【渡辺勝幸一般質問】答弁要旨【大綱5】医療、福祉、少子化対策について【第396回宮城県議会】

 

6月19日、
第396回宮城県議会(令和7年6月定例会)において、
渡辺勝幸は一般質問に立ちましたので、

このメルマガで数回に渡って、
質問の内容等についてお伝えしました。

今回は、

大綱5 医療、福祉、少子化対策について

その答弁内容をお伝えしたいと思います。

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【大綱5】医療、福祉、少子化対策について

(1)東北労災病院の現地存続が経営悪化とすれば、今後の医療機能低下が懸念されるが、県の対応も含め見解はどうか。また、富谷市の総合病院公募に対する現状認識と支援策はどうか。

知事の答弁:
 東北労災病院については、今年5月9日に実施した独立行政法人労働者健康安全機構との協議において、現地での存続に当たり、県の政策医療に引き続き貢献いただけるとの御意向を確認したところ。

 同病院に対しては、現在、既存の国の補助制度を活用した財政支援を行っており、県としては、引き続き、現行制度に基づき、必要な支援を行っていく。

 また、富谷市の公募による病院誘致については、募集要項において、救急医療や災害医療への対応が必須とされており、望ましい機能として精神科外来の設置が挙げられているほか、4市町村、公立黒川病院及び黒川医師会による医療連携プラットフォームの構築に関する取組も始まっており、富谷・黒川地域の医療提供体制の向上が期待される内容であるものと認識している。

 県としては、公募の状況を注視し、今回の病院誘致が県の政策医療の課題解決につながるか見極めた上で、過去の支援事例等も参考にしながら、必要な支援について検討していく。

(2)4病院再編により搬送時間を短縮するのではなく、医療機関の負担に見合わないとの声がある救急搬送の診療報酬を段階的に加算する制度も一考の余地があると思うがどうか。

保健福祉部長の答弁:
 我が県は、消防本部から医療機関への受入照会件数が4回以上となるケースが全国平均より多く、特に仙台医療圏でその傾向が強くなっている。このことは救急搬送の長時間化につながっていることから、応需率の向上は、改善に取り組むべき重要な課題であると認識している。 

 県では、休日・夜間の受入等に関する診療報酬加算がなされていること等を踏まえ、救急医療協議会での協議を経て、応需率の向上に取り組んでいる。

 具体的には、仙台医療圏における救急搬送情報共有システムの運用や、医療機関における救急患者への対応に必要な実技研修の実施、救急病床確保のための退院コーディネーターへの支援等により、救急搬送の効率化・円滑化や診療の対応力向上を通じた、救急搬送時間の短縮に取り組んでいる。

 県としては、今後更なる増加が懸念される高齢者救急への対応も含め、引き続き、医療機関や消防機関等と連携を図りながら、安全かつ安心して利用できる救急医療体制の確保に向けた取組を進めていく。

(3)医療型短期入所事業所の地域偏在格差が解消されつつある一方で、障害福祉の医療的ケア中核拠点に偏りがあると思うが、現状の重症心身障害児者の課題について見解はどうか。

保健福祉部長の答弁:
 県内で主に重症心身障害児者を受け入れている医療型障害児入所施設は、4施設全てが仙台圏域にあり、その合計定員は561人、今年4月1日現在の待機者数は82人となっており、依然として長期入所病床が不足していると認識している。

 また、御家族のレスパイトを確保するための医療型短期入所事業所は12事業所まで増えたところだが、未設置の圏域もあるため、今年度から新たに「医療型短期入所事業所開設促進事業」を開始し、新規開設を促進することとしている。

 昨年度に県で行った実態等調査では、「重症心身障害児者を受け入れる施設が少なく、家族の負担が大きい」、「親の高齢化により将来の介護が不安」、「親亡き後の支援が必要」などの課題が見えてきた。

 県としては、重症心身障害児者及び御家族への支援については、長期及び短期の入所支援に加え、通所支援や訪問支援を含めた総合的な支援体制整備が必要と考えており、今後の支援の在り方について、関係機関や施設、仙台市等と協議し、必要な支援を行っていく。

(4)富谷市と県障害者スポーツ協会との連携協定締結以降、富谷市を拠点にパラスポーツ振興の取組が具体的に進んでおり、県として更なる障害者スポーツ支援を進めるべきと思うがどうか。

知事の答弁:
 障害者スポーツは、障害のある方の自己実現や社会参加を促進するとともに、障害に対する理解を深め、障害のある方もない方も相互に人格と個性を尊重し合う共生社会の実現に向けた、非常に重要な活動だと認識をしている。

 県ではこれまで、各種競技の県大会開催と全国大会への選手団派遣、指導員やボランティアの養成などを行い、障害のある方がスポーツに参加する機会の充実と障害者スポーツ人口の拡大に取り組んできたほか、パラアスリートとの交流会やボッチャ体験会などの開催を通して、障害のある方とない方の交流機会を創出してきた。

 今年度は、これまでの取組に加えて、「東京2025デフリンピック」のPRイベントを開催するほか、県障害者スポーツ協会が11月に富谷市で開催する「みやぎ小学生ボッチャクラシック2025」に協力することとしている。

 県としては、今後も、関係団体等と連携し、様々な取組を通じて障害者スポーツに対する支援を進めていく。

(5)出生数を減らさないため、他県や海外の成功事例を全て実施するという気概を持って少子化対策に取り組むべきと考えるが、現在どのような少子化対策を考えているのか。

知事の答弁:
 県では、「新・宮城の将来ビジョン」に基づき「社会全体で支える宮城の子ども・子育て」を政策推進の柱とし、総合的な少子化対策に重点的に取り組んでいるところ。

 具体的には、結婚支援として、AIマッチングシステム「みやマリ!」の運営などを行うほか、妊娠・出産への支援では、不妊検査費用助成の拡充や、産後ケアサービスの受け皿確保に向けた助成メニュー拡充を図っております。

 また、子育て支援では、男性従業員の育児休業取得を推進する中小企業への奨励金の新設や、「結婚応援パスポート」と「子育て支援パスポート」のアプリ化、子供が生まれた世帯への「パパママ応援ポイント」付与により経済的支援を図るなどの対策を実施しているところ。

 我が県の昨年の出生数は減少しているが、一方で出生数に関わりの深い婚姻数は増加するなど、これらの取組による明るい兆しも見えている。

 県としては、今後もライフステージに応じた切れ目のない支援を充実・強化しながら総合的に推進するとともに、他県や海外の先進的な取組を研究し、我が県の実情に応じた少子化対策の更なる強化に取り組んでいきたい。

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【渡辺勝幸一般質問要旨】

【大綱1】宮城県と仙台市の連携について

(1)防災庁の設置について、東日本大震災の経験や東京からのアクセスの点から有力な候補地である仙台市と連携して要望すべきと考えるがどうか。

(2)クルーズ船の寄港が少ない仙台塩釜港仙台港区におけるポートセールスについて、仙台市と連携して取り組むべきと考えるがどうか。

(3)民間資本の投資促進による税収増や、インバウンドによる経済活性化が期待される高級ホテルの誘致について、仙台市と連携して取り組むべきと考えるがどうか。

【大綱2】富県宮城の推進とその課題について

(1)世界各国が巨額の予算を投下し、全国の自治体が積極的に誘致活動を進めている半導体産業について、現時点での工場誘致の進捗状況はどうか。

(2)半導体人材は不足しており、工場誘致の実現を見据え、いまから人材育成について積極的に取り組むべきと考えるがどうか。

(3)外国人材の受入れには、日本語だけでなく、伝統や文化、生活ルールの理解が重要であると考えるが、現状認識と見解はどうか。

(4)スタートアップ支援策の現状と課題はどうか。また、起業家の成長意欲と連動するよう、成果報酬型の支援制度を設計すべきと考えるがどうか。

【大綱3】子供たちの国語教育とスポーツについて

(1)母語である日本語の読み書きは学習の基礎中の基礎であり、学校図書館や電子図書館の活用を含め、国語教育の充実強化を図るべきと考えるがどうか。

(2)子供たちが希望する部活動に参加できるよう、機会創出や移動負担軽減などの支援が重要であると考えるがどうか。

(3)幼児教育の質の確保には、エビデンスに基づく政策判断が重要だと考えるが、今後の取組の方向性はどうか。

【大綱4】安全、安心な日本、宮城県について

(1)自転車利用者におけるヘルメット着用の努力義務化から2年以上が経過し着用率の低下を感じており、事前の広報啓発活動や交通安全教育が重要と考えるがどうか。

(2)全国的に自転車ヘルメット着用への支援の動きが見られており、我が県でも県立高校でモデル事業を実施し、自転車ヘルメットの購入支援を進めるべきと考えるがどうか。

(3)予算の充実だけでなく、「ヒートマップ」をもとに事故多発箇所や高齢者・自転車事故が多いエリアへの優先的な交通安全施設整備が必要と考えるがどうか。

(4)今後の米対策には長期的な農業の持続可能性、食料安全保障とのバランス、県産米のブランド価値の維持や生産者の意欲促進が重要だが、全国トップクラスの生産量を誇る我が県として、政府の備蓄米対応及び生産者の視点も含めた見解はどうか。

【大綱5】医療、福祉、少子化対策について

(1)東北労災病院の現地存続が経営悪化とすれば、今後の医療機能低下が懸念されるが、県の対応も含め見解はどうか。また、富谷市の総合病院公募に対する現状認識と支援策はどうか。

(2)4病院再編により搬送時間を短縮するのではなく、医療機関の負担に見合わないとの声がある救急搬送の診療報酬を段階的に加算する制度も一考の余地があると思うがどうか。

(3)医療型短期入所事業所の地域偏在格差が解消されつつある一方で、障害福祉の医療的ケア中核拠点に偏りがあると思うが、現状の重症心身障害児者の課題について見解はどうか。

(4)富谷市と県障害者スポーツ協会との連携協定締結以降、富谷市を拠点にパラスポーツ振興の取組が具体的に進んでおり、県として更なる障害者スポーツ支援を進めるべきと思うがどうか。

(5)出生数を減らさないため、他県や海外の成功事例を全て実施するという気概を持って少子化対策に取り組むべきと考えるが、現在どのような少子化対策を考えているのか。

【一般質問要旨ここまで】
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「渡辺勝幸公式ウェブサイト活動報告」
⇒ https://katsuyuki.jp/category/report/

 

 

(第5402号 令和7年6月29日(日))