コロナ以後の「新しい生活様式」とは何か ―緊急事態宣言を対象地域を全国としたまま、5月31日まで延長
⇒ 「新型コロナウイルス感染症対策本部(第33回)関連資料」
(令和2年5月4日)
令和2年5月6日に期限を迎える「緊急事態宣言」について、
政府は今日4日夕方、対策本部を開き、
対象地域を全国としたまま、今月31日まで延長することを正式に決めました。
同時に、今月14日をめどに、
専門家に感染者数の動向などを分析してもらい、
可能だと判断すれば、
31日を待たずに宣言を解除する考えも示されました。
さっそく対策本部会議の資料を読みましたので、
今後の動向についてみなさんに情報を共有したいと思います。
まず、6ページにおいて以下の記述があります。
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【引用ここから】
ただし、特定警戒都道府県と
それ以外の特定都道府県(緊急事態宣言の対象区域に属する都道府県)では、
感染の状況等が異なることから、特定警戒都道府県においては、引き続き、
これまでと同様の取組が必要である一方、
それ以外の特定都道府県においては、
県下における感染の状況を踏まえつつ、
「三つの密」の回避を中心とした、
より社会経済活動の維持との両立に配慮した取組に段階的に移行していくこととする。
【引用ここまで】
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続けて以下のような記述があります。
「現在は、全都道府県が緊急事態措置の対象とされているが、
今後の対象地域の判断にあたっては、
例えば、以下のように感染状況(疫学的状況)、
医療提供体制(医療状況)等を踏まえて、
総合的に判断していく。」
【総合的に判断していく】ということで、
宮城県のような特定警戒都道府県ではない県においては、
「県下における感染の状況を踏まえつつ、
「三つの密」の回避を中心とした、
より社会経済活動の維持との両立に配慮した取組に
段階的に移行していくこととする。」
とされました。
そして、社会経済活動を戻しながらも、
【新しい生活様式】
を定着させていくという方針が打ち出されました。
9ページです。
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【引用ここから】
未だ全国の新規報告数は200人程度の水準となっていることや
医療提供体制の負荷に対応する必要はあるものの、
新規報告数が減少傾向に転じていること等に鑑み、
まん延防止策を講じるにあたっては、
以下の点に留意しつつ、
より社会経済活動の維持との両立に配慮した取組に移行していくものとする。
・地域の感染状況や医療提供体制の確保状況等を踏まえながら、
段階的に社会経済の活動レベルを上げていくこと。
・まん延の状況は地域によって異なることから、
各都道府県知事が適切に判断する必要があること。
その際、人の移動があることから、
隣県など社会経済的につながりのある地域のまん延状況に留意する必要があること。
・段階的に社会経済の活動レベルを上げるとしても、
全ての住民、事業者において、
後述するように感染拡大を予防する新しい生活様式を定着させる必要があること。
また、仮に、再度、感染の拡大が認められた場合には、
厳しい行動変容の要請を行う必要があること。
【引用ここまで】
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さらに10ページにおいては、
具体的な対策実施にあたっての情報提供・共有について、
以下のように述べられています。
社会経済の活動レベルを上げていく際に、
どういったことをすればよいのか、
ヒントになるのではないかと思います。
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【引用ここから】
政府は、以下のような、国民に対する正確で分かりやすく、
かつ状況の変化に即応した情報提供や呼びかけを行い、
行動変容に資する啓発を進めるとともに、冷静な対応をお願いする。
・ 発生状況や患者の病態等の臨床情報等の正確な情報提供。
・ 国民にわかりやすい疫学解析情報の提供。
・ 手洗い、咳エチケット等の基本的な感染対策の徹底。
・ 風邪症状など体調不良が見られる場合の休暇取得、学校の欠席、外出自粛等の呼びかけ。
・ 感染リスクを下げるため、医療機関を受診する時は、
予め電話で相談することが望ましいことの呼びかけ。
・ 新型コロナウイルス感染症についての相談・受診の考え方をわかりやすく周知。
・ 感染者・濃厚接触者や、診療に携わった医療機関・医療関係者その他の対策に
携わった方々に対する誤解や偏見に基づく差別を行わないことの呼びかけ。
・ 「新しい生活様式」の在り方の周知。
・ 室内で「三つの密」を避ける。
特に、日常生活及び職場において、人混みや近距離での会話、
多数の者が集まり室内において大きな声を出すことや歌うこと、
呼気が激しくなるような運動を行うことを避けるように強く促す。
飲食店等においても「三つの密」のある場面は避けること。
・ 従業員及び学生の健康管理や感染対策の徹底についての周知。
・ 家族以外の多人数での会食を避けること。
・ 今回の対策では、「ロックダウン」(都市封鎖)のような施策は
政府として実施しないことを周知し、
国民の落ち着いた対応(不要不急の帰省や旅行など都道府県をまたいだ移動の自粛等や
商店への殺到の回避及び買い占めの防止)の呼びかけ。
【引用ここまで】
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決定に先立ち行われた専門家会議で、
この「新しい生活様式」の実践例について示されています。
⇒ 新型コロナウイルス感染症対策専門家会議
「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」(2020年5月4日)
専門家会議で提示されたこの資料の9ページに、
「新しい生活様式」の実践例が掲載されています。
(1)一人ひとりの基本的感染対策
(2)日常生活を営む上での基本的生活様式
(3)日常生活の各場面別の生活様式
(4)働き方の新しいスタイル
また、業種によって感染リスクも異なることから、
今後、業種ごとの感染拡大予防ガイドラインが
関係団体により作成される方向です。
いずれにしても、今後、
社会経済の活動レベルを上げていく際に
どのようにして「新たな日常」をつくっていくか、
一人ひとりの生活、仕事、プライベートで、工夫をしていきましょう。
(第3520号 令和2年5月4日(月・みどりの日)発行)