宮城県議会少子化対策調査特別委員会の県外調査で、北海道大学、北海道議会、福井県議会を訪問しました

令和4年7月11日から13日にかけて、
宮城県議会少子化対策調査特別委員会の県外調査で、
北海道札幌市、福井県福井市を訪問しました。

メンバーは以下の通りです。

委員長 吉川 寛康 (21世紀クラブ)
副委員長 天下 みゆき (日本共産党宮城県会議員団)
委員 坂下 賢 (みやぎ県民の声)
委員 伊藤 和博 (公明党県議団)
委員 伏谷 修一 (自由民主党・県民会議)
委員 八島 利美 (自由民主党・県民会議)
委員 渡辺 勝幸 (自由民主党・県民会議)
委員 池田 憲彦 (自由民主党・県民会議)
委員 中沢 幸男 (自由民主党・県民会議)

●宮城県議会少子化対策調査特別委員会県外調査一日目。
「北海道大学COI『食と健康の達人』拠点における少子化の課題解決に向けた研究活動について」
(北海道大学 フード&メディカルイノベーション国際拠点)

北海道大学COI『食と健康の達人』拠点
⇒ https://www.fmi.hokudai.ac.jp/coi/

吉野正則北海道大学客員教授により、北大が新たに取り組んでいる、
共創の場形成支援プログラム「こころとカラダのライフデザイン共創拠点」を中心にご説明いただきました。

少子化の解決をテーマとしながらも、
そこにとらわれることなく、
大きな視点で子供の課題について考えるという視点は勉強になりました。

「子供を授かる以前」のプレコンセプションケアや、
「低出生体重児」を岩見沢市で低減させる取り組みとしての、
母子健康調査と新公共サービスの構築なども、
今後、全国で必要となる取組であると感じました。

●宮城県議会少子化対策調査特別委員会県外調査二日目。
「北海道における少子化対策の取組について」(北海道議会)

北海道庁保健福祉部子ども子育て支援課の取組を中心に、
少子化対策についてうかがいました。

子育て支援政策全般や、特定不妊治療費助成、
そして私も何度か議会で取り上げている、新生児聴覚検査等、
宮城県でも取り組んでいるものがいくつかありましたが、

「ユースプランナー登録制度」という非予算事業は、
興味深いお話でした。

これは、結婚支援・子育て支援策に若者世代の意見を反映し、
関連事業の効果的な実施方法や新たな施策検討に向けた意見を募集するというもので、
道内の大学生100名に登録してもらい、
SNSを活用して、定期的に双方向のやり取りをするというものだそうです。

また、道内市町村で合計特殊出生率の高い自治体、
人口が増加している自治体における取組の具体例もうかがい、
それぞれの地域による個性ある施策を感じました。

北海道も宮城県同様、少子化傾向に苦戦しているとのことでしたが、
参考になるお話をたくさんいただけました。

終了後、おととし完成した北海道議会庁舎の本会議場を中心に、
施設のご説明もいただき、最先端の地方議会庁舎の在り方についてもうかがいました。

道庁旧庁舎の赤れんが庁舎も、
大規模改修を実施中とのことでしたが、

こうやって他の都道府県の施設を見ると、
宮城県における施設などを思い出しながら、
客観視することができるなとあらためて感じました。

●宮城県議会少子化対策調査特別委員会県外調査三日目。
「福井県における少子化対策の取組について」(福井県議会)

福井県庁地域戦略部、健康福祉部、交流文化部の取組を中心に、
少子化対策についてうかがいました。

福井県の合計特殊出生率は全国でも上位に位置し、
平成16年に最低の1.45を記録した後は、数字を戻しており、
その秘密について、様々な取組をご紹介いただきました。

そのなかでも、「ふくい3人っ子応援プロジェクト」という、
3人目以降の子どもについて、様々な政策支援を進めてきたことのインパクトはあったようです。

また、EBPM(データサイエンス)に基づき、

「早婚の促進」「県の政策認知度向上」「子育てに対するイメージアップによる婚姻意欲の向上」

といった提案をもとにした政策づくりを進めているとのことで、
これは大変興味深く伺いながら、そのまま宮城県にも当てはまるのではないかとも感じたところです。

また、宮城県同様に、結婚支援政策として、
AIを活用したマッチングシステムの運用にも取り組んでいるとのことでしたが、

同時に、アナログな「縁結び活動の推進」も進めており、
結婚相談所、ブライダル業や理美容業、お寺のご住職、退職教員などのボランティアで「地域の縁結びさん」、
職場の出会い応援事業、若手社員の交流推進事業などはじめ、
各種施策が盛り沢山という印象でした。

また、「ふく育県」をめざし、
子育て支援の予算額を令和4年度に倍増、40億円として、
子どもの遊び場整備事業など新たな施策に取り組んでいるとのことでした。

北海道と福井県の少子化対策の先進的取組をたくさん教えていただきました。

少子化に特効薬はないと言われますが、
様々な取組により効果があがっている政策もあるようですし、

合計特殊出生率の低い宮城県としては、
少子化対策としての子育てしやすい環境整備は喫緊の課題です。

しかし今回、様々な取組を伺いながら、
少子化そのものも大事ではありますが、
少し視点を広げて、少子化が進展する前提となっている課題の解決にも、
目を向けていくことは大事であるとあらためて感じました。

お忙しいところ、視察を受け入れていただきました皆様に感謝申し上げますとともに、
本日の調査内容を今後の宮城県における政策立案に役立ててまいりたいと思います。

ありがとうございました。

(第4321号 令和4年7月14日(木)発行)