3月13日、政府予算案が衆議院で可決されたことの雑感

3月13日、
令和8年度政府予算案が衆議院で可決されました。
与野党の対立から国会情勢は緊迫し、
「禁足」の指示が出ました。
ちなみに「禁足」とは国会用語で、
本会議の急な招集や緊迫した採決に対応するため、
国会議員に対し、議員会館や国会周辺などすぐに本会議場へ駆けつけられる場所に待機するよう義務付ける指示のことです。
まず、午前中に自民党国会対策委員会が開催され、
各省提出予定法案説明等とともに一日の想定される流れなどについて説明がありました。
12:45代議士会。
13:00衆議院本会議。
「予算委員長坂本哲志君解任決議案」を賛成少数で否決。
その後、予算委員会が行われ予算委員会委員以外は、採決待ち。
予算委員会で新年度予算が採決された後、各委員会開催。
18:40衆議院財務金融委員会が行われ出席、4法案を賛成多数で可決。
19:45代議士会。
20:00衆議院本会議、令和8年度総予算3件について委員長報告の後、討論。
自民藤原崇衆議院議員、維新が賛成討論。
中道、国民、参政、みらいが反対討論。
記名投票、賛成350、反対109の賛成多数で可決。
政府予算が可決された後も本会議は続き、
国交、農水、災害、総務、外務各委員長報告の後、各法案を可決。
財金委員長報告の後、中道、国民、参政、みらいの討論、法案可決。
文科委員長報告の後、法案可決。
政府予算の可決後に行われた採決は、
「日切れ法案」についての各種法案です。
これはほとんど報道されていませんが、
この「日切れ法案」とは、
4月1日の新年度開始や特定の期日までに成立・施行しないと、
国民生活や国の活動に重大な支障(混乱)を及ぼす法案のことであり、
まだまだこのほかにも年度内に採決をしないといけない
「日切れ法案」がたくさん残っている状況です。
本会議散会は22:25。
その後打合せ等で長い一日となりました。
「なぜ年度内に予算を成立させなければならないのか?」
国会では、政府予算の審議が大詰めを迎え、
衆議院で可決された予算案は、
16日から参議院での審議ということになります。
政府与党としては、
年度内の予算成立に全力を挙げています。
それはなぜかと言えば、
日本の財政は「単年度主義」を基本としており、
4月1日から新年度の予算が執行できる状態にしておかなければ、
国の行政は大きく停滞してしまうからです。
もし年度内に予算が成立しない場合、
暫定予算などの措置を取ることになります。
しかし暫定予算では、
「地方自治体への交付金」
「公共事業や防災・国土強靱化の事業」
「医療・福祉などの制度運営」
「教育や科学技術への投資」
といった政策を十分に実施することができません。
とりわけ地方では、年度当初から事業を開始する計画が多く、
予算の遅れは地域経済や雇用にも直接影響します。
仙台市議会では既に新年度予算が可決され執行を待っている状態、
宮城県議会も3月18日に新年度予算が可決される見込みです。
宮城県内のすべての市町村も同様で、
すべて国の予算が3月31日までに可決され、
4月1日から動き出すという前提で、
準備が整えられている状況です。
しかし一部の野党からは「採決を急ぐべきではない」という声もあります。
議論を丁寧にすることは民主主義の基本として大切にしなければなりませんが、
実際の国会の審議時間を数字で見てみると、少し違った姿が見えてきます。
まず、衆議院の予算委員会では、
質疑時間は与野党の協議で配分されており、
近年はおおむね
与党 約2割
野党 約8割
という配分が慣例となっています。
例えば、予算委員会で10時間(600分)の審議が行われる場合、
・与党 約120分
・野党 約480分
という配分になります。
次に、衆議院の議席数を見てみます。
第51回衆議院選挙後の主な議席は次の通りです。
自由民主党 316議席
中道改革連合 49議席
日本維新の会 36議席
国民民主党 28議席
参政党 15議席
チームみらい 11議席
日本共産党 4議席
衆議院の過半数は 233議席 です。
この議席構成を見ると、
自民党だけでも316議席を持ち、与党は議席の多数を占めています。
しかし、質問時間は先ほど述べた通り
与党 約2割
野党 約8割
です。
つまり、
「議席数では多数派の与党が、質問時間ではむしろ少数になっている」
というのが国会の実際の運営です。
さらに、これを議員一人あたりの質問時間で見てみます。
仮に10時間(600分)の審議の場合、
与党(自民党316議席)
→ 約120分 ÷ 316人
→ 1人あたり 約0.4分
一方で、野党側は合計143議席で約480分の質問時間となりますので
野党
→ 480分 ÷ 143人
→ 1人あたり 約3.3分
つまり、
「野党議員の一人あたり質問時間は、与党議員の約8倍」
という計算になります。
これは、野党が政府をチェックする役割を担うという考え方から、
長年の国会慣行として続いているものです。
今回の予算審議でも、この配分は例年とほぼ同様であり、
特別に審議時間が不足している状況ではありません。
数字で見てみると、野党側の一人あたりの質問時間は、
例年とさほど変わらないと言えます。
もちろん、国会での議論は大変重要です。
しかし同時に、国民生活を支える予算を年度内に成立させる責任も国会にはあります。
地方自治体の事業、防災・国土強靱化、医療や福祉など、
国民生活に直結する予算を滞らせないためにも、
責任ある国会運営が必要だと考えています。
そして長年の慣行とはいえ、
私のような与党の一年生議員から見れば、
与党新人議員に、国会での発言権がほとんどないという現状もいかがなものか、
そのように感じざるを得ません。
地方議会ではこのようなルールはおそらくほとんどないので、
新人議員でもここまで発言できないことはないと思います。
民主主義の原則は多数決であり、
その基本は選挙ですから、
実際この一カ月間の国会を振り返ってみると、
野党で選ばれた新人議員ばかりが発言しているのが現状であり、
現在のルールは若干偏りがあるのではないか、
そして選挙で選ばれた与党新人議員も国会での発言の機会を同様に与えるべきではないか。
それこそが民主主義ではないかと思う次第です。
そして、
質問時間を使い切っていない野党議員がいたり、
予算と関係ない質問を予算委員会でずっとしている議員がいることなど、
課題となることはまだまだあるように感じます。
まだまだいろいろ思うところはありますが、大事なことは、
予算は政治的駆け引きの材料ではなく、
国民生活を支える国家運営の基盤であるということです。
与党としては、議論すべき点はしっかり議論しつつ、
国民生活に空白を生じさせないため、
責任を持って年度内成立を実現することが重要です。
引き続き、国民生活を守り、
経済を前に進めるための予算執行に全力で取り組み、
新人議員に与えられた仕事をしっかりとこなしていきたいと思います。
(第5661号 令和8年3月15日(日))