「ハング・パーラメント」の不安定な政治の時代に突入

令和6年10月15日公示、27日投開票の、
第50回衆議院議員選挙が終わりました。

出馬された皆様をはじめ、各党、各後援会の皆様におかれましてはおつかれさまでした。

私も政治の世界に入ってから長くなり、
学生時代から知っている方々や
若いころに一緒に働いていた方々が出馬されたり、

また地方議員として親しくさせていただいている方々、
全国各地で活躍されている方々が出馬したりして、
それぞれの結果を見ながら、大変な衆院選を戦い、また支えた方々に心から敬意を表するところです。

投票するということはとても素晴らしいことで、
長い人類の歴史においては、民主主義が確立している時代はわずかなもので、
世界をよりよくするために、私の一票を行使できるということは本当に有難いことだと思っています。

しかしながら今回の衆院選の結果は、
私が所属する自由民主党にとってだけではなく、
日本全体にとっても大変厳しい結果になったのではないかと思っています。

確定議席数は以下の通りです。

【第50回衆院選確定議席数】

【与党215】
自民191
公明24

【野党他250】
立民148
維新38
共産8
国民28
れいわ9
社民1
参政3
保守3
無・他12

この結果は、どの政党も過半数を取ることができていない、
政治学でいうところの「ハング・パーラメント」、いわゆる宙づり議会と言われる結果でした。

過去に日本でもこの状態になったことは幾度かありましたが、
わかりやすい例でいうと、今年7月のフランス総選挙の結果がまさにそうで、
過半数を占める政党がおらず、2カ月以上組閣ができませんでした。

2017年のイギリス、2018年のイタリアでも同じように「ハング・パーラメント」が起きており、
混乱と政権の不安定化が指摘されているところであり、

世界的に見ると地方議会でもこれは増えているように感じます。

私は政治が安定することにより、
スピード感を持って政策を打ち出すことで、
よりよい生活を政治がつくることができると思っていますが、

一方で、世界は多様な価値観を重視する政治へと向かっているとも言えます。
多様な価値観を重視することは大切なことではありますが、
ひとつの政策を実行するための、議論が進まない、あるいは決定までに多くの時間がかかる。
そのため、結果として何も決まらず混乱が生じるという政治が生まれてしまいがちです。

議論のための議論に終わってしまうと、
タイミングを失してしまう。

「ハング・パーラメント」の結果を受けて、
過半数の連立の枠組みを強固につくることができれば問題はないのですが、

ここからわが国の不安定な政治、混乱の政治がはじまってしまった、
そのようにならないようにしていかなければなりません。

我が国を取り巻く環境は大変厳しいものがありますし、
強い政治が今こそ求められているはずです。

国の行く末を私たち有権者一人ひとりも考えていかなければなりませんし、
そのためにも、信頼を失う政治をする政治家には一刻も早く退場していただきたいと思います。

(第5158号 令和6年10月28日(月))