中国の古典『貞観政要』、「三鏡の教え」
中国の古典『貞観政要』のなかに、
「三鏡の教え」があります。
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『太宗、嘗て侍臣に謂ひて曰く、
夫れ銅を以て鏡と為せば、以て衣冠を正す可し。
古を以て鏡と為せば、以て興替を知る可し。
人を以て鏡と為せば、以て得失を明かにす可し。
朕常に此の三鏡を保ち、以て己が過を防ぐ』
(『貞観政要』巻第二 仁賢第三 第三章「三鏡」)
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第一に、
鏡に自分を映し、
元気で明るく楽しい顔をしているかチェックする(銅の鏡)。
第二に、
過去の出来事しか将来を予想する教材がないので、歴史を学ぶ(歴史の鏡)。
第三に、
部下の厳しい直言や諫言を受け入れる(人の鏡)。
これら三つの鏡がリーダーには必要だということです。
上司が暗い顔をしていたら、職場の空気が淀み、
部下が伸び伸びと働くことができなくなってしまう。
将来を予測する教材は過去の出来事しかないので、歴史を学ぶ。
歴史を学んでいなければ、何か起こった時に慌てふためいてしまう。
自分の周囲に直言をする人を配置しないと、
裸の王様になってしまう。
この三鏡の教えはシンプルかつ永遠の真理ということで、
日本の歴史上の人物も学んできたことであるとのことです。
この三つとも非常に重要だということを、
最近とみに感じます。
「政要」とは「政治の要諦」、
肝心かなめのことであります。
結局、政治を動かすのは人であるので、
人間関係、そしてこうした不変の真理を学んで
実践できるかというところにあるのだと感じます。
しかし、わかっていてもなかなかできないのが、人間ですね。
修業の日々です。