渡辺勝幸予算特別委員会質疑の内容についてその4-令和6年11月定例会予算特別委員会総括質疑(令和6年12月10日)【4 園芸農業原油価格高騰対策費、5 土地改良区原油価格高騰対策費、6 防災重点ため池緊急対策費】
12月10日、
宮城県議会予算特別委員会において、
渡辺勝幸は総括質疑(60分)に立ちましたので、
その質問内容等についてお伝えしたいと思います。
本日は、
4 園芸農業原油価格高騰対策費について
5 土地改良区原油価格高騰対策費について
6 防災重点ため池緊急対策費について
お伝えします。
予算特別委員会総括質疑への登壇は、
令和3年2月定例会以来でおよそ4年ぶりでした。
今回は大型経済対策の補正予算ということで、
内々に決まってから二日で原稿を仕上げるという、
こちらもハードなスケジュールでしたが、
何とか無事終えることができました。
フル動画はこちらをご覧ください。
【渡辺勝幸議会質問19】令和6年11月宮城県議会定例会 12月10日 予算特別委員会総括質疑(自由民主党・県民会議)
⇒ https://youtu.be/PqWKGILjOXk?si=1r3mSbMHO7KsXaFx
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【4 園芸農業原油価格高騰対策費について】
(1)事業概要についてどうか。
次に、園芸農業原油価格高騰対策費についてお伺いいたします。
宮城県が目指しております園芸産出額倍増という目標を実現するためには、物価高騰により経営が厳しくなっている園芸農家への支援は非常に重要であると考えます。
本事業の概要についてお伺いをいたします。
橋本農政部長:
県では園芸産出額倍増に向けて取り組んでまいりましたが、昨今の物価高騰の影響で園芸農家の経営が厳しくなっていることから、本事業により、光熱費や出荷用資材費の掛かり増し経費を支援しようとするものであります。
光熱費については、昨年度に引き続き、園芸生産で使用する電気料金と園芸施設の加温等に供する燃油購入費の高騰分を支援することとしております。
また、今回新たに出荷用資材費に対して支援を行う園芸作物流通経費緊急支援費を追加しており、出荷に使用する段ボールや包装フィルムなどの出荷用資材費高騰分を支援対象に加えようとするものでございます。
これらの対策は、いずれも今年度と令和三年度の差額分の一部を補助することとしております。
(2)園芸作物流通経費緊急支援費の出荷資材購入費の補助対象経費は、今年度と令和3年度との差額とのことだが、令和4年度以降に就農した場合はどうなるのか。
渡辺委員:
今御説明頂きました園芸作物流通経費緊急支援費ですが、この補助対象経費につきまして、出荷資材購入費につきましては、令和六年度と令和三年度の差額とのことでございましたが、令和四年度以降に就農された場合はどのような扱いになるのでしょうかお伺いします。
橋本農政部長:
園芸作物流通経費緊急支援費では、農林水産省が公表している今年度と令和三年度の農業物価指数から算定した上昇率と、農家ごとの今年度の出荷用資材購入実績額を用いて支援することとしております。
御質問のありました令和四年度以降に就農し、令和三年度に出荷用資材の購入実績がない園芸農家についても、今年度の購入実績があれば、本事業で支援を行うこととしております。
(3)我が県の園芸産出額倍増という目標に向け、省エネでコスト削減が可能となる農業用ヒートポンプ導入への支援が必要と思うがどうか。
渡辺委員:
ありがとうございました。
今年度購入実績があればということでございます。
昨日、自民党・県民会議農業議連と認定農業者の意見交換会がございまして、自民党・県民会議からたくさんの方が参加をされましたがそのときにですね認定農業者の方から、資材購入の物価高騰対策が今年はないので、去年はあったけど、今年はないので、自分で出してやってしまったという話がありました。
やっぱり細かく、どの政策でどの補助か支援かということは、一つとして、やはり今回、先ほど冒頭に申し上げたように、物価高騰対策自体が、政府で打ち出されていないので、もうないものと思って我慢して、もう高い資材購入していろいろ工面されてるっていう方が結構いらっしゃるんだなと。
もちろん今日の補正の話はしましたけれども、補正があるということも御存じない園芸農業経営者の方もいらっしゃいますので、やはり、やるんであれば速やかにやっていかなければいけないなということを感じたところでございます。
我が県の園芸産出額倍増という目標に向けてはですね、物価高騰を乗り越えたその先まで見据えて、更なる政策支援が必要であるというふうに感じております。
今回、県内の若手の園芸農家の方から現状についてのお話を伺ったんですが、昨年に比べて経費はほぼ全て二割は値上がりしていると。
全てを転嫁するわけにはいかないので、今年は一五%程度価格を上げるという話を頂きました。
また、イチゴの園芸農家の方の話ですが、近年夏の高温が激しいということで、夏の高温対策もしなければいけないんですが、今年は更に高湿度、湿度が高かったので苗の糸状菌系の病気が増えて、定植苗が不足しているということから、今年は全国的にイチゴの出荷量は少ないんではないかというお話がありました。
今後は宮城県でも、農業用ヒートポンプの導入を本格化させないと、いよいよ厳しくなってきているというお話でございました。
香川県では農業ヒートポンプの支援があるというお話をちょっと伺いましたけれども、今回予算化していただいた電気料金、重油等燃料の購入費用の支援は、それぞれ、それはそれで重要であるというふうに思いますけれども、こうした御指摘踏まえると、省エネでコスト削減を可能とする農業用ヒートポンプそのものの導入に対する支援を進め、生産性や収量を上げて、
中長期的に見て、物価高騰対策をハード面で支えていくということが、園芸産出額倍増を目指す我が県にとっては、必要な施策ではないかと思いますが、育苗だけでもやっぱりしっかりとこうした施策をやっていただかないと、なかなかイチゴは厳しいという話でございましたが、県としての見解をお伺いいたします。
橋本農政部長:
委員御指摘のとおり、ヒートポンプなどの省エネルギー化の取組ですけれどもこれは燃料高騰対策としてだけでなく、温室効果ガス削減のためにも今後ますます重要になってくるものと認識しております。
一方で現在、県内のほとんどの施設園芸農家では、A重油等の燃料を使用して加温をしておりまして、農業用ヒートポンプの導入率は一%程度にとどまっておりまして、先進的な一部の園芸農家での利用にとどまっております。
このため、県としましては、今回の物価高騰対策とあわせて、国や県の補助事業を有効に活用し、園芸施設の省エネルギー化につながる機器整備を進めていくことで、園芸農家の経営安定に努めてまいります。
渡辺委員:
ありがとうございました。ぜひですね、園芸産出額倍増という目標のためにですね、様々な支援を進めていただきたいというように思います。
【5 土地改良区原油価格高騰対策費について】
(1)事業概要についてどうか。
次に、土地改良区原油価格高騰対策費についてお伺いいたします。
先月、水土里ネット議員懇話会として、県内土地改良区の理事長さんと自民党・県民会議、意見交換をする機会がございました。
土地改良区による農業の基盤整備事業は、私たちが毎日おいしい御飯を食べるための縁の下の力持ちのような存在でありますし、都市部に住む住民にとっても、市街地の水害リスクを低減する効果もある重要な事業でございます。
しかしながら、お話を伺っていてですね、土地改良区の課題は年々難しくなっているなということを感じます。その大きな課題の一つは財政問題でございまして、賦課金だけではその運営が難しくなってきている中で、それでも賦課金の値上げをしなきゃいけない、せざるを得ない。
また、電気料金の物価高騰が土地改良区の経営自体に更なる打撃を与えている状況となっております。土地改良区の原油価格高騰対策費についてその事業概要をお伺いいたします。
橋本農政部長:
土地改良区ですけれども揚排水機場など多くの農業水利施設を管理しておりまして、農業生産のみならず、市街地の洪水防止などの多面的機能の発揮にも寄与しておりますけれども、昨今の電気料金の高騰により、経営運営に深刻な影響を受けております。
また土地改良区の構成員であります農業者においても、農業生産資材の価格高騰が続く中、更に電気料金等の高騰分が土地改良区の賦課金へ転嫁されることが懸念されるため、安心して農業に取り組めるよう支援が求められております。
このため、本事業では、土地改良区が管理します揚排水機場などの高騰する電気料金、及び燃料費について、今年度と令和三年度の差額に対して二分の一以内で補助しようとするものであります。
(2)農業農村整備事業における建設資材高騰について、見解はどうか。
渡辺委員:
ありがとうございます。
一方で、やはり建設資材の高騰、この問題も大きな課題であるというふうになっております。
宮城県の農村振興課の調査によりますと、令和三年一月から令和六年一月にかけての価格変動を見ると、塩ビ管の価格は五一%上昇、鋼材価格は六九%上昇、燃料の価格は二九%上昇。
大変厳しく、建設資材価格指数を見ますと、平成二十七年の平均を百とすると、令和六年三月の調査で百五十・三と、この一〇年で五割増しの状況になっているということでございます。
やはり農業農村整備事業におきましてはこの建設資材の価格が大きな課題になっていると思いますので、この建設資材の高騰につきまして県としての見解をお伺いいたします。
橋本農政部長:
建設資材価格の推移を見ますと、東日本大震災からの復旧復興事業が最盛期を迎える平成二十五年頃から徐々に上がり始めておりまして、現在では国際情勢、それから急激な円安の進行によって、原油や鉄鋼石など主要な原料価格が高騰し、その影響から建設資材価格も広範囲かつ大幅に上昇しているものと認識しております。
県では、公共事業の実施に当たっては、毎月の資材価格調査を踏まえた事業費の積算を行っているほか、積算時と契約時の単価に差が生じた場合は、契約変更を行うこととしております。
更に、契約後に賃金や物価の急激な変動が発生した場合には、インフレスライドを適用し、契約変更ができることになっております。
一方で、農業農村整備事業は農家負担を伴いますので、事業費を可能な限り抑えるという取組も求められていると認識しております。
新技術などの工法検討やコスト縮減を意識した計画的な整備に努めることで、土地改良区や農業者をしっかりと支援してまいります。
渡辺委員:
ありがとうございます。
やはりこの農業農村整備事業はですね、食料安全保障の要でもございますので、力強い支援をぜひお願いをしたいと思います。
土曜日、十一月三十日のですね、日本農業新聞、これを見てちょっと私も驚いたんですけども、財務省の財政制度等審議会、財政審ってありますが、財務省の諮問機関の審議会ですが、ここで、過度な自給率重視は不適当だと。
輸入活用もすべきだというような、財政制度等審議会の建議が出されたっていうことですね、かなり驚いたんですけれども、やはり食料安全保障は国でも法律で農業基本法を改正してですね、もう基本にしていくと、法律で決めているにもかかわらず
この財務省の財政制度審議会では、過度な自給率重視は不適当で、食料自給率よりも輸入を活用すべきだという意見だったということなんですが、これやはり、東北地方の政治家として、やはり宮城県議会議員として、非常に違和感のある記事だったなと。
これも日本農業新聞に出ていたというのもおもしろいんですけれども、非常にそういう意見が出てきてるんだなと。
全く違和感があるなと思うんですけれども、やはり繰り返しになりますけども、農業農村整備事業というのは食料安全保障の要中の要でございますので、ぜひともですね知事にも力強い支援をお願いしたいと思いまして、その次の話にまいります。
【6 防災重点ため池緊急対策費について】
(1)事業概要についてどうか。
防災重点ため池緊急対策費、関連しまして、農業農村整備事業と関連しますが、この事業は、早急に整備を要する防災重点農業用ため池等に関する整備や調査を目的とするものと伺っておりますが、この事業概要についてお聞かせください。
橋本農政部長:
国では決壊を想定した場合の浸水区域に家屋や公共施設が含まれ、被害を与えるおそれがあるため池を防災重点農業用ため池とし、防災工事を優先的に行うこととしており、我が県は五百二十七か所を指定しております。
本事業では、万が一ため池が決壊した際に、避難行動に役立てるためのハザードマップの作成や、ため池の劣化状況評価及び地震豪雨耐性評価などの調査を実施し、これらの結果を踏まえ、対策が必要となったため池に防災工事を行うものでございます。
今回の補正予算では、十五か所でため池の調査を行うほか、これまでの調査の結果緊急度の高い仙台市の愛子ため池など七か所で堤体改修や工事用道路の整備を行う予定としております
(2)仙台市愛子地区のため池が決壊した場合には甚大な被害が想定されるが、今回の事業内容と今後のスケジュールはどうか。
渡辺委員:
ありがとうございます。
万が一ということでございましてハザードマップや評価等、非常に重要な事業であると思いますがこの十五か所と今お話ございましたけれども、この本事業のため池整備地区に仙台市の愛子地区が指定されているということでございます。
この愛子ため池が万が一決壊した場合のハザードマップ、これが仙台市によって作成されておりまして、拝見しましたけれども、その被害は甚大なものになると想定されております。
今回の補正予算についてこの仙台市の愛子ため池、どのような事業内容となるのか、今後のスケジュールについてお伺いいたします。
橋本農政部長:
今回整備を予定しております仙台市の愛子地区には愛子ため池と斉勝沼ため池の二つのため池があります。
この二つのため池については、平成三十年度から本事業を活用して調査事業を行ってきておりまして、ハザードマップの作成や地震豪雨耐性評価などを実施いたしました。
その結果、二つのため池の整備の優先度が高いと判断され、昨年度から防災工事に着手しており、今後、ため池の堤体盛土取水施設及び洪水吐の改修などの整備を行う予定であります。
今回の補正予算では、令和八年度から着手をしているため池本体工事に先行して道路の拡幅工事を行うもので、関係機関と連携しながら計画的に事業が推進されるよう取り組んでまいります。
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【令和6年11月定例県議会 予算特別委員会 渡辺勝幸委員質疑要旨】
1 令和6年度12月補正予算編成の考え方について
(1)予算編成の考え方についてどうか。
(2)予算総額のうち、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金等の国からの財政支援はいくらか。
(3)物価上昇にあっては、機動的な財政出動が重要であり、県民生活は直接的に厳しい打撃を受けているという強い認識を持つ必要があると思うが、国の経済対策への所感はどうか。
(4)個別施策の検討時から、機動的な財政出動に留意しなければ、生活者や経営者の視点から乖離してしまうと思うが、県政運営におけるインフレ時代の予算措置についてどうか。
(5)103万円の壁の議論に当たっては、できる限り手取りを増やすことの実現と、減収となる財源をどうするかを議論しなければならないと思うが、見解はどうか。
2 私立学校原油価格高騰対策費について
(1)事業概要についてどうか。
(2)昨年の定例会において、施設の基本額に人数に応じた配分といった提案に対し、検討する旨の答弁があったが、どのような検討を行ったのか。また、例年通りとなったのは何故か。
3 社会福祉施設等物価高騰対策費について
(1)老人福祉施設等原油価格・物価高騰対策費の概要についてどうか。
(2)物価高騰で厳しい状況にあるという悲痛な声もあり、医療機関同様、価格転嫁が難しい社会福祉施設には、更に継続的な支援が必要と考えるがどうか。
4 園芸農業原油価格高騰対策費について
(1)事業概要についてどうか。
(2)園芸作物流通経費緊急支援費の出荷資材購入費の補助対象経費は、今年度と令和3年度との差額とのことだが、令和4年度以降に就農した場合はどうなるのか。
(3)我が県の園芸産出額倍増という目標に向け、省エネでコスト削減が可能となる農業用ヒートポンプ導入への支援が必要と思うがどうか。
5 土地改良区原油価格高騰対策費について
(1)事業概要についてどうか。
(2)農業農村整備事業における建設資材高騰について、見解はどうか。
6 防災重点ため池緊急対策費について
(1)事業概要についてどうか。
(2)仙台市愛子地区のため池が決壊した場合には甚大な被害が想定されるが、今回の事業内容と今後のスケジュールはどうか。
7 新・災害に強い川づくり緊急対策費について
(1)事業概要についてどうか。
(2)国土強靱化について、内陸部の遅れの指摘があるが、今後の防災・減災の観点での見解はどうか。
8 中小企業等再起支援費について
(1)これまでの事業実施内容について、推移と評価はどうか。
(2)中小企業及び小規模企業の価格転嫁対策についてどうか。
9 地域ポイント等導入支援費について
(1)みやぎ防災アプリの現状の登録者数と今後の段階的な目標についてどうか。
(2)抽選でポイント付与されること自体が知られていないと思うが、広報や周知体制の現状についてどうか。
10 交通事業者等支援費について
(1)事業概要についてどうか。
(2)一日でも早く交付すべきと思うが、想定スケジュールはどうか。
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質疑内容については、
明日以降に続けてご紹介したいと思います。
質問内容についてのご感想、
ご意見、ご質問などいただければありがたく存じます。
すべてにお返事はできませんが、
今後の活動に役立ててまいります。
渡辺勝幸公式ウェブサイト「活動報告」
⇒ https://katsuyuki.jp/category/report/
「渡辺勝幸 宮城県議会県政活動報告」(ブログ)
⇒ http://cuccanet.blog72.fc2.com/blog-category-42.html
インターネット中継の動画等はこちらから見ることができます。
⇒ https://miyagi-pref.stream.jfit.co.jp/
(第5210号 令和6年12月19日(木))