引きと平成24年の総裁選がカギだと思いますが、
総理になるための道を歩んできた政治家であるとも言えますし、

国際情勢や日本の現況を考えると、
この8年弱は安倍総理でなければ
乗り切れなかったのではないかとも思えます。

総理になるべくしてなり、
政権奪還後の第二次内閣以降は、
第一次内閣の経験が十二分に生きていたのではないでしょうか。

しかし難病というものは、
いくら新薬が開発されても人間にとっては厳しいものです。

さらにいえば総理という重責は、
誰にも想像できないほどのプレッシャーがあると推測します。

私でも強い緊張感やプレッシャーを感じることがありますので、
総理の精神力はいかばかりかと思うところです。

人間、批判や怒りをぶつけることよりも、
批判され怒りをぶつけられる方が精神をやられるものですし、

一度も会ったことのない人が何年も見てすべて知っているかのように、
あることないことを言われてしまうのが政治家というものです。

さらに責任ある立場になればなるほど、
その度合いは大きくなり、ストレスが体をむしばむことはよくあることです。

特に今年に入ってからの新型コロナ以後は、
毎日のようにメディアで安倍総理批判が続き、
ただのストレスでは済まない状況であったことと推察します。

政治家というのはメディアに批判され、
世論の非難を浴びることは、
日常のことではあるわけですが、

しかしどこかで政治家に対する「やさしさ」というものも
もっていなければ、結局、国民の幸せにつながらない
のではないかなと思うところです。

ましてや、総理辞任の報を知った直後に、

「大事な時に体を壊す癖がある危機管理能力のない人物」

などとツイッターで批判をする政治家が力を持ってしまったら、
日本から「やさしさ」が失われてしまうことでしょう。

百歩譲って「炎上商法」だとしても、
難病を患っている人に対し、
病気をネタに批判をするという感覚は、
「ちょっと何をいっているかわからない」感じですね。

さて、来週からは自民党総裁選への動きが出てくると思われます。
またいろいろとあわただしくなりそうです。

わが国の新しいリーダーを選ぶ大事な活動もしながら、
政治空白がないように、新型コロナウイルス感染症対策をはじめ、
政策推進に力を入れていきたいと思います。

安倍総理のご病気が一日も早く快癒されますよう、

そしてまた元気になって、
総理経験者としてわが国の政治に力をいただければなと思う次第です。

大変おつかれさまでした。

(第3636号 令和2年8月28日(金)発行)