羽生結弦は本当にすごい人だと今日あらためて感じた言葉
私は、政治家であれ経営者であれ教師であれ、
またどんな仕事をしている人であっても、
これはすごいなという仕事をしている人の話を聞いたり、
そういう方の伝記などを読むのが好きなのですが、
これはすごいなという人は、
「これ以上ないくらい一生懸命頑張って、
それでも報われない努力だった」
という経験を必ずしているようです。
「すごい人」の人生のダイジェスト版や、
アスリートの感動的な勝利をテレビで見ていると、
「すごい人」というのは努力を積み重ねた結果、
栄光の勝利を収め、メディアなどで大々的に取り上げられている。
そのように思いがちですが、でも実際のところは、
栄光はほんのわずかの瞬間だけで、
その栄光までの間のほとんどは努力に練習を積み重ね、
それでもなお敗北を積み重ねていることがほとんどなんですね。
今日2月10日、北京オリンピックのフィギュアスケート、
男子シングルで仙台市出身の羽生結弦選手は、
メダルに期待する声が高かったものの、
残念ながら4位で終わってしまいました。
私も残念だなあと思っていましたが、
羽生選手の日ごろの言動や取り組む姿勢も見聞きし、
そして今日の演技終了後に行なわれた、
羽生選手のメディアインタビューを聞いていて、
「やはりすごい選手だな」
とあらためて感じました。
羽生選手はこの終了後のインタビューで「今のお気持ちは」と聞かれ、
「全部出し切ったというのが正直な気持ちです。
明らかに前の大会よりもいいアクセル跳んでいましたし
もうちょっとだったなという気持ちももちろんあるんですけど、
でもあれが僕のすべてかなって。
それともちろんミスをしないことは大切だと思いますし、
そうしないと勝てないのは分かるんですけど、でもある意味、
前半2つのミスがあってこその『天と地と』の物語が出来上がってたのかなっていう気もします」
「もう一生懸命頑張りました。
正直これ以上ないくらい頑張ったと思います。
報われない努力だったかもしれないですけど、
確かにショートからうまくいかないこともいっぱいありましたけど、
むしろうまくいかなかったことしかないですけど、今回。
けれど、一生懸命頑張りました」
と答えています。
「これ以上ないくらい頑張り、
全部出し切った、
そしてそれが報われなかった。」
ここにすべてがあらわれているように思います。
どんな仕事であれ、
どんな立場であれ、
どこに住んでいても、
いくつになっても、
「これ以上ないくらい頑張り、
全部出し切った、
そしてそれが報われなかった。」
と、胸を張って言い切れるような人生を送りたいと思います。
(第4167号 令和4年2月10日(木)発行)