宮城県議会自民会派で県外調査─北海道議会

私が所属している宮城県議会の会派、
自由民主党・県民会議で、4月10日、11日と、
北海道の先進事例等調査視察に行ってまいりました。
他都道府県の先進事例は政策形成やビジネスのヒントにもなりますので、
皆さんにシェアしていきたいと思います。
●「農作物野生鳥獣被害対策」「熊対策強化の取組み」について
今回は、北海道議会で二日間に渡り、
たいへん参考になる政策について御説明をいただきました。
まず「農作物野生鳥獣被害対策」については北海道環境生活部自然環境局野生動物対策課の方から、
ご説明をいただきました。
野生動物対策課には、野生鳥獣係、
そしてエゾシカ担当課長、エゾシカ対策係があり、
さらにはヒグマ対策室もあるとのことで、
全道としての大きな課題であることを感じました。
また、北海道の野生鳥獣による農林水産業被害は、
令和5年度は約64億となっており、
甚大な被害となっています。
令和7年度の北海道エゾシカ対策予算は、
約5億3300万円、前年度より増加しているとのこと。
農林業被害だけではなく、
交通事故、列車支障も増加しており、
北海道エゾシカ対策推進条例に基づき、基本計画を策定し、
多岐に渡る施策を打ち出しています。
続いて、ヒグマ対策室の方からもご説明をいただき、
令和7年度のヒグマ対策予算などのご説明をいただきました。
ヒグマ対策も同様に、あつれきの低減、地域対応力の強化、
情報発信・普及啓発、適正な管理の推進など、
こちらも多岐に渡る施策を予算化していました。
近年は宮城県内でも、そして仙台市でも、
熊が出没して大きな課題となっていますが、
北海道の被害は大きいものがあり、
それに伴って対応策も種々打ち出されているようです。
生息調査として、AIやICTを活用した実証試験等も行われており、
その効果が期待されるところです。
●「半導体産業進出に係る産業連携」について
宮城県においても、半導体産業の誘致活動を積極的に行っていますが、
北海道では、国策としてのラピダス社を誘致し、
令和4年に千歳市が製造拠点として選定され、
この4月からはついに、パイロットラインの立ち上げ、稼働することとなりました。
令和9年度には量産製造も開始されるとのことで、
国の支援は総額1兆7225億円、国を挙げてラピダス社を支援する体制が整ってきています。
北海道としても、北海道半導体・デジタル関連産業振興ビジョンを策定、
半導体エコシステムを構築しながら、全道への効果の波及を図っています。
宮城県としては、PSMCの撤退により、
ゼロからのスタートとなってしまいましたが、
北海道や熊本県などの半導体産業への積極的な取組を参考にしながら、
半導体産業の誘致等も含め、新たな取組を考えていきたいものです。
●「政務活動費の運用」について
北海道議会における政務活動費の運用について、
道議会事務局からご説明をいただきました。
北海道議会では、政務活動費を会派と議員にそれぞれ分けて交付しているとのこと。
また、各会派と議員に振込、
残余を返還する制度となっているのだそうです。
宮城県議会とは制度がちがう面が多くあり、
細かくご説明をいただきましたが、
政務活動を補助しながら、収支報告書等の作成も含め人件費がかかるのは共通で、
恐らく他県もそうなのだろうと思いますが、
きめ細かくチェックをするためには、
結局人件費を増やし、事務負担が増加していくというのは、
県予算でも同じ課題があるなと感じます。
1円単位で厳しいチェックをするためには、
数千万円の人件費がかかるという二律背反的な面があり、
このバランスをどうとっていくのかは今後、大きな課題であろうと思います。
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今回は、二日間に渡り北海道議会・北海道庁における取組を詳細に伺うことで、
今後の県政に生かせる情報、お話をたくさんいただきました。
自由民主党・県民会議所属議員は33人のため、
今回は3班体制で、それぞれの調査をしましたが、
今回ご教示いただいた課題について、
今後の県政活動に生かしていきたいと思います。
ありがとうございました。