【渡辺勝幸一般質問】【大綱3】県立高校のエアコン設置等教育の諸課題について【第373回宮城県議会】

6月25日、
第373回宮城県議会(令和2年6月定例会)において、
渡辺勝幸は一般質問に立ちましたので、

このメルマガで数回に渡って、
一般質問の内容等についてお伝えしています。

3回目として、

大綱3 県立高校のエアコン設置等教育の諸課題について

内容をお伝えしたいと思います。

【大綱3】県立高校のエアコン設置等教育の諸課題について以下3点について知事及び教育長の所見を伺いたい。

(1)将来的な生徒の減少や高校再編を踏まえながらも、県立高校の普通教室へのエアコン設置を段階的に進めていくべきと思うが所見はどうか。

次に大綱三点目、「県立高校のエアコン設置等教育の諸課題について」
お伺いいたします。

今年三月に、県立視覚支援学校、山元・船岡・金成・迫の各支援学校の合計五校で
百七十九室のエアコン設置が完了したとのことであります。
県当局のご判断と関係各位のご尽力に感謝申し上げます。

県立支援学校や県立中学校の普通教室におけるエアコンの設置が完了すると、
次は県立高校の普通教室におけるエアコンの設置をどう進めていくかが大きな課題であります。
本県における公立小中学校のエアコン設置状況は、
仙台市、石巻市、女川町を除く三十二市町村で完了したところであり、
子供たちの学ぶ環境が改善されています。
また県内の私立高校においては、普通教室におけるエアコン設置率は九十七%、
屋内運動場においても六七・四%と、高校生の学ぶ環境が整備されている状況であります。

一方で、本県の県立高校普通教室におけるエアコン整備率を見ると、
三・六%、全国平均の八十三・五%を大きく下回り、
設置率0%の北海道、設置率一・七%の青森県に続く全国ワースト三位という現状であります。
本県より年平均気温の低い他県の数字の十分の一あるいはそれ以下という、
本県の県立高校の教育環境が厳しいものであるという客観的数字を見ることができます。
また令和元年十二月二十七日には大崎市議会より
「県立高校及び特別支援学校にエアコン設置を求める意見書」が提出されるなど、
高校生の保護者のみならず地域からも強い要望が出てきているところであります。

しかしながら、県立高校へのエアコン設置は財政的に厳しいという
県当局の考えも理解できないわけではありません。
平成三十年九月の県議会定例会における佐々木幸士議員の一般質問に対して知事は、
「県立高校の普通教室への設置費用は約五十六億円、維持管理費は年間約二億円、
 特別支援学校では設置費用は約十四億円、維持管理費は年間約五千四百万円と見込んでおり、
 一律に空調設備を整備するには多額の予算が必要であるため財政的に困難」
と答弁されました。

さらに、今般の新型コロナウイルス感染症対策のため、
県としては既に財政調整基金を約三十二億円も取り崩しており、
第二波に対する警戒を考えれば、県立高校へのエアコン設置に対する国の補助制度がない現状下で、
いますぐに県が単独で一律にエアコンを設置することは
財政的に非常に難しいという認識は共有するところであります。

とはいえ、この数年、他県でも続々と県立高校にエアコンの設置が予算化されている状況を見ると、
国に対して要望をしたとしても、今後、国が予算化をしていく可能性は低いのではないでしょうか。
一方で、維持管理費への国費負担の可能性はあるのではないかと考えます。

最近の新型コロナ以後における情勢を見ても、
秋田県では、今年度の補正予算案で県立高校への冷房設置費を計上。
また山形県では、エアコン導入を前倒しする県立高校と、
未整備の一部の私立高校への設置費用を計上。
隣県においても県立高校へのエアコン整備が続々と進展しているところです。
さらに茨城県においては、条例を改正し令和元年度以降、
生徒の保護者から使用料を月二百円徴収し、電気代等の維持管理費に充てています。
維持管理費を公立高校の授業料に上乗せするという考え方もあるのではないでしょうか。

縷々申し上げて参りましたが、県内小中学校のエアコン設置のめどが立ってきた状況を踏まえ、
県立高校の普通教室においても順次、段階的に設置を進めるべきではないでしょうか。

五十八億円という巨額の費用を一度に出せないというのであれば、
中長期的、計画性を持って段階的に設置し、
現時点においては維持管理費用の保護者負担をお願いするということも
一案として検討してよいのではないかと考えます。

本県における将来的な生徒の減少、再編を踏まえながらも、
段階的に県立高校における普通教室へのエアコン設置を進めていくべきであると考えますが、
知事の見解をお伺いいたします。

(2)オンライン授業の実施体制整備に向けて、予算の更なる拡充とともに早急にICT機器の確保に動くべきであるが、今後のICT機器整備について所見はどうか。

今回の新型コロナウイルスの影響により学校が一斉臨時休業になりました。
六月より県内の各学校においては授業が再開となりましたが、
今後の第二波に備え、オンライン授業を含めた学校のICT化は急務であると考えます。
国の施策にあわせ、児童生徒に一人一台のタブレット端末を配備するなど、
教育分野におけるICT活用の予算が今議会においても提案されており、
遠隔教育支援体制整備費として県立高校におけるICT機器の整備に、
九億八百万円が計上されているところです。

私は、令和元年十一月定例会においても、
ICT等教育環境の充実について一般質問で県の対応についてうかがいましたが、
新型コロナウイルス感染症の影響が拡大して以降、情勢は大きく変化をしました。
オンライン授業を実施するための体制整備は現在喫緊の課題でありますし、
ICT機器整備のさらなる予算拡充が求められます。

そして全国のあらゆる自治体がいまや一斉にタブレットの早急な配備に動いており、
ICT機器が生産される数には限界があると考えれば、
県として一日も早い対応が必要であると考えます。
予算化をしても機器が入手できないのでは意味がありません。

県として今後のICT機器整備について、どのように考えておられるのか、
見解をお伺いいたします。

(3)教育現場における拉致問題への取組状況及び今後の対応方針について、アニメ「めぐみ」を上映した学校数と併せてどうか。

六月五日に八十七歳でお亡くなりになられた横田滋さんは、
北朝鮮による拉致被害者家族連絡会の代表を長く務められ、
妻の早紀江さんとともにすべての都道府県において救出を求める署名活動や
千四百回を超える講演を重ね救出運動に尽力されました。
横田さんの御冥福を心よりお祈り申し上げます。

アニメ「めぐみ」は、平成二十年に政府の拉致問題対策本部により制作されたもので、
昭和五十二年、当時中学一年生だった横田滋さんの娘であるめぐみさんが、
学校からの帰宅途中に北朝鮮により拉致された事件を題材に、
残された家族の苦悩や、懸命な救出活動の模様を描いた二十五分のドキュメンタリー・アニメです。

このアニメはこれまで、全国の小学校、中学校、高等学校、特別支援学校及び高等専門学校など
約四万校に配布されており、「拉致問題に関する教員等研修」で、
活用された学習指導案集が政府のホームページで公開されているところです。
拉致問題は人権問題であり、このアニメ「めぐみ」を活用することによって、
これまで拉致問題について触れる機会の少なかった若い世代への啓発を進めることが必要です。

本県における、アニメ「めぐみ」の教育課程で上映した学校はどれくらいなのか等、
教育現場における拉致問題への取り組み状況及び今後の対応方針について伺います。

以上、大綱三点についておうかがいいたします。
ご清聴いただきましてありがとうございました。

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【渡辺勝幸一般質問要旨】

【大綱1】アフターコロナの宮城県政について以下4点について知事の所見を伺いたい。

(1)今回の感染拡大を受けて、未来に向けた新たな政策を取り入れる観点から県政を大きく見直すべきと考えるがどうか。また、富県躍進の理念を掲げる次期総合計画の策定に当たり、感染症で大きく変化した社会の状況をどう取り入れていくのか。

(2)国内回帰とグローバル分散について

 イ 国の補助金による支援もあり、生産拠点の国内回帰や分散化が進みつつあることを踏まえ、県内への企業誘致を進める好機と考えるがどうか。

 ロ インバウンドや県産品の輸出先を一国に依存するのではなく、リスク回避の観点からターゲットを複数化する視点も重要と考えるがどうか。

(3)感染拡大により、我が県の農業にも大きな影響が生じているが、農業者に対する支援はどう進めているのか、飲食店を含めた外食産業など農産物の販売先を確保する取組も含めてどうか。

(4)少子化対策として、合計特殊出生率を重視するほか、生涯未婚率を低下させる未婚男女の出会いの機会創出といった結婚を支援する政策も重要と考えるがどうか。

【大綱2】新型コロナウイルス感染症拡大防止対策について以下2点について知事の所見を伺いたい。

(1)PCR検査の拡大について

 イ 出産を予定する妊婦全員に対するPCR検査の実施を希望する声もあるが、所見はどうか。

 ロ クラスター発生リスクの高い介護分野では、職員を含めた即応的な検査体制の充実が重要と思うがどうか。

 ハ 海外渡航が緩和される中、多くの国では陰性証明等の提出を求めている。水産業界をはじめ、ビジネス目的の海外渡航者に対するPCR検査の実施についてどうか。

(2)歯科医療について

 イ 入院又は施設・自宅待機している感染者や濃厚接触者が、歯科的急性症状を生じ、治療を希望した場合の歯科医療の対応について、どのような見解か。

 ロ 一般診療所と歯科診療所への支援に格差があると聞くが、我が県の支援策を含めた所見はどうか。

 ハ 以前から要望のある歯科医療担当部署の設置及び歯科医師の県職員採用について所見はどうか。

【大綱3】県立高校のエアコン設置等教育の諸課題について以下3点について知事及び教育長の所見を伺いたい。

(1)将来的な生徒の減少や高校再編を踏まえながらも、県立高校の普通教室へのエアコン設置を段階的に進めていくべきと思うが所見はどうか。

(2)オンライン授業の実施体制整備に向けて、予算の更なる拡充とともに早急にICT機器の確保に動くべきであるが、今後のICT機器整備について所見はどうか。

(3)教育現場における拉致問題への取組状況及び今後の対応方針について、アニメ「めぐみ」を上映した学校数と併せてどうか。

【一般質問要旨ここまで】
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⇒ 「渡辺勝幸 宮城県議会県政活動報告」(ブログ)