令和8年(2026年)の政治経済見通し

以前からこのメルマガでも指摘していますが、
「未来を予測することは一定程度可能である」
と私は思っています。
たとえば令和8年5月10日に渡辺勝幸は51歳になる!
とか、
令和8年3月11日に東日本大震災から15年を迎える、
ということは、
もう予定として決まっているわけです。
私がむかし永田町で働いていたとき教えられたことは、
政治的作業の一番要の部分は
「日程を作ること」
だということでした。
だれがいつどう動くか?
これを知っていると、その後の動きが解るし、
世の中の制度がどのように変わっていくかも、
未来の日程が解れば推測できるようになります。
永田町に限らず
ビジネスにおいてもそうですね。
したがって、
どんな種類の手帳を使うか、
アナログかデジタルかということも大事かもしれませんが、
「手帳に書いてあることをどう見ていくか」
ということのほうが重要なわけです。
もちろん人の気持ちや、
突発的災害、事故、人の死などで、
情勢が大きく変化することはありますので、
そこもシミュレーションのひとつです。
令和8年は、世界的に、
「依存からの覚醒」
「決断の結果が可視化される年」
になるのではないかと思っています。
世界経済は底堅さを保つ一方で、
地政学リスクと生活コストの上昇が、政治と経済の前提条件となります。
もはや先送りは許されず、
国も地域も、覚悟ある選択を迫られる一年となります。
日本では「金利のある世界」が常態化、
米国ではトランプ政権の打ち出す政策が今年も世界に大きな影響を与えそうです。
日本政治の世界では、
「高市内閣の高い支持率を背景に解散がいつなのか」が課題です。
私自身も今年4月に、自民党宮城県第二選挙区支部長に就任しましたので、
衆議院解散と同時に衆院選の自民党公認候補になる予定です。
私自身の政治家としての大きな節目が今年訪れる可能性があります。
今年の政局の大きな山場は以下の想定がなされます。
一つ目は、3月。
令和8年度予算を衆議院で3月1日前後までに通過させられなければ、
年度内成立ができないということになります。
衆議院で自民党は過半数を持っていませんので、不安定な状況であることはまちがいありません。
過去には竹下内閣が予算を年度内可決できず、
退陣したということがありました。
二つ目は、6月。
通常国会会期末に毎年、内閣不信任案が提出されていましたが、
年中儀礼的なものであったと言えます。
今年は野党が砕けましたが、本気で連携すれば、
内閣不信任案を可決する可能性はありますので、
そうなれば支持率の高い高市内閣は解散となることは十分にありえる選択肢でしょう。
そして最も重要なのは、
「有事」がいつなのかということ。
わが国で衆院選が行われるときには、
一定程度の「政治的空白」が生まれます。
このときを狙って、何かが起きるということも十分に想定されます。
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日本経済は、
外需に不透明感があるなかでも、
「賃上げ」「設備投資」「観光」
を軸に、緩やかな内需主導の回復が見込まれています。
しかし同時に、
「物価高」「金利上昇」「財政制約」
という現実も突きつけられます。
令和8年は、マーケットの顔色も見ながら、
財政運営を進めていく一年になるでしょう。
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世界経済は、不安定さの中でも「底堅さ」は維持するものと考えます。
複数の民間シンクタンクの見通しを総合すると、
2026年の世界経済は、
「地政学リスク」「保護主義」「高金利環境」
といった逆風を抱えながらも、
全体としては3%前後の成長を維持する「底堅い成長」が想定されています。
ただし、その中身は一様ではありません。
成長する国・地域、停滞する国・地域の差は、これまで以上に鮮明になりそうです。
令和8年、2026年を考えるうえで、
最も重要な視点の一つが、
「生活コストの上昇=アフォーダビリティ問題」
です。
賃金は上がっても、食料・エネルギー・住宅費の負担が重く、
「生活が楽になった実感がない」
この感覚が、世界各国で政治不信・ポピュリズムを生んでいると言われています。
これは米国だけの問題ではなく、
日本も例外ではありません。
令和8年の世界は、
「マクロ経済指標」よりも「生活実感」が選挙や政策判断を左右する年になるでしょう。
メディアでは「分断」を否定的に捉える向きもありますが、
トランプ関税に象徴されるように、自由貿易体制はすでに大きく揺らいでいます。
今年を振り返ると、各国は「効率より安全保障」「グローバル最適より自国耐性」を優先し始めました。
その結果、サプライチェーンは短く、太く、地域化していきます。
これは一時的な現象ではなく、新しい常態(ニューノーマル)になっていくでしょうし、
わが国もこれを前提とした政策形成が求められます。
そして米中関係は、対立は続くが「管理された緊張」の一年になりそうです。
2026年の米中関係は、
「技術」「資源」「安全保障」での競争が続く一方、
全面衝突は回避される「管理された対立」が基本シナリオです。
特に、レアアースや重要鉱物、半導体分野での依存関係は、簡単には断ち切れず、
ここが現在でも大きな課題となっています。
この「競争と依存の同時進行」こそが2026年の国際政治の本質となりそうです。
わが国においても引き続き、
「経済安全保障の強靭化」
「食料安全保障の強靭化」
「エネルギー安全保障の強靭化」
というテーマを最重点に進めていかなければなりません。
さらに、「AI経済」についても、
政治経済の主軸として見ていく時代に入りました。
期待とリスクが同時に拡大していますが、2026年は、
AIが「将来の技術」ではなく「現在の経済ドライバー」になる年となりそうです。
データセンター投資、電力需要、労働市場への影響など、
AIはすでに実体経済を動かしていますが、一方で、
「過剰投資」「株式市場の過熱」「エネルギー制約」
といったリスクも指摘されています。
こうした世界情勢、わが国の情勢の中で、
今後、地方の役割はますます重くなっていきます。
防災・減災、
医療・介護、
食料・エネルギー、
人材定着と産業育成、
などなど、「地政学リスク時代の基礎体力」を地方がつけていかなければなりません。
特に私たちの宮城県、仙台市では、
東日本大震災の経験を踏まえた危機管理の知見を全国に、全世界に発信できる立場にあります。
最近では台湾の教育関係者が、震災からの復興を学びに、
子供たちの修学旅行として選びたいという話も聞いています。
大転換期の世界において我が国がどう進むべきか、
宮城県の進むべき方向はどうあるべきか、
年末年始、考えてみたいと思います。
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【令和8年(2026年)の予定】
1月
電気・ガス料金の補助再開(3月使用分まで)
1月1日
「八十二銀行」と「長野銀行」が合併し「八十二長野銀行」が発足
1月20日
トランプ米大統領就任から1年
1月下旬
通常国会召集(150日間が原則)→ 令和8年度政府予算案、重要法案審議が本格化
2月
2月6~22日 冬季オリンピック(イタリア)
2月14~22日 中国春節
2月中旬~下旬
衆議院予算委員会集中審議 → 内閣支持率・政局の最初の山場
3月
3月1日前後(重要)
令和8年度予算案の衆議院通過の実務的デッドライン
3月5開幕~17日決勝
WORLD BASEBALL CLASSIC 2026(5~17日)
3月11日
東日本大震災から15年 → 防災・復興政策が改めて政治テーマ化
3月15日
自民党大会
3月31日
令和8年度政府予算の年度内成立期限
3月月内
中国 第14期全国人民代表大会
4月
防衛増税3税のうち、法人税、たばこ税の引き上げ開始
5月
パウエルFRB議長任期満了
6月
6月11日~7月19日
FIFAワールドカップ(北米三か国)
6月中旬
通常国会会期末 → 内閣不信任決議案提出の可能性 → 政局リスクが最大化
骨太の方針(経済財政運営と改革の基本方針2026)閣議決定 → 税制改正・社会保障改革の方向性が明確に
G7首脳会議(フランス・エビアンサミット)
→ ウクライナ・中国・中東情勢、経済安全保障
9月
11年ぶりのシルバーウイーク(5連休)
10月
10月21日 高市内閣発足から1年
10月26日 衆議院議員任期満了まで2年
11月
11月3日 米国中間選挙
G20首脳会議(アメリカ・マイアミ)
アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議(中国・深セン)
※開催国・開催地は今後確定
2027年春 統一地方選
2027年秋 高市早苗自民党総裁任期満了
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令和8年は、参議院選挙のない年です。
このため、政権にとっては本来、
腰を据えて政策を実行できる一年となります。
逆に言うと、衆議院解散し、勝利となれば、
令和10年の参院選まで高市長期政権として、
大きな政策を進めることができるともいえますね。
来年はウマ年。
私、渡辺勝幸は51歳となります!
午年の相場格言は「午尻下がり」で、
「午年は年の後半、特に年末にかけて相場が下落しやすい」と解釈されていますので、
注意が必要ですね。
令和8年の干支は「丙午(ひのえうま)」。
十干が「丙(ひのえ)」で、十二支が「午」。
「丙(火)」と「午(火)」が重なるため火の気が強く、
「丙午の女性は気性が荒く夫を剋す」という迷信が江戸時代からの言い伝えとしてあり、
1966年(昭和41年)の丙午年には出生率が低下するほど影響があったとのことです。
エネルギーが表に出て、
物事の是非がはっきりする年だと言われます。
覚悟をもって選択する者と、流される者の差が、はっきりと表れる一年とも言われます。
世界は、
「元には戻らない」局面に入りました。
だからこそ、現実から目を背けず、地域の足元を固めながら、
次の時代をつくる。
そのための決断をしていく一年としたいと思います。
干支十干を見るまでもなく、
大きな転換点に私たちはいま立っています。
世界の大転換期にあって、
諸外国との平和を維持しながらも、
わが国の原点に立ち返り、
日本のあるべき姿をもう一度考えていかなければなりません。
日本が果たすべき役割を考えながら、
地元の仙台市と宮城県の発展を推進するため、
「大きな変化を乗り越え、新たな時代をつくる」一年としたいと思います。
(第5586号 令和7年12月30日(火))