いちいち細かいことにこだわってしまう人に

⇒ タル・ベン・シャハー『ハーバードの人生を変える授業』

タル・ベン・シャハーは、
ハーバード大学で哲学と心理学を学び、
組織行動論で博士号を取得した心理学博士(組織行動論)です。

彼がハーバード大学で受け持った授業には、
1学期あたり約1400名の学生(ハーバード大学全学生の約2割に相当)
が殺到したのだとか。

その昔、彼の書籍を読んで、

「完璧主義を手放す」

という考え方を学びました。

最近どうも、世の中を見渡すと、

「いちいち細かいことにこだわるな」

と思うような事件や出来事に出くわすことが
多いのではないでしょうか。

昔より、まわりの細かいことが気になって、
結局自分がつかれてしまう。

昔は私も今よりは完璧主義だったのではないかと思います。

細かいことが見える人、完璧主義の人は、
こうあらねばならない、というひとつの姿があって
そうなれない自分にいらだち、
欲求不満になります。

私でもそうだったので、
まじめな人はもっとそうなのだろうなと思います。

ここでタル・ベン・シャハーは、
完璧主義の対立概念として

「最善主義」

に言及しています。

最善主義とは、

現実の制約の中で最善を尽くそうという考え方で、
現実を受け入れるのが「最善主義」としています。

完璧主義者は、ゴールまで何の障害もないものと
思い込んでいるので、

仕事に失敗すると、イライラしてうまく対処できません。

それに対し最善主義者は、

「失敗は人生の自然な一部分であり、成功につながる欠かせない要素」

と考えます。

なるほどと思いました。
これは「失敗に学ぶ」ということにも
つながるんだろうと思います。

失敗から学ぶ、つまりたくさん失敗すると、
最善主義に近づけるんだろうなといまになってみるとわかりますね。

もうひとつ面白いなと思ったのは、

「(最善主義者は)現実世界の限界と制約を知っているので、
 達成できる目標を設定します」

というところ。確かに自分を振り返ると、
完璧主義だったときは、現実が見えていなかったように思います。

ただし、考えてみると、
完璧主義者だけの人間、最善主義者だけの人間というのは
世の中にはいないんではないかと思いました。

誰しも、人によって見せる顔がちがったり、
場所によって変わるのではないかと思います。

しかし、最善主義で生きた方が人生は楽しいのでしょうね。

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 【以下引用】

 完璧主義者

  ・失敗を拒否する

  ・つらい感情を拒否する

  ・成功を拒否する

  ・現実を拒否する

 最善主義者

  ・失敗を受け入れる

  ・つらい感情を受け入れる

  ・成功を受け入れる

  ・現実を受け入れる

 【引用ここまで】
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考え方は変えることができます。

考え方が変われば周りからは変わっていないと見えても、
人生は変わりますし、楽しく生きることができるんだろうなと思います。

現代社会はどうしても完璧が要求される仕組みになっているようにも感じますが、

「失敗は人生の自然な一部分であり、
 成功につながる欠かせない要素」

であるということを共有すると、
もっと楽しい世の中になるのではないかなと思ったところです。

⇒ タル・ベン・シャハー『ハーバードの人生を変える授業』

(第3625号 令和2年8月17日(月)発行)