宮城県議会議会運営委員会の県外調査に行きました(滋賀県、兵庫県)



1月31日から2月1日まで、
宮城県議会 議会運営委員会の県外調査ということで、
滋賀県議会、兵庫県議会へ超党派で出向き、
議会のペーパーレス化を中心に調査をしてまいりました。

現在、宮城県議会は完全ペーパーレス化に向けて試行中の段階です。


議会運営委員会とは、
議会の運営、ルールなどについて議論をする委員会で、

直接県民に関わる政策とは距離がありますが、
政治家が議論をする土台となる場ですので、
議会の要となる委員会であるとも言えます。


●宮城県議会議会運営委員会

委員長 佐々木 幸士(自由民主党・県民会議)
副委員長 横山 隆光(自由民主党・県民会議)
委員 ゆさ みゆき(みやぎ県民の声)
委員 荒川 洋平(みやぎ県民の声)
委員 天下 みゆき(日本共産党宮城県会議員団)
委員 遠藤 伸幸(公明党県議団)
委員 渡辺 忠悦(立憲・無所属クラブ)
委員 伊藤 吉浩(自由民主党・県民会議)
委員 渡辺 勝幸(自由民主党・県民会議)
委員 佐々木 賢司(自由民主党・県民会議)
委員 石川 光次郎(自由民主党・県民会議)
委員 中島 源陽(自由民主党・県民会議)






滋賀県議会

定数は44名(宮城県議会は59名)、
大津市を県庁所在地としており、滋賀県は約140万人の県人口。
面積は4017平方キロメートルとなっており、その面積の6分の1が琵琶湖です。

自由民主党滋賀県議会議員団が20、
チームしが県議団が12、
さざなみ倶楽部3、滋賀維新の会3、公明党滋賀県議団2、
日本共産党滋賀県議会議員団2、無所属1。

欠員は1とのことです。


代表質問は全定例会で実施(宮城県議会は2月及び9月定例会)、
5人以上の交渉会派に割り当て。

一般質問は一人年間120分以内、1回の発言時間は30分以内(答弁時間含まず)となっていますが、

令和5年2月定例会より議事運営効率化の取組として1回の発言時間を25分とする取り組みを実施しているそうです。

全議員が5常任委員会のいずれかに所属、
4つの特別委員会は定例会議期間中2回程度、定例会期間外は月1回開催。


県議会だよりを発行、県内全域に新聞折込(6紙)により配布。
また、テレビ広報を実施、定例会議における代表質問、一般質問等を放映。
(宮城県議会では県議会だよりを年4回新聞に掲載)

子ども県議会を実施。子ども議員(小中学生40人程度)が約半年間、
体験活動や学習会を行い、執行部に質問する。


ペーパーレス化の取組では、
タブレット端末の貸与、SideBooksにより審議調査資料の閲覧を実施しており、
議会関係資料は全てペーパーレス化することとしています。

グループウェアはサイボウズを利用して、
連絡や資料共有を実施。


議会のルールはそれぞれの議会により様々な歴史がありますので、
多様な慣習があるわけですが、
今回はペーパーレス化の取組を進めるにあたりどういう取り組みが可能なのかは、
他県の事例を聞くと非常に参考になります。


若い世代の方が多いビジネスの世界からすると、
議会のデジタル化は遅れているように見えると思いますが、
多様な世代、多様な地域から選出されている地方議員が議論をするときに、
完全ペーパーレス化を進めるためには、
漸進的な取組もやむを得ないと思いますが、
いずれは諸課題を乗り越えてペーパーレス化に取り組めると思います。




兵庫県議会

定数は86名(宮城県議会は59名)、
神戸市という政令市を要する兵庫県議会です。
兵庫県は約536万人の県人口。面積は8401平方キロメートルとなっています。

自由民主党37、
維新の会21、
公明党13、
ひょうご県民連合9、
日本共産党2、
無所属4。


7常任委員会で審査(宮城県議会は6常任委員会)。
議会運営委員会は定数12。

代表質問は全定例会で実施(宮城県議会は2月及び9月定例会)。
一般質問は1日5人で、6月は1日、9月は3日、12月は2日、2月は4日となっています。

質問時間は1人45分以内で、質問30分、答弁15分目途(再質問を含んでの時間とのこと)。
質問方法は、一括、分割、一問一答の各方式から選択。



ペーパーレス化の取組では、兵庫県議会も、
紙資料の配布を廃止しています。

また、オンライン委員会の実施や、
オンライン委員会調査(管内調査)も試行しているとのこと。


しかし、オンプレミス型・WiFiモデルのため、
庁外からペーパーレス会議システムに接続できず、
またタブレットとWindowsPCの二台持ちになっているとのことです。

次期システムの導入に向けて検討を進めているとのこと。


また、本会議場の耐震性能不足問題が生じており、
現在兵庫県議会は議場ではなく、兵庫県公館の大会議室で実施しているとのことで、
立派な公館も見せていただきました。


新たに当選された、斎藤元彦兵庫県知事のもと、
県庁において恒常的に出勤率4割を目指していく「新しい働き方モデルオフィスの実施」を進めているとのこと。

庁舎の改築もこうした働き方の変化に合わせて、
凍結したりしており、県職員の働き方、庁舎の在り方が変化していくのでしょう。


そのためにはやはり紙はなくさなければならないということで、
仕事のやり方も変化していきそうですね。



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滋賀、兵庫の取組を調査しましたが、
宮城県議会でのペーパーレス化をさらに進めるための課題も見えてきました。

そして、それぞれの議場に実際に足を運び雰囲気も感じながら、
宮城県議会とのちがい、
ルールのあり方やそれぞれの経緯などを知る貴重な機会でもありました。


議会運営は政策形成や行政と直接は関りがない、
つまり住民生活に直接影響があるものではありませんが、
間接的に大きな影響があるものです。

なかなか取り上げられることも少なく地味な分野ですが、
議会の土台を支える重要な、政治家の醍醐味ともいえる分野ですので、

これからペーパーレス化というテーマも含め、
議会運営の研究も進めていきたいと思っています。

(第4889号 令和6年2月2日(金)発行)