私が小学生のころに失くしたそろばんの話

 

今年は日本海側を中心に大雪となっており、
青森県の酸ヶ湯では、今日現在490センチを超えているとのことで、

大変な状況になっているところが多く、
災害対応となっている地域においては、心よりお見舞い申し上げます。

私は小学生のとき、
父の仕事の関係で家族で青森に住んだことがあり、
冬の大雪がすごかったことを思い出します。

当時は青森市でも2メートルを超え、
大人は大変なことだったと思いますが、

ちいさな私は、大雪にいつもワクワクして遊びまわっていたことを覚えています。

2メートルの積雪を除雪車が道路のわきに除けると、
歩道には雪の大きな壁が出来上がります。

昔から私は挑戦的な思想を持っていましたので、
登校時や下校時は、わざわざその雪の大きな壁の上を、

雪山を登る登山家の気持ちで、
上り下りしながら、そして途中で友達と楽しく遊びながら、
学校を行き帰りしていました。

あるとき、小学校で算数の時間に「そろばん」が始まり、
新しく大きなそろばんを学校で購入しました。

私はそろばんをランドセルに入れて、
その日もワクワクしながら、

雪の大きな壁を上り下りしながら、
そして友達と雪合戦をしながら、
雪原を駆けずり回り、大の字で倒れたりしながら元気に帰宅しました。

ところが、家に帰ってみると、
学校で手に入れたばかりのそろばんがありません。

ランドセルを何度も探しましたが、
そろばんがありません。

母は烈火のごとく怒り、
驚きながらも不思議に思ったカツユキ少年は、
大雪の降る中、もう一度学校への道を戻りましたが、

どこを見てもそろばんはありませんでした。

その後数日にわたり、通学路を念入りに探しましたが、
新たに積もった雪にそろばんはどこかへ消えていってしまったのでした。

青森の雪解けはゴールデンウィークのころでしたので、
4月から5月にかけても念入りに探しましたが、
私の新しいそろばんは、どこか遠くへ行ってしまったようです。

いったい、僕のそろばんはどこへ行ってしまったのか?

大雪の大きな壁を見ると、
ふと、人生で一度しか目にしなかった、
あの新しく大きなそろばんを思い出します。。。



(第5271号 令和7年2月18日(火))

※この画像は、メルマガの内容をもとに生成AIで作成しました。