【渡辺勝幸一般質問】【大綱3】富県躍進に必要な「新しい価値」について【第377回宮城県議会】


3月3日、第377回宮城県議会(令和3年2月定例会)において、渡辺勝幸は一般質問に立ちましたので、
このメルマガで数回に渡って、一般質問の内容等についてお伝えしたいと思います。

3回目として、
大綱3 富県躍進に必要な「新しい価値」について
内容をお伝えしたいと思います。

【大綱3】富県躍進に必要な「新しい価値」について以下5点について知事の所見を伺いたい。

(1)少子化の進行や復興需要の減少を含む経済の縮小が見通される中、新・将来ビジョンに掲げる「新しい価値」創出の実現が重要だ。宮城ならではの新しい価値について見解はどうか。

次に、大綱三点目、富県躍進に必要な「新しい価値」について、お伺いいたします。
「新・宮城の将来ビジョン」においては、「全産業で、先進的取組と連携によって新しい価値をつくる」という表現があり、具体的な取組として、「新技術・新産業の創出」、「地域資源を活用した観光産業、地域を支える商業・サービス業の振興」、「農林水産業の海外展開」が掲げられています。
少子化が進み、経済がシュリンクしていく、また本県においてはとりわけ復興需要が減少していくことが予測されるこの十年は、この「新しい価値」を具体的にどう実現していくかが、非常に重要であります。
知事は、この富県躍進に必要な「新しい価値」について、どのように考え、具体的にどのような施策を進めていくとお考えでしょうか。
どの県でも書けるようなものではなく、「宮城らしい」新しい価値についてお聞かせください。

(2)政策展開にデジタル化推進の視点を取り入れることで、我が県のデジタル化は大きく伸びる余地があると思うが、庁内外の人財活用を含め、デジタル庁設置を踏まえた対応はどうか。

国は、令和三年九月に「デジタル庁」の設置を予定しております。その目的は多くありますが、なかでも「地方に居ながら都会と同じような仕事や生活ができる」という目的は、本県にとっても重要な視点であると考えます。
しかし一方で厳しい指摘も存在します。今年一月に野村総合研究所が発表した、日本の社会がどの程度デジタル化しているのかを可視化するための指標、「デジタル・ケイパビリティ・インデックス(DCI)」によれば、都道府県別にみると令和二年一月の数字では、なんと宮城県が全国最下位、ワースト一位を記録していました。七月の調査では数値が上昇し、ワースト二位となりましたが、本県にとってデジタル化は厳しい現状であることをまず認識しなければなりません。DCI指標の構成要素は、ネット利用、デジタル公共サービス、コネクティビティ、人的資本などからなっているとのことです。県の政策推進にあたり、デジタル化推進の視点を少し取り入れるだけでも、DCI指標が大きく伸びる余地はあるのではないかと考えます。
また今年一月、三重県庁は県版デジタル庁「デジタル社会推進局」を設置し、常勤の部長級の最高デジタル責任者(CDO)を公募すると発表しました。地方行政においても、デジタル化をどう進めていくかということが今後ますます重要になってくるものと思います。
一方で、民間企業のDX化を進める専門家のお話によれば、「デジタルに強い人材はもちろん必要だが、既存業務の流れを熟知し、技術的な経験が豊富、社内の課題を理解し、同時に、現状を変えないといけないと思っている『アナログ人財』が重要」であるとのことです。この重要な「アナログ人財」は、デジタルには弱いベテランの方が多いそうですが、まずはこの「アナログ人財」からDXは始まるのだ、とのことであります。
九月の政府によるデジタル庁設置を踏まえ、宮城県としての対応をどのように考えるか見解をお伺いいたします。

(3)園芸産出額倍増の目標実現に向けては、「新しい価値」の明示やデジタル化との融合も重要であり、園芸サプライチェーンの構築への取組と併せ、具体的な施策はどうか。

次に、農業問題、とりわけ園芸作物の「新しい価値」についてお伺いいたします。過去に多くの議員が取り上げ、わが会派の村上智行会長も代表質問で取り上げておりますが、本県の農政発展のためには、コメはもちろん基幹産業として重要でありますが、収益性の高い園芸作物の生産拡大が今後は不可欠であると考えます。今後十年の指針となる「第三期みやぎ食と農の県民条例基本計画」では、現在の園芸産出額三百三十三億円を六百二十億円へ倍増させる、意欲的な目標を掲げており、たいへん期待をしているところでございます。
この目標の実現に向け、様々な取組が今後進められていくものと思いますが、やはりここでも園芸にとって「新しい価値」とは何か、先ほども指摘した「デジタル化」をどのように融合させていくかということも重要な課題であります。また、先日「園芸サプライチェーンの構築」との発言もありましたが、これは具体的にどのようなものなのか、また県として園芸産出額倍増を実現するための新しい価値について、新たなる具体的取組をお聞かせください。

(4)我が県は、来年2月に、県制150周年の節目を迎えるが、様々な記念行事のほか、観光振興も含めた地域活性化策を講じるべきと思うがどうか。

次に、宮城県成立百五十周年についておうかがいいたします。
「温故知新」といいますが、何事も原点に立ち返ると、新たな道が開けてくるものであります。来年、令和四年二月に、宮城県は成立百五十周年の節目を迎えるとのことであり、大きな節目の年となります。昭和四十七年の「宮城県制百年記念式典」においては、当時の皇太子殿下ご夫妻がご出席をされたとのことであり、来年は宮城県政にとって、大変重要な年であると感じます。
県民をあげて、宮城県の来し方に思いをはせ、歴史や文化を大切にしていきながら、来年は様々な形で周年事業を進め、観光振興も含めた地域活性化となる企画をどんどん進めるべきではないかと考えます。来年二月となると知事選も終わり、宮城県百五十周年の節目にどなたが県知事をなさっているかはわかりませんが、現時点での県としての見解をお伺いいたします。

(5)我が県は、スポーツと芸術文化のプロが身近に存在する恵まれた環境にあり、子ども達の健全な成長の促進に向け、スポーツ等に触れる機会を更に創出していくべきと思うがどうか。

最後に、青少年健全育成事業についておうかがいいたします。
本県は、政令指定都市仙台を抱えることもあり、プロ野球楽天やサッカーJ1ベガルタなどスポーツチームの活躍が顕著であり、また仙台フィルハーモニー管弦楽団をはじめとする芸術文化団体も活発に活動しており、スポーツと芸術文化のプロフェッショナルが身近に存在するという貴重な資源を持っております。
これは宮城の子供たちにとっては、大きな財産であり、こうしたスポーツや芸術文化を育んできた先輩方のご努力に心より感謝しながら、この財産を守り、育てていかなければならないと強く思うところであります。子供たちはこのような環境において、将来プロ野球選手になりたいとの夢を持ったり、将来フルートのきれいな音を奏でたいと目標を持つでしょうし、子供たちが大きくなって大人になっても、スポーツを愛好しプロ野球を観戦したり、コンサートを聞きに行ったりすることでしょう。教育的に見れば、子供たちの自己肯定感を育む貴重な機会であり、宮城県として見れば、将来的な投資でもあると考えます。
既にいくつかの事業により子供たちに対して、こうしたスポーツや芸術文化の機会の提供はなされているものと思いますが、宮城の全ての子供たちがこうした貴重な機会に触れることができるよう、さらなる推進を図るべきと考えますが、県の見解をお伺いいたします。

東日本大震災から来週の三月十一日で十年という月日がたつことになります。「十年ひと昔」と言いますが、時のたつのは早いものでありまして、それぞれの地域で、それぞれの職場で、それぞれの学校で、世代が交代しているということも感じるところです。いまの宮城の小中学生の世代に震災の記憶はほとんどないそうでありますし、令和生まれの世代は、東日本大震災を歴史上の出来事と捉えることになるでしょう。
震災からの復興はまだまだ途上でありますが、今回の一般質問においては、あえて、震災復興にとらわれず、「宮城の次の十年」について、県としての考え方をお伺いしたところです。このコロナ禍の困難な時代のさなかではあるものの、次の十年、宮城県政発展の十年をみなさまとともにつくる決意をここに表明し、私の一般質問を終えたいと思います。
ご清聴いただきましてありがとうございました。

【渡辺勝幸一般質問】【大綱1】地方自治と国の制度の在り方について【第377回宮城県議会】⇒ https://katsuyuki.jp/2021/03/03/
【渡辺勝幸一般質問】【大綱2】「社会全体で支える宮城の子ども・子育て」について【第377回宮城県議会】⇒ https://katsuyuki.jp/2021/03/04/

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【渡辺勝幸一般質問要旨】
【大綱1】地方自治と国の制度の在り方について以下4点について知事及び教育長の所見を伺いたい。
(1)国の一律の制度により、地方の政策的自由度を縛る事例も見られるが、廃止すべき制度とその理由はどうか。また、地方と国の政策の在り方について、齟齬や乖離があると思うがどうか。
(2)教育のICT環境の整備が急務となる中、国の支援を活用した継続的な取組が必要と思うが、県内市町村の状況はどうか。
(3)公立小中学校の学校図書館は、国が蔵書数の基準を定め、図書購入費として地方交付税措置がなされているが、この図書標準の達成割合について、新聞配備と併せ、現状はどうか。
(4)新生児聴覚検査事業は、三位一体改革で国庫補助が廃止され、地方交付税措置に移行したが、数年前は公費負担を行う市町村が皆無であった。市町村の現況と県の対応はどうか。

【大綱2】「社会全体で支える宮城の子ども・子育て」について以下6点について知事の所見を伺いたい。
(1)「新・宮城の将来ビジョン」において、政策推進の基本方向として、子育て支援を新たに柱立てするに至った考え方や、子育て政策の具体的な在り方はどうか。
(2)私立幼稚園教員の処遇については、これまでも一定程度の改善が図られてきたが、人材確保の観点から、認定こども園と同程度の処遇となるよう更なる改善が必要と思うがどうか。
(3)心身障害児の増加により、幼児教育現場からは、特別支援教育に当たる教員の不足への対応や、研修の充実が課題との声が聞かれるが、現状と今後の方向性はどうか。
(4)幼児教育の現場においても、新型コロナウイルス感染症への長期的な対応が求められており、行政による継続的な支援が必要と思うがどうか。
(5)障害児も安心して遊ぶことのできるインクルーシブ公園の設置は、共生社会の実現に資する政策の一つであり、既存遊具の更新等での対応が可能であるが、その対応についてどうか。
(6)自転車安全利用条例が4月から施行されるが、ヘルメット着用の現状と今後の方向性はどうか。また、高校生のヘルメット着用を一層促進する必要があると思うがどうか。

【大綱3】富県躍進に必要な「新しい価値」について以下5点について知事の所見を伺いたい。
(1)少子化の進行や復興需要の減少を含む経済の縮小が見通される中、新・将来ビジョンに掲げる「新しい価値」創出の実現が重要だ。宮城ならではの新しい価値について見解はどうか。
(2)政策展開にデジタル化推進の視点を取り入れることで、我が県のデジタル化は大きく伸びる余地があると思うが、庁内外の人財活用を含め、デジタル庁設置を踏まえた対応はどうか。
(3)園芸産出額倍増の目標実現に向けては、「新しい価値」の明示やデジタル化との融合も重要であり、園芸サプライチェーンの構築への取組と併せ、具体的な施策はどうか。
(4)我が県は、来年2月に、県制150周年の節目を迎えるが、様々な記念行事のほか、観光振興も含めた地域活性化策を講じるべきと思うがどうか。
(5)我が県は、スポーツと芸術文化のプロが身近に存在する恵まれた環境にあり、子ども達の健全な成長の促進に向け、スポーツ等に触れる機会を更に創出していくべきと思うがどうか。
【一般質問要旨ここまで】───────────────────────────

質問内容についてのご感想、ご意見、ご質問などいただければありがたく存じます。
すべてにお返事はできませんが、今後の活動に役立ててまいります。

「渡辺勝幸 宮城県議会県政活動報告」(ブログ)⇒ http://cuccanet.blog72.fc2.com/blog-category-42.html

(第3825号 令和3年3月5日(金)発行)