渡辺勝幸予算特別委員会質疑の内容についてその2─令和6年11月定例会予算特別委員会総括質疑(令和6年12月10日)【1 令和6年度12月補正予算編成の考え方について】

12月10日、
宮城県議会予算特別委員会において、
渡辺勝幸は総括質疑(60分)に立ちましたので、

その質問内容等についてお伝えしたいと思います。

本日は、

1 令和6年度12月補正予算編成の考え方について

お伝えします。

予算特別委員会総括質疑への登壇は、
令和3年2月定例会以来でおよそ4年ぶりでした。

今回は大型経済対策の補正予算ということで、
内々に決まってから二日で原稿を仕上げるという、
こちらもハードなスケジュールでしたが、
何とか無事終えることができました。

【1 令和6年度12月補正予算編成の考え方について】

(1)予算編成の考え方についてどうか。

渡辺委員:
自由民主党県民会議の渡辺勝幸でございます。
三年十か月ぶりに総括質疑をするということで、非常に緊張しておりますがよろしくお願いいたします。
令和六年度十二月補正予算第四号の総括質疑ということで、お伺いをしてまいりたいと思います。
振り返りますと、九月の自民党総裁選、十月の衆議院解散総選挙と政治日程が続きました。自民党にとっては大変厳しい選挙でございましたけれども、この選挙によりまして衆議院では過半数をとる政党がいない、ハングパーラメント、宙吊り議会となりまして、石破内閣にとっても、我が国にとっても不安定な政治状況とならざるを得ない選挙結果だったなというふうに思っております。
政治とカネの問題が大きなテーマであったというように言われておりますが、もちろん、政治とカネも重要なテーマであったと思うんですが、その前提となる県民、国民の不安はですね、物価高に対する政府の対策が全く見えなかったこと、ここに一番の大きな問題があったのではないかと私は感じております。

まず、この補正予算についてですが、十一月二十二日に閣議決定されました、国民の安心安全と持続的な成長に向けた総合経済対策をもとに、調製をされていることと思います。
国会でも審議が始まったということですが、まだ国会では可決されていないということでございますが、繰り返しになりますけれども、物価高騰対策を何とかしてほしいとの県民の声は大変大きく、これを言うとまた政府批判にとられてしまうかもしれませんが、この経済対策はむしろ、遅れたのではないかと私はそのような認識を持っております。
そういった点でこの十一月定例会中にですね、経済対策を宮城県として提案された、知事の御判断、速やかに御対応頂いたことに心から感謝を申し上げたいと思います。
同時に、県職員の皆様にはかなりタイトなスケジュールで休日返上で働いていただいたのではないかなと思いますので、この点もありがたく思うところでございます。

それでは、令和六年度十二月補正予算編成の考え方について伺ってまいります。
まず、この補正予算について、予算編成の考え方をお聞かせください。

村井知事:
このところの急激な物価上昇の影響によりまして、賃金の上昇や価格転嫁が追いつかないなど、県民や中小企業、農林水産事業者の皆さんは、大変苦しい状況にあると認識をしております。
こうした認識のもと、今回の補正予算は、国の総合経済対策を踏まえ、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用した物価高への対応のほか、防災減災、国土強靱化など、県民の安心安全の確保につながる経費を計上しております。
経済対策を待ち望んでいた皆様に必要な支援を一日でも早くお届けすることができるよう、国や市町村などとも緊密な連携を図りながら、早期の執行に努めてまいりたいというふうに思います。
議会の皆様にも、このような形で御協力を頂き大変感謝をしてるところでございます。

(2)予算総額のうち、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金等の国からの財政支援はいくらか。

渡辺勝幸委員:
今お考えを御指摘頂きましたが、そのうちですね、概算で構いませんが、今回の予算総額のうち、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金、先ほど知事からお話ありましたが、その交付金等の国からの財政支援は、どれくらいになりますでしょうかお伺いをいたします。

小野寺総務部長:
まず、重点支援地方交付金につきましては、現時点におきまして各自治体への交付限度額はまだ示されておりません。
ですがわが県におきましては、全国の予算総額、これは六千億円でございます。
これに、これまでの我が県への配分割合を乗じまして五十八億八千万円と見積もったところでございます。
また、防災減災国土強靱化や農地整備関係の国庫補助金は、各省庁からの情報収集などによりまして約百五十一億円と算定するなど、一般会計ベースでは国庫支出金は約二百二十三億円を計上しているところでございます。
また県債につきましては、地方財政措置の通知が来まして、防災減災、国土強靱化や農地整備などで県債を約百三十四億円計上しているんですが、今年度元利償還金の五〇%が交付税措置されるというふうになっております。

(3)物価上昇にあっては、機動的な財政出動が重要であり、県民生活は直接的に厳しい打撃を受けているという強い認識を持つ必要があると思うが、国の経済対策への所感はどうか。

渡辺勝幸委員:
ありがとうございました。
おおよその額が分かりましたが、ちょっとまた先ほどの話に戻りますけれども、ここ一年の消費者物価指数CPI、数値を見ますと、ほぼ毎月前年比二・五%を超えるという数字になっております。
今年の九月は二・五、八月三・〇、七月二・八、六月二・八、五月二・八、四月二・五という数字です。
そして総務省統計局の調査によりますと、この消費者物価指数CPIの総合指数は、令和二年を基準点で百としますと、最新の数字令和六年十月現在で百九・五と、なっておりまして、端的に言うと、四年前から物価は一割増となっているという状況にあります。
ここのところ多くの県民の皆様から寄せられる声ですけれども、物価が上がって生活が厳しいとの声、また、中小企業の経営者の方々からは、原材料高、資材高で経営が厳しいとの声が聞こえております。
先日話した仙台市内のある工務店の社長からはですね、賃金がそのままで生活費が上がり、節約志向になっているので、リフォームや新築工事が減少しているとのお話を伺いました。
客観的な指標としても、厳しい数字が上がってるんではないかなと思っております。
先ほど申し上げました十一月二十二日に石破総理が、国民の安心安全と持続的な成長に向けた総合経済対策を、ようやく発表いたしました。
先ほど申し上げましたけれども、やはり国の動きは遅かったのではないかと私は感じております。
毎月物価が上がっていく中で、ここからは機動的に財政出動していくということが、インフレ下では重要であると思っております。
総裁選、総選挙、政治とカネの問題も含めまして、自民党としても真摯に反省をしなければならないと思いますが、やはりこの物価対応、もっと早く対応できなかったのかということを、多くの県民の声を聞きながら、ここ数か月間、非常に感じたところでございました。
ここで宮城県としてですが、財政の厳しい中、国が経済対策を打ち出さない限り動けないという状況であったのかもしれませんけれども、やはり、ここ数十年経験したことのないこの物価高は、県民生活に直接的に、そして非常に厳しい打撃を与えているという強い認識を持たなければならないと感じます。
国の総合経済対策についての知事の所感をお伺いいたします。

村井知事:
物価高の影響によりまして、県民の暮らしや事業者の経営は大変厳しい状況に置かれておりまして、経済対策は速やかに実施しなければならないと考えております。
このたび国においては、日本経済地方経済の成長、そして物価高の克服、そして国民の安心安全の確保の三つの柱で構成される総合経済対策が打ち出され、現在国会において審議をされております。
総合経済対策では、中小企業の生産性の向上など、経済の成長につながる取組のほか、重点支援地方交付金など、物価高対策のための総合的な対応を講じることとされておりまして、賃金上昇が物価上昇を安定的に上回る経済の実現に向けて必要な対策が盛り込まれていると考えております。
県といたしましても、国の経済対策に速やかに対応するため、私立学校等における学校給食の食材価格高騰分への助成や、高校生等奨学給付金の上乗せ支援、事業者に対する光熱費等の掛かり増し経費の助成など、可能な限り予算化をいたしました。
これらの施策を迅速に実施し、県民生活や事業活動の安定につなげてまいりたいと考えております。

(4)個別施策の検討時から、機動的な財政出動に留意しなければ、生活者や経営者の視点から乖離してしまうと思うが、県政運営におけるインフレ時代の予算措置についてどうか。

渡辺委員:
閣議決定されました、この政府の令和六年度補正予算ですが、税収は三・八兆円の上振れと異例の数字となっているとのことでございます。
また歳出入規模は十三・九兆円ですが、歳入側は税収上振れや税外収入などが充てられ、新規国債発行は六・七兆円と、半分程度に抑えられているということでございます。
これを見ますと、県税収入も上向きになってくるというふうに思われますけれども、これもまた私たちの頭にしみついた、「デフレ脳」からすると、一見喜ばしいことのように見えます。
しかし残念ながらインフレを加味すると、税収増は当然のことでありまして、あらゆる予算措置は、官民問わず、行政も、会社もですね、インフレ分を加味して予算を調製していかなければならない時代に入っているんだということを強く認識しなければならないと思います。
あらゆる予算措置にインフレ分を上乗せして、計上して初めて県民生活が安定していくと。
私から見ると村井知事はどちらかといえば、健全な財政運営に尽力をされてきたとお見受けしますし、その結果、県政の安定運営に貢献されてきたものと思いますが、しかし、コロナ以後のインフレ時代においては、県予算においても、機動的に財政出動が求められるのではないかと思います。
今年の夏ごろにですね、県職員の方と個別に県財政の議論をさせていただいたことがありますが、この前の代表質問の準備のときにしたのでありますけれども、県としての見解は、「物価上昇に伴い必要となる予算は、予算フレームの作成段階で適切に措置している」ということでございました。
県全体の予算調製マクロ的に見れば確かにそうであるかもしれませんが、個別政策の予算措置を原課の段階で検討する際には特に、その点を留意しながら、インフレ時代の予算措置をこれから進めていかないと、県民の生活者視線、県内中小企業経営者の経営的視点から乖離してしまうのではないかと思います。
この県政運営におけるインフレ時代の予算措置について見解をお伺いいたします。

村井知事:
このところの物価上昇レベルは約三〇年ぶりと言われておりまして、新たな局面を迎えております。
こうした状況を踏まえ、デフレやコストカット型経済からの脱却を確実なものとし、賃上げ等投資が牽引する成長型経済の実現に向けて、国と地方が一丸となって取り組んでいく必要があると思います。
そのため、県民生活の安定と県内産業の持続的成長につながる取組に対しましては、価格上昇も織り込みながら、その効果をしっかりと見極めまして、機動的に必要な予算措置を講じてまいりたいと考えております。
なお、今後起こりうる様々な財政需要に適時適切に対応していくことができるよう、各種基金の残高の確保や、県債残高の適正水準を維持するなど、財政余力の確保に努めるとともに、ある程度のインフレの継続も常に念頭に置きながら、財政運営を進めてまいりたいと考えております。
おっしゃるとおりだと考えております。

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【令和6年11月定例県議会 予算特別委員会 渡辺勝幸委員質疑要旨】

1 令和6年度12月補正予算編成の考え方について

(1)予算編成の考え方についてどうか。

(2)予算総額のうち、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金等の国からの財政支援はいくらか。

(3)物価上昇にあっては、機動的な財政出動が重要であり、県民生活は直接的に厳しい打撃を受けているという強い認識を持つ必要があると思うが、国の経済対策への所感はどうか。

(4)個別施策の検討時から、機動的な財政出動に留意しなければ、生活者や経営者の視点から乖離してしまうと思うが、県政運営におけるインフレ時代の予算措置についてどうか。

(5)103万円の壁の議論に当たっては、できる限り手取りを増やすことの実現と、減収となる財源をどうするかを議論しなければならないと思うが、見解はどうか。

2 私立学校原油価格高騰対策費について

(1)事業概要についてどうか。

(2)昨年の定例会において、施設の基本額に人数に応じた配分といった提案に対し、検討する旨の答弁があったが、どのような検討を行ったのか。また、例年通りとなったのは何故か。

3 社会福祉施設等物価高騰対策費について

(1)老人福祉施設等原油価格・物価高騰対策費の概要についてどうか。

(2)物価高騰で厳しい状況にあるという悲痛な声もあり、医療機関同様、価格転嫁が難しい社会福祉施設には、更に継続的な支援が必要と考えるがどうか。

4 園芸農業原油価格高騰対策費について

(1)事業概要についてどうか。

(2)園芸作物流通経費緊急支援費の出荷資材購入費の補助対象経費は、今年度と令和3年度との差額とのことだが、令和4年度以降に就農した場合はどうなるのか。

(3)我が県の園芸産出額倍増という目標に向け、省エネでコスト削減が可能となる農業用ヒートポンプ導入への支援が必要と思うがどうか。

5 土地改良区原油価格高騰対策費について

(1)事業概要についてどうか。

(2)農業農村整備事業における建設資材高騰について、見解はどうか。

6 防災重点ため池緊急対策費について

(1)事業概要についてどうか。

(2)仙台市愛子地区のため池が決壊した場合には甚大な被害が想定されるが、今回の事業内容と今後のスケジュールはどうか。

7 新・災害に強い川づくり緊急対策費について

(1)事業概要についてどうか。

(2)国土強靱化について、内陸部の遅れの指摘があるが、今後の防災・減災の観点での見解はどうか。

8 中小企業等再起支援費について

(1)これまでの事業実施内容について、推移と評価はどうか。

(2)中小企業及び小規模企業の価格転嫁対策についてどうか。

9 地域ポイント等導入支援費について

(1)みやぎ防災アプリの現状の登録者数と今後の段階的な目標についてどうか。

(2)抽選でポイント付与されること自体が知られていないと思うが、広報や周知体制の現状についてどうか。

10 交通事業者等支援費について

(1)事業概要についてどうか。

(2)一日でも早く交付すべきと思うが、想定スケジュールはどうか。

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質疑内容については、
明日以降に続けてご紹介したいと思います。

質問内容についてのご感想、
ご意見、ご質問などいただければありがたく存じます。

すべてにお返事はできませんが、
今後の活動に役立ててまいります。

渡辺勝幸公式ウェブサイト「活動報告」
⇒ https://katsuyuki.jp/category/report/

「渡辺勝幸 宮城県議会県政活動報告」(ブログ)
⇒ http://cuccanet.blog72.fc2.com/blog-category-42.html

インターネット中継の動画等はこちらから見ることができます。
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(第5208号 令和6年12月17日(火))