【渡辺勝幸一般質問】【大綱3】重症心身障害児者への支援等、共に生きる社会の実現について【第386回宮城県議会】

12月1日、
第386回宮城県議会(令和4年11月定例会)において、
渡辺勝幸は一般質問に立ちましたので、

このメルマガで数回に渡って、
一般質問の内容等についてお伝えしていきます。

3回目として、

大綱3 重症心身障害児者への支援等、共に生きる社会の実現について

その内容をお伝えしたいと思います。

───────────────────────────

【渡辺勝幸一般質問要旨】

【大綱1】地方自治の在り方、「国と地方の役割分担」について以下2点について知事の所見を伺いたい。

(1)国が自治体に策定を義務付ける計画は必要最小限にすることや内容・手続きを自治体の判断にできる限り委ねることが骨太の方針に盛り込まれたが、我が県の計画の数と当該方針を受けた対応についてどうか。

(2)町内会長や行政区長などへの表彰制度について、知事によるものがないことに大きな違和感を覚えるが、所感はどうか。

【大綱2】再生可能エネルギー発電新税に関する課税の在り方について新税導入の必要性について認識はどうか。
また、課税ではなく規制強化などの対応はできなかったのか。
さらに、可能な限り早期に導入すべきと思うが、今後のスケジュールについて知事の所見を伺いたい。

【大綱3】重度心身障害児者への支援等、共に生きる社会の実現について以下4点について知事の所見を伺いたい。

(1)障害者スポーツ分野への予算確保は、地域に根差した障害者スポーツの環境整備と普及促進のために必要と思うがどうか。

(2)新生児聴覚検査費用を公費負担している市町村数について、今後の進展の見込みと併せてどうか。

(3)長期入所病床の不足解消や単独型の医療型短期入所病床の増床整備など、重症心身障害児者やその家族が安心して暮らすための支援について、どのように考えているのか。

(4)共生型サービスの対象を長期入所まで拡大することで、限られた福祉人材を活用しながら、必要な支援を行き渡らせることができると思うがどうか。

【大綱4】園芸産出額倍増等、農政について以下2点について知事の所見を伺いたい。

(1)「みやぎの園芸倍増」という目標の達成に向けた戦略についてどうか。また、先進技術を活用した施設園芸に志を持つ農業者に対する政策的・経営的支援が不足していると思うがどうか。

(2)都市近郊におけるもみ殻の処理について、県として何らかの対応を図るべきと思うがどうか。

【大綱5】公設日本語学校開設や貞山堀の活性化等、宮城の地域経済活性化について以下2点について知事の所見を伺いたい。

(1)日本語学校の整備に当たっては、語学教育のみならず、我が国の歴史や伝統文化をしっかりと伝えることのできる人材を確保していくべきと思うがどうか。

(2)貞山運河は仙台空港や仙台塩釜港にも近く、観光資源としての利活用や被災地の経済復興にも資するものと思うが、その活性化や周辺の河川整備に関する認識はどうか。

【大綱6】不登校特例校連携やキャリア教育の推進について以下2点について知事及び教育長の所見を伺いたい。

(1)不登校特例校について、県内における開設に向けた動向や、それまで通っていた学校や進学先との連携の在り方への認識はどうか。

(2)県立高校のキャリア教育は充実しているものの、就職先の確保には課題があると聞いており、特に観光業界の人材育成に向け、関係部局の連携を強化して取り組むべきと思うがどうか。

【一般質問要旨ここまで】
───────────────────────────

【大綱3】重度心身障害児者への支援等、共に生きる社会の実現について以下4点について知事の所見を伺いたい。

(1)障害者スポーツ分野への予算確保は、地域に根差した障害者スポーツの環境整備と普及促進のために必要と思うがどうか。

次に大綱三点目、「重症心身障害児者への支援等、共に生きる社会の実現について」お伺いします。

まずは、障害者スポーツの推進について伺います。

昨年八月に開催された「東京パラリンピック二〇二〇」は、
一年延期とされたものの無事挙行され、
全世界で、ボッチャをはじめとした障害者スポーツ競技への大きな関心を高めたものと感じております。

しかし残念ながら、県内の障害者スポーツの現状を見ると、
パラリンピックへ向けた機運の醸成も空しく、
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、
活動がなかなかできないというのが実際のところでありました。

他県に遅れていると言われております障害者スポーツの分野に、
予算を確保していくということは、
地域に根差した障害者スポーツの環境整備と普及促進のためには不可欠であります。

県の見解をお伺いいたします。

(2)新生児聴覚検査費用を公費負担している市町村数について、今後の進展の見込みと併せてどうか。

次に「新生児聴覚検査の現状について」お伺いします。

これまでに何度か取り上げてきた、この「新生児聴覚検査」でありますが、
平成二十七年度時点で公費負担を実施している宮城県内の市町村はゼロでありました。

しかしその後、多くの市町村の御理解により、
県内市町村でもこの取組が進んできたと伺っております。

そもそも、国の新生児聴覚検査事業は平成十八年度をもって国庫補助が廃止され、
平成十九年度の地方財政措置において少子化対策に関する地方単独措置として
総額において大幅な拡充がなされることにより、
所要の財源が確保され市町村に対して地方交付税措置されたものでありました。

そして今年七月に、地方交付税の一般財源「少子化対策関連費用」内数から
保健衛生費の「新生児聴覚検査費」としての計上が明示されたとのことであり、
県内各市町村でさらなる公費負担の実施が求められるところであります。

現在、県内市町村で公費負担を実施している数字と、
今後の進展の見込み、県としての考え方についてお伺いいたします。

(3)長期入所病床の不足解消や単独型の医療型短期入所病床の増床整備など、重症心身障害児者やその家族が安心して暮らすための支援について、どのように考えているのか。

次に「重症心身障害児者への支援について」お伺いします。

十一月十四日、仙台市青葉区にある社会福祉法人陽光福祉会の創立三十周年記念式典に、
福井崇正議員とともに出席しました。

陽光福祉会は、創立者の熊谷務氏が、医療型重症心身障害児施設「エコー療育園」を立ち上げ、
本県の重症心身障害児者の受入整備に尽力をされてきた法人であります。

大学の先生や医療関係者によれば、
近年わが国では低出生体重児の出産が増加しており、
その生命予後は改善しているものの、
長期的な疾病や障害を合併する割合が高いことが知られており、
残念ながら今後、重症心身障害児者が増加する可能性があるとの見解が示されています。

また、小児医療・周産期医療・救急医療の進歩によっても、
救命はできたものの後遺症として重度心身障害を持つ子供が増加しております。

また、この子供たちの多くは医療的ケア児であり
令和三年に施行された医療的ケア児等支援法の対象でもあります。

近年、重症心身障害児者において、
在宅医療が継続できなくなった場合の長期入所病床の不足、
家族レスパイトを確保するための医療型短期入所の病床不足などの問題が生じており、
今後はさらに問題が複雑化していく可能性が高くなると感じております。

また、令和二年の宮城県の調査では、
在宅の重症心身障害児者は約千名、平成五年の約二・五倍と推定されており、
さらに保護者の三六・六%が六十五歳を超えていることが分かっており、
親の高齢化により在宅療養ができなくなった場合でも安心して医療・介護を受けるためには、
在宅の最終セーフティーネットである医療型長期入所施設の整備が必要であります。

しかし、現在の長期入所病床は慢性的にほぼ満床の状況が続いていると同時に、
短期入所サービスも同様であり、
保護者のレスパイトニーズに対応できているとはいいがたい状況です。

近年では、移行期医療の問題も浮上しており、
宮城県立こども病院から移行を必要とする重症心身障害者が増加しているにも関わらず、
移行先が見つからないケースが増加しております。

そこでお伺いいたします。

これまで述べたような、近年宮城県内で大きな課題となっている、
重症心身障害児者における長期入所病床の不足の解消、
ウィズコロナにおいて家族のレスパイトを確保するための
感染管理可能な単独型の医療型短期入所病床の増床・整備など、
重症心身障害児者の皆さんやそのご家族が安心して暮らせるための、
県としての支援について、どのように考えるのかその見解をお伺いいたします。

(4)共生型サービスの対象を長期入所まで拡大することで、限られた福祉人材を活用しながら、必要な支援を行き渡らせることができると思うがどうか。

続けて、「共生型サービスの適用拡大」についてお伺いいたします。

超高齢化社会を迎える本県ではありますが、
一方で介護施設の過剰供給の時代がいずれ来るのではないかという議論も
また始まりつつあると感じています。

「共生型サービス」とは、「介護保険」か「障害福祉」のどちらかの指定を受けている事業所が、
もう一方の制度の指定も受けやすくすることを目的に
平成三十年に創設されたものであり、まだまだこれからの分野ではありますが、
医療型重症心身障害児者病床の増床に加えて、
共生型サービスの適応範囲を長期入所まで拡大することで、
地域の実情に合わせ、限られた福祉人材をうまく活用しながら、
必要な支援を行き渡らせることができるのではないかと考えますが、
県としての見解をお伺いいたします。

(大綱四から六は明日以降に続けます)

質問内容についてのご感想、
ご意見、ご質問などいただければありがたく存じます。

すべてにお返事はできませんが、
今後の活動に役立ててまいります。

「渡辺勝幸 宮城県議会県政活動報告」(ブログ)
⇒ http://cuccanet.blog72.fc2.com/blog-category-42.html

(第4463号 令和4年12月3日(土)発行)