令和4年(2022年)の政治経済見通し
以前からこのメルマガでも指摘していますが、
「未来を予測することは一定程度可能である」
と私は思っています。
たとえば令和4年5月10日に渡辺勝幸は47歳になる!
とか、
令和4年4月1日に、わが国では、
成年年齢が20歳から18歳に引き下げられる!
ということは、
もう予定として決まっているわけです。
私がむかし永田町で働いていたとき教えられたことは、
政治的作業の一番要の部分は
「日程を作ること」
だということでした。
だれがいつどう動くか?
これを知っていると、その後の動きが解るし、
世の中の制度がどのように変わっていくかも、
未来の日程が解れば推測できるようになります。
永田町に限らず
ビジネスにおいてもそうですね。
したがって、
どんな種類の手帳を使うか、
アナログかデジタルかということも大事かもしれませんが、
「手帳に書いてあることをどう見ていくか」
ということのほうが重要なわけです。
もちろん人の気持ちや、
突発的災害、事故、人の死などで、
情勢が大きく変化することはありますので、
そこもシミュレーションのひとつです。
令和4年は、
「新型コロナウイルス感染症の収束しそうな年」となりそうです。
令和2年、3年の予測は、
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、
全世界でことごとく、予測が意味のないものとなってしまいました。
国際情勢も、アメリカも中国も、
アジアもヨーロッパも、
「コロナ次第」という状況が継続するでしょうが、
オミクロン株についてもブースター接種の有効性が確認されつつあり、
欧米における重症化は抑制されていることから、
収束が見えつつあるということが言えるでしょう。
日本政治の世界では、
「令和4年夏の参議院選挙の結果」が課題です。
発足した岸田内閣は衆院選に勝利し、
基礎を固めつつあります。
参議院選挙をうまく乗り切れば、日本政治上珍しく、
「今後3年間は国政選挙がない」
ことになります。
自民党総裁としても、任期を考えると、
2024(令和6)年9月までありますので、
そこまでは安定政権をつくることができるとも言えます。
つまり、この夏の参院選さえ乗り切れば、
岸田長期政権への道は見えてくるということになるでしょう。
そう考えると、やはり来年の参院選は大きな山場となりそうです。
立憲民主党は代表が交代し、
日本維新の会も力を蓄えており、
来夏の参院選が岸田政権にとっての中間評価を与えるともいえます。
日米関係、日中関係をめぐる対応は、
中長期的に日本外交の大きな課題ですが、
岸田政権の対応が2020年代の東アジア情勢に大きく影響を及ぼすことと思います。
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日本経済については、
新型コロナ感染症が昨年に引き続き令和3年においても、
第5波が大きな波となったこともあり、
政権を変えるほどの打撃となりました。
一方で、コロナに伴うエネルギー価格高騰と、
半導体不足は日本経済に打撃を与えており、
自動車をはじめ生産に大きな影響を与えています。
おそらく来年は徐々に解消されていくものとは思いますが、
米国のテーパリングから、日本にインフレがどれくらい起きるのかということも見逃せません。
令和4年はわが国においてスタグフレーションが起きないよう、
注視していきたいと思います。
また、経済活性化と感染防止の両立を目指すアフターコロナのなかで、
「脱炭素」「デジタル化による経済活性化」は今年も大きなテーマであり、
政府の政策推進が進展することとなります。
とはいえ、新型コロナ感染症による、
地方の中小企業への経済的影響は大きく、
日本経済が新型コロナ流行前の水準を回復するのは、
令和4年においても厳しいでしょう。
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そして、国際的な情勢としては、
コロナ以後、ますます熾烈となっている、
「米中の覇権争い」を軸として展開していくことでしょう。
欧米が中露と対立するという、
20世紀の国際情勢にも似た構図が、
再び激しく生まれているようにも思えます。
コロナ以後は、「自由と民主主義」をどうとらえるかということが、
そのキーワードになっていますし、
経済安全保障の強靭化の動きが活発になっています。
また、各国政府・中央銀行は戦後最大規模の財政出動を含む
あらゆる政策手段を総動員していますが、
出口を見据え、政策支援の縮小が予想されます。
オーソドックスな世界経済見通しは、
オミクロン株の懸念はあるものの、行動制限やワクチンに加え治療薬の普及などから、
世界経済は春以降に明るさを取り戻すという、
エコノミストの分析もあるようです。
アメリカでは、バイデン政権の対中政策だけではなく、
格差是正政策も大きな焦点であり、
2022年中間選挙の結果から次の大統領選を見据え、
共和党のトランプ前大統領の動向も相まって、注目されるところです。
またFRBは2022年内に3回の利上げを示唆しており、
景気回復とともにインフレ懸念も高まるものと思われます。
ヨーロッパでは現在も感染拡大が続いていますが、
重症化は抑制されていることもあり、沈静化も想定されます。
一方でイギリスはじめ、人手不足改善が大きな課題ともなっており、
物価高と人手不足の解消が経済の足かせにならないことを祈るばかりです。
中国は、5年に1度の共産党大会が開催される年ということで、
慎重な政権運営がなされるものと思われます。
不動産業界の懸念や電力供給の課題はありますが、
総じて拡大基調のようです。
同時に、香港の混乱や習国家主席の強権的統治への反発、
ウイグル・チベット問題なども注視していかねばなりません。
冬の北京五輪も一波乱ありそうですが、
これが終われば中国はなお一層強行外交を進める可能性は出てきますので、
覚悟していかなければなりません。
来年の地政学リスクとしては、
北朝鮮、イラン、ウクライナなどが注目されます。
どのように政策運営を進めていくか、
わが国にとっても判断が重要な年となりそうです。
大転換期の世界において我が国がどう進むべきか、
宮城県の進むべき方向はどうあるべきか、
年末年始考えてみたいと思います。
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【令和4年(2022年)の予定】
1月17日 通常国会召集
2月4日 北京冬季五輪大会(~2月20日)
2月11-17日 春節(旧正月)休暇
3月 中国全国人民代表大会
3月9日 韓国大統領選挙
3月11日 東日本大震災から11年
3月4日 北京冬季パラリンピック大会(~3月13日)
4月 フランス大統領選挙
4月24日 衆参統一補欠選挙
5月15日 沖縄返還50周年
6月 G7サミット(ドイツ)
6月14日 米FOMC、利上げか?
7月10日 参議院議員選挙
7月 臨時国会、第2次岸田内閣改造か?
9月29日 日中国交正常化50周年
10月2日 ブラジル大統領選挙
10月? 中国共産党大会
11月8日 米国中間選挙
11月7日 FIFAワールドカップ(カタール)
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来年は寅年。
寅年の相場格言は「千里を走る」。
政治経済で波乱が起こりやすい年と言われています。
令和4年の干支は「壬寅」。
十干が「壬(みずのえ)」で、十二支が「寅(とら)」。
「壬」は十干の9番目、生命の循環で言えば終わりの位置に近く、
厳冬、静謐、沈滞。
次の生命を育む準備の時期と言われています。
一方、「寅」は十二支の3番目で、
生命の循環で言えば初めの位置に近く、誕生を表すとされます。
そう考えると令和4年は、
厳しい時期を乗り越え、華々しく誕生する、
はじめの年になるのかなとも感じます。
アフターコロナの世界をつくると考えれば、
大きな転換点に私たちはいま立っているといえるでしょう。
世界の大転換期にあって、
諸外国との平和を維持しながらも、
わが国の原点に立ち返り、
日本のあるべき姿をもう一度考えていかなければなりません。
日本が果たすべき役割を考えながら、
地元の若林区と宮城県の発展を推進するため、
「新たな時代をつくる」準備の年としたいと思います。
(第4125号 令和3年12月30日(木)発行)