令和2年10月 環境福祉委員会会議録(第375回定例会)会議日時  令和2年10月13日(火曜日)

【令和21013日(火曜日) 9月定例会中】

審議事項等

議案審査

(当初提出議案)

●議第 142号議案 地域医療再生臨時特例基金条例の一部を改正する条例

●議第 143号議案 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行条例の一部を改正する条例

参考人意見聴取

資源エネルギー庁

 原子力政策課長 松野 大輔 氏

 原子力立地政策室 企画官 森 大輔 氏

内閣府

 政策統括官(原子力防災担当)付参事官(地域防災担当) 坂内 俊洋 氏

 政策統括官(原子力防災担当)付 参事官(地域防災担当)付地域原子力防災推進官 橋場 芳文 氏

請願審査

●請願番号375の1 「原発ゼロ」の希望ある未来のため、女川原発の再稼働をしないように求めることについて

●請願番号375の3 精神障がい者に対し公共交通運賃割引制度の適用を求めることについて

●請願番号375の4 東北電力株式会社女川原子力発電所2号機の再稼働にかかる早期理解表明に関することについて

陳情送付

●陳情番号375の6 東北電力株式会社女川原子力発電所2号機の再稼働に関する意見書を求めることについて

●陳情番号375の7 東北電力株式会社女川原子力発電所2号機の早期再稼働について宮城県議会として決議を行うことについて

●陳情番号375の9 東北電力株式会社女川原子力発電所2号機の再稼働について宮城県議会として決議を行うことについて

●陳情番号375の10 新型コロナ用ワクチンの危険性と無効果についてご理解の共有と善処することについて

●陳情番号375の11 新型コロナの検査で行われているPCR検査をより適切な抗原検査に切り替えていくことについて

執行部報告事項

(環境生活部)(8件)

●山元沿岸地域風力発電導入事業の中止について

●宮城県自動車交通環境負荷低減計画(第3期)骨子案について

●令和元年度「食の安全安心の確保に関する基本的な計画(第3期)」に基づく施策の実施状況について

食の安全安心の確保に関する基本的な計画(第4期)案について

●令和元年東日本台風に係る災害廃棄物処理の状況について

●宮城県消費者施策推進基本計画(第4期・中間案)及び宮城県消費者教育推進計画(第2期・中間案)について

●宮城県文化芸術振興ビジョン(第3期・中間案)について

●令和2年度宮城県における男女共同参画の現状及び施策に関する年次報告の概要について

(保健福祉部)(4件)

●みやぎ新型コロナ人権相談ダイヤルの開設について

●有料老人ホームに対する行政処分について

●子どもの貧困対策について

●宮城県国民健康保険運営方針の改定について

継続審査・事件調査

令和 2年 10月 環境福祉委員会(第375回)

環境福祉委員会会議録(第375回定例会)

会議日時  令和2年10月13日(火曜日)

  開会  午前10時

  閉会  午後2時52分

会議場所  第2委員会室

会議録署名委員  金田もとる君 熊谷義彦君

委員の出欠

  出席

委員長 渡辺勝幸君 副委員長 遠藤伸幸君 委員    佐々木功悦君 金田もとる君 熊谷義彦君 吉川寛康君 渡邉重益君 高橋伸二君 中山耕一君 安藤俊威君

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付議事件

  議案審査

  請願審査

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《会議の概要》

△開会(午前10時) 

○渡辺勝幸委員長 

 ただいまから、環境福祉委員会を開会いたします。

 会議録署名委員の指名を行います。

 会議録署名委員に金田もとる委員と熊谷義彦委員を指名いたします。

 次に、審査日程について、お諮りいたします。

 お手元に配布の審査日程案に基づき、審査を進めてまいりたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

 それでは、この日程により進めることといたします。

 なお、審査の進行状況によりましては、日程を変更して進めてまいりたいと思いますので、あらかじめ御了承願います。

 議事に入ります。

 本委員会に付託されました関係議案の審査を行います。

 関係議案は、お手元に配布の付託目次のとおりであります。

 これより、保健福祉部関係の議案の審査を行います。

 保健福祉部長の説明を求めます。

【以下省略、保健福祉部関係の議案審査。詳細は、宮城県議会ホームページをご覧ください。】

○渡辺勝幸委員長 

 その他を終了いたします。

 関係者入替えのため、暫時休憩いたします。

△休憩(午前10時51分) 

△再開(午前11時) 

○渡辺勝幸委員長 

 環境福祉委員会を再開いたします。

 これより、参考人意見聴取を行います。

 本日は、資源エネルギー庁から、原子力政策課長、松野大輔様、原子力立地政策室企画官、森大輔様、内閣府から、政策統括官(原子力防災担当)付参事官(地域防災担当)、坂内俊洋様、政策統括官(原子力防災担当)付参事官(地域防災担当)付地域原子力防災推進官、橋場芳文様においでいただいております。

 本日は、私どもの急遽の依頼をお引き受けいただきまして、またお忙しいところ当委員会に御出席をいただきまして、心より感謝を申し上げます。

 遠藤伸幸副委員長から、当委員会の委員を紹介いたします。

◆遠藤伸幸副委員長 

 それでは、私のほうから当委員会の委員を御紹介いたします。

 ただいま御挨拶を申し上げました、渡辺勝幸委員長でございます。

 そのお隣、安藤俊威委員でございます。委員長職務代行者です。

 中山耕一委員です。高橋伸二委員です。渡邉重益委員です。吉川寛康委員でございます。こちら側に移りまして、熊谷義彦委員でございます。金田もとる委員でございます。 佐々木功悦委員でございます。副委員長の遠藤伸幸でございます。今日はどうぞよろしくお願いいたします。

○渡辺勝幸委員長 

 本日は、各委員からの質疑にお答えいただきたいと思います。

 時間の目安といたしましては、正午までに終了したいと思っております。よろしくお願いいたします。

 なお、質疑にお答えいただく際は挙手をお願いいたします。そうしましたら、私が指名いたしますので、御着席されたまま御発言願います。

 委員の皆様に申し上げます。

 参考人への質疑に当たりましては、委員間の質疑時間の公平性に、より御配慮いただきますようお願いいたします。

 なお、執行部への質疑はできませんので、御承知おきください。

 それでは、委員の皆様からの質疑を求めます。

◆中山耕一委員 

 議員全員協議会でも質疑に立たせていただきまして、お伺いしました。今日は大きく2点について改めて伺い、確認をさせていただきたいと思います。

 まず、2030年の政策目的であります電源構成の目標です。再生可能エネルギーが22%から24%、原子力が20%から22%、そして化石燃料は56%というふうなことであります。

 振り返りますと、東日本大震災が起きて、原子力発電所の稼働停止があったわけであります。その後、化石燃料を増やして対処してきたという、エネルギーの対処がありました。今は技術的に進化しているので、石炭をたいてもCO2を抑制するといった技術もあるようですけれども、化石燃料については大体100%に近いぐらい、90%台後半ぐらいで依存しているわけであります。一方で、再生可能エネルギーについては、水力は安定供給が期待できるんですけれども、それ以外は安定供給はなかなか困難であるというふうな課題もあります。

 そういった中で、2030年度の電源構成のパーセンテージに向かっていく必要性がありますけれども、どういったことを解決するために、その目標に向かっていくのか。

 それから、原子力については20%から22%という目標を掲げておりますが、現在のところ、6%程度の比率になっております。女川原発の第2原子炉について見ますと、安全対策についてはどんどん加えられまして、6年以上かかっているわけです、許可するまでに。そういったことも鑑みますと、現在の原子力の割合を20%から22%までに上げることについても、いささか疑問を感じるところであります。

 総じて、どんなことを解決し、どんな課題があるのかを御披瀝いただきたいと思います。

◎松野大輔参考人 

 来年3月11日で福島事故から10年になりますけれども、まず、福島事故の反省をしっかりするとともに、それを胸に刻みながらエネルギー政策を考えていかなくてはいけないという気持ちでやってございます。したがいまして、福島県の復興を第一に政府としてもやってございます。

 その上で、エネルギー政策をゼロベースで見直して、現在のエネルギー基本計画をつくってございますけれども、委員の御指摘のとおり、まず我々は、3E+Sと言っておりますけれども、エネルギー安定供給、経済の効率性、そして環境、いわゆる地球温暖化でございます。こういったところを具体的な目標として設定をいたしまして、エネルギー政策を考えてございます。

 まず、エネルギー安定供給につきましては、エネルギーの自給率が非常に今、低くなって10%強ということでございますけれども、これを何とか20%に持っていきたい。

 経済の効率性という観点からは、やはり電力コストを今よりも引き下げていこうといったことでございます。現在、震災前に比べまして電気料金のレベルが2割強も上がってございますので、これを何とか引き下げていく方向に持っていきたい。

 そして地球温暖化でございます。これはパリ協定が締結されてございますけれども、我が国は2030年度に向けて、2013年比で26%の削減目標を国際目標として掲げてございます。

 こういった目標を、S、すなわち安全性を大前提にしながら、いかに達成をしていくのか、それを具体的に達成していくための絵姿として、2030年のエネルギーミックスを設定しているということでございます。したがいまして、我々としては、3つのEの目標を政策目標として設定してございます。こういうことを解決したいという思いの下、将来のエネルギー供給を考えていったということでございます。

 そういった中で、原子力については20%から22%程度の実現を目指して今、取り組んでいるところでございます。御案内のとおり、現在、再稼働をしたものが全国で9基で、これで6%程度ということになってございます。ここから2030年度までに20%を目指してやっていきたいと思っておるわけでございますが、いろんな課題ございます。

 やはり第一は安全対策でございます。安全対策につきましては一つたりとも手を抜いてやってはいけませんので、原子力規制委員会による厳正な審査に対応しながら、徹底的にやっていくということでございます。当然、審査には時間がかかりますし、女川原発についてもかなり時間がかかりましたけれども、これから2030年まで残り10年ほどですので、何とかスピードアップしていかなければいけないということで、もちろん電力事業者相互間でのいろんな知見ですとかお互いの経験の共有をしていただきながらやっていただくとか。例えば東北電力の中でも、サイトは違っていても女川原発の経験を次につなげるといったこと。いろんな経験の蓄積をどう共有するかといったことを、しっかりやっていかなければいけないと思っております。

 もちろん、内閣府もおられますけれども、防災避難は住民の皆様の暮らしを守るという観点からも、しっかりとやっていかなければいけません。どんどん時間が迫ってきておりますので、スピードアップをしていかなければいけませんけれども、学習効果といったものを大切にしながら取り組んでいくことが大事かなというふうに思ってございます。

◆中山耕一委員 

 安全性も本当に重要な課題でありますが、3Eのうち、企業も含めて一般の方々は、やはり安定供給と低廉な供給が重大な関心事なんですね。近年まで、電気料金は20%以上上昇しているわけであります。それを抑えていく、下げていくことについても、我々にとっては重大な関心事なんであります。

 そういったことを実現していくための方策について、具体的な説明をいただけますか。

◎松野大輔参考人 

 今、データを持ち合わせておりませんが、8割を超えるシェアを火力発電のほうに依存している状況でございます。委員の御指摘のとおり、石炭、天然ガス等いろいろございますけれども、燃料をたいて発電して電力の供給を行っていることになってございます。

 そうしますと当然、燃料価格に大きく左右されながら皆様へ電気の供給をやっていくということで、ボラティリティーという意味からも、皆様に非常に御負担をおかけしているんだろうと思っておりますし、やっぱり国富がどんどん流出していくことは、国全体として見ても非常に大きな問題であろうということでございます。

 したがいまして、当然、安全が大前提でございますけれども、原子力の再稼働を進めていきまして、こういった経済の問題につきましてもしっかり対応していく必要があろうというふうに考えているところでございます。

◆佐々木功悦委員 

 8月から実施された県主催の住民説明会で、住民の方々からたくさんのいろんな質問が出されました。その中で特にお聞き申し上げたいのは、もし事故が起こったら誰が責任を取るのか。そして、その補償は誰が行うのか。まさに素朴な質問でしたけれども、一番重みのある重要な視点だと思います。むしろそれについては、きちっとやっぱり明文化して、どう対応するかということをはっきり国民に示す必要があるのでないのかなというふうに思いますので、それについてのお考えをお聞きしたいと思います。

◎松野大輔参考人 

 もちろん事故を起こさないように最善の安全対策、そして万が一事故が起きた場合の備えをしっかりするということが大前提でございます。

 その上で、本当に事故が起きたらどうなるんだと。こういう御質問を説明会の中で確かに頂戴いたしました。事故が起きた場合の備え、対応につきましては、原子力損害の賠償に関する法律、原子力損害賠償・廃炉等支援機構法といった関係法令を政府として整備をしてございまして、こういった関係法令に基づきまして、しっかりと国としての責任ある対応を取っていく必要があろうと思っています。

 賠償、そして事故終息に向けた対応は事業者としてやっていただくべきことが当然あるわけでございますけれども、事業者は事業者として、国は国としてしっかりと責任を果たしていきたいというふうに考えてございます。

◆佐々木功悦委員 

 責任を果たすのは当然だとは思いますけれども、やっぱり実際に避難して、今まで住んでいたところに住めない人たちが出たときに、その方々に対する生活の補償はどうするのかと。そしてまた、福島県を見ても分かるとおり、もう帰れない土地を生んでしまったことに対する損害補償といったものをあらかじめしっかりと明文化しておく必要があるんじゃないかなというふうに思います。

 ですから、今お話しの法律は法律として、実際に福島県で裁判を含めていろんな問題が起きています。宮城県でも、損害賠償についての請求などをして、なかなか実態に合った回答が来ていないという問題等があります。そういった、これまでの福島県の経験を踏まえて、この点に対する責任と賠償、誰が補償を行うのかということについて、もっと明確にやる必要があると私は思いますが、いかがでしょうか。

◎松野大輔参考人 

 御指摘のとおり、福島第一原発事故の経験も踏まえまして、十分だったのかということを反省しながら、次への備えをしっかりしなければいけないと思っております。

 たしか2年前だと思いますけれども、原子力損害の賠償に関する法律、いわゆる原賠法の改正を政府として行いました。例えば、迅速に賠償金のお支払いをしなければいけない、賠償に対応しなければいけないということで仮払いという制度を導入いたしました。あとは、事業者のほうで実際に賠償を行う際に、いろんな事前の準備をしていただくための実施方針といったものを示していただくなど、所要の改正を行ったところでございます。当然、これだけで十分なのかということを常に考えながら進んでいかなければいけないと思っておりますけれども、政府として引き続き必要な対応を取ってまいりたいと思っているところでございます。

◆佐々木功悦委員 

 今、世界各国で、断熱技術の活用、あるいは再生可能エネルギーの開発が進められております。それが地球温暖化対策の要なんだろうと私は思っています。日本でも近年、エネルギー政策の分野で、電気事業の自由化あるいはFIT制度の導入による再生可能エネルギーの開発が進められておりますけれども、コロナ禍の下で、世界各国では経済再生に向けて気候危機打開策を生かす、いわゆるグリーンリカバリーの動きが始まっているというふうに思います。ところが、日本政府は原発に固執しているふうに見受けられまして、電気が十分で、再生可能エネルギーが年々普及している中で、例えば九州電力管内などでは、再生可能エネルギー発電所に接続抑制をかけるようになっている現実があります。ある意味では原発が再生可能エネルギーの妨げになっているのでないかという議論がございます。

 加えて今年から、もともとの電力会社に有利な新電力市場の創設が始まったというふうに私は思っています。9月に公表された容量市場の落札結果は異常に高く、このままでは再生可能エネルギー、いわゆる新電力が大きな打撃を受けて、地球温暖化対策も損なわれてしまうのでないかと私は危惧をしております。

 この地球温暖化対策は、ここ数年の取組が決定的に重要であるということは言うまでもありません。この状況下で女川原発の再稼働を推し進めることは、気候危機を深刻にする方向に逆にアクセルを踏み込んでしまっているのでないかというふうにも思いますが、この点に対してはいかがでしょうか。

◎松野大輔参考人 

 まず、先ほど最初に御質疑いただきまして申し上げましたけれども、我々はエネルギー政策を進めるに当たって、当然、御指摘の気候変動は非常に重要な問題というふうに捉えてございます。昨今、世界的にも日本の国内でも非常に意識が高まっている、かつ、気候の変化、例えば集中豪雨であるとかいろんな状況が起こっておりますので、気候変動の対応も待ったなしだと思ってございます。

 この気候変動の問題への対応に加えまして、当然のことながら経済の問題、そして何よりもやはりエネルギーの安定供給が大事であろうと思ってございます。2年前になりますけれども、北海道でブラックアウトといった事態が起きましたし、昨年ですと千葉県のほうで停電が起きたり、各地でいろんな自然災害による電力の安定供給が非常に問題になっていると認識してございまして、電力の安定供給も非常に大きな課題であろうと思ってございます。

 したがいまして、私どもといたしましては、気候変動、経済の問題、安定供給の、最初に申し上げました3Eをやっぱり同時に実現していく、追求していくことが大事であろうというふうに思ってございます。それをどう実現するか、実現できるバランスのよいエネルギー供給の在り方を追求していかなければいけないと考えております。

 その上で、御指摘いただきました省エネでありますとか再エネにつきましても、政府といたしましては一所懸命やってございます。省エネにつきましては、徹底した省エネを行うということで、2030年度のエネルギーミックスに当たっても非常に野心的な省エネ目標を掲げて、現在取組を進めております。再エネにつきましても、最大限導入を加速するということで取り組んでいるところでございまして、FIT制度をはじめ所要の改正を行いつつ、御指摘のあったネットワークの問題につきましても順次対応をしていっているところでございます。

 ただし、やはり安定供給を損なってはいけないということでございますので、先ほど申し上げたように、3Eという観点を同時に達成しながら、バランスよく各種の電源を導入していく、進めていくといった方針でやっているということでございます。

◆佐々木功悦委員 

 いずれにしても、この再生可能エネルギー、新電力が後退することのないように、しっかりその辺のところは担保してほしいなというふうに思います。

 最後に1つだけお聞きします。40年の運転期間、それがもう最近では60年運転が当たり前のような風潮があります。ところが、60年運転にも首をかしげるような状況にもかかわらず、80年運転という話も出てきているということで、異常な事態だなと思わざるを得ないわけであります。女川原発の運転期間を20年延長して60年運転を想定していることは電力会社のほうから漏れ伝わってきているところなんですが、例えば一般社団法人日本原子力産業協会なんかは、更に80年運転を目指すキャンペーンまで始めているという異常な状況なんですね。

 再稼働を容認することは、まさに老朽原発の酷使に道を開くことになるわけであります。このような現状をどう国として考えておられるか、お聞かせいただきたいと思います。

◎松野大輔参考人 

 政府としましては、運転期間は核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律、いわゆる原子炉等規制法にのっとって対応していくということに尽きると思ってございます。御案内のとおり、40年運転し、1回に限り20年間の延長、これは原子力規制委員会の審査を経た上で認められた場合に延長できるという制度になってございます。これにのっとって対応していくことだろうと思ってございます。

◆吉川寛康委員 

 先ほど御回答の中でも触れられていましたとおり、昨今の日本に限らず世界全体の異常気象、気候変動に日本としてもどう対応していくのか。こういった背景がまずあった上で、島国日本という制約的な欠点というんでしょうか、そういった特徴を持った中で、いかに電力を安価で安定的に供給していくかは本当に重要な課題だというふうに受け止めております。

 前回の議員全員協議会の中でも、いろいろと方向性でありますとか国としての方針でありますとか、そういった話をお伺いさせていただきました。

 今回、宮城県の9月定例会の中で、女川原子力発電所2号機の再稼働を求める請願、そしてまた、再稼働をするなという、いわゆる反対の立場の請願の双方が出ておりますし、同類の陳情なども多く寄せられておりまして、今、非常に大きな関心事になっております。

 今日は経済性のところだけお伺いいたします。前回の議員全員協議会の中でも資源エネルギー庁のほうから御説明いただいた、国で示されている発電コスト。原子力発電所は1キロワットアワー当たり10.1円、自然エネルギー、例えば太陽光であれば、住宅用で29.4円等々、燃料種別ごとの単価なども示していただいたとおりでございます。

 今回、請願の中でも、原子力発電所が福島事故以来、その単価が上がっているので、もはやその優位性がないといった趣旨の記述も目につくところです。原子力発電は国策で進めてきた特殊性もありますので、本来持つ発電原価に、今回の新規制基準の対応にのっとって対応した、いわゆる追加工事も含まれておりますし、また、核燃料サイクルの費用も当然入った上での単価になっています。それに加えて、電源立地地域対策交付金などの、いわゆる国の政策的なところの費用でありますとか、当然のことながら9年前の福島第一原発事故の費用も全部盛り込んだものが、今回示されている発電原価というふうに認識しております。

 水力よりも、その優位性はもうないんだといった指摘があるんですけれども、そういうことは事実としておありなのかどうか。その1点だけお伺いさせていただきたい。

◎松野大輔参考人 

 御指摘のとおり、発電コスト検証というのをエネルギーミックス策定時にやってございます。ここで有識者の方々に御議論いただきまして、現在の、原子力でいえば10.1円以上ということでございます。委員の御指摘のとおり、安全対策工事費、核燃料サイクルの関連費用、電源立地地域対策交付金、研究開発なども含めて、政府関係の予算、そして福島事故に対応する予算等々、原子力に関する一切の費用を盛り込んで試算してございます。

 まず、この計算の仕方は、OECDなんかでも活用されております国際的なやり方でございます。そういった中で10.1円という結果が出ているわけでございますが、当時盛り込んでいなかったものが当然ございますので、10.1円よりも増えている部分もあると思ってございます。

 こういったものを見込んでも、なおまだ低廉だと我々は考えてございますが、水力のほうの数字は、その後の費用の増分があるのかないのかも含めて、ちょっと今、申し訳ありませんが、私は承知してございません。

 いずれにしても、各電源間の比較において、原子力がいろんなものの増を見込みましても、低廉な位置づけであるという、その性格そのものについては変わってはいないのではないかと考えてございます。

◆金田もとる委員 

 今の吉川委員とのやり取りに関連して、事故対応費用等を加えても、現時点でも原子力発電のエネルギーのほうが低廉という認識だとおっしゃられていましたけれども、2018年9月12日付の資源エネルギー庁のコストダウンの加速化という文書がございます。これでいくと、2017年上半期の世界発電コストで、太陽光発電が9.1円、洋上風力発電が13.6円、陸上風力発電が7.4円程度と。そして、日本が2030年に目指すべきコスト水準については、太陽光発電で事業用が7円、住宅用ができるだけ早期に11円、風力発電は8円から9円、更に太陽光発電は3年ないし5年目標の前倒しを検討すると。資源エネルギー庁がこのように記述されております。

 少なくとも、原子力発電の10.1円はその後に上がっているとそちらもお認めになっているわけですから、この文書との整合性を考えると、今も原発のコストが低いというふうには言えないんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。

◎松野大輔参考人 

 御指摘になった太陽光の7円等々、御紹介いただいた数字は、7円にしていきたいという目標として掲げてございまして、御案内のとおり、現状は、残念ながら日本国内で導入されている再生可能エネルギー、太陽光をはじめ、風力等、再エネのコストというのはまだやっぱり高い状況にあると思っております。

 先ほどの御質問にございましたけれども、経済効率性を確保しながら、しっかりと再生可能エネルギーを持続的に導入を進めていくためにも、再エネのコストの低減というのは非常に重要な課題と考えております。そういった政策の中で、コストの低減目標ということで掲げた数字を御紹介いただいたということでございます。

 他方で、その現状を分析したときに、どういうコストになっているのかは、目標の議論とは少し別の検証が必要だろうと思っております。発電コスト検証でやったことは、目標の議論というよりは現状のコストの検証を行ったということだと認識してございます。

◆金田もとる委員 

 いずれにしましても、10.1円は2015年5月当時のままです。これはぜひ新しい数値をきちっと示して議論をさせていただければと思います。

 もう一点。今回、定例会の中で代表質問、一般質問、そして議員全員協議会の議論でも、再稼働を推進・容認する方々にとっても、原発の安全性が大前提であるということと、広域避難計画を実効性のあるものとしていくことが大前提だと強調されています。本日は、安全性審査、新規制基準に関わる原子力規制庁からの参加がないので、大変つらいところなんですけれども、内閣府の原子力防災担当の方に、地域防災計画、避難計画の関係でお聞きいたします。

 国による自治体支援の具体的内容として、計画策定の当初から政府がきめ細かく関与して、地域が抱える課題を共に解決する。国が前面に立って自治体をしっかりと支援すると明記されております。

 そこで、6月17日に改定された今回の緊急時対応の新型コロナウイルス感染症との関係で、例えばPAZ内及びその周辺の放射線防護対策施設7か所で最大約800人収容可能というふうになっておりますけれども、感染症流行下での当施設の収容可能人数は何人になっているんでしょうか。

 感染症流行下での避難所運営に関わってもう一点伺いたいのは、UPZ圏内住民の一時移転について、避難対象者は全体で19万5457人です。避難先の受入れ可能人数は、平時では26万5106人。これが感染症流行下での受入れ可能人数は何人となっているのか。これをどのように把握されていますでしょうか。

 過日の富谷市の市議会では、石巻市から2,620人を受け入れる計画について、感染症流行下では、平時の3割から4割程度の受入れとなると、当局は答弁しています。

 内閣府として、全体の受入れ可能人数の再把握を行っていますでしょうか。この点についてお答えください。

◎坂内俊洋参考人 

 御指摘いただきました避難民の受入れの数でございます。私どもも新型コロナウイルス感染症対策との両立が非常に重要な課題と受け止めておりまして、今年の6月2日には、内閣府といたしまして、原子力災害時の避難対応と新型コロナウイルス感染症拡大期における感染症防止対策の両立についての基本的考え方をまとめさせていただいております。

 まさにこの10月、11月は、関係自治体のほうで原子力防災に関する訓練が行われておりまして、宮城県におきましても先般、小泉大臣のほうから表明させていただいたとおり、今年度内に国とともに防災訓練をさせていただくことになっております。

 この基本的考え方に基づきまして、避難所の運営、感染の疑いのある方とそうでない方の動線を分ける、あるいはバスの移動中も3密を避けながら、不要な感染を招かないように対応していくとまとめさせていただいたところでございます。

 もともと、避難所の取扱いにつきましては、おおむね2平米から4平米を1人当たりの面積として考えておりまして、特に3密を避ける上では4平米程度が必要なのではないかと。更に、動線を分けたりということで、より余裕が必要であるというところは私どもも認識しておりまして、今、関係自治体のほうで開催されている訓練ではそうした対応を試しに取っていただいて、その検証結果を随時お聞きしている状況でございます。

 現時点においては、感染症対応として3密を避けるために、当初予定していた収容人数以上の面積が見込まれることは推測されるんですが、10月、11月、特に福井県などでは8月に既に感染症対応を想定した避難所運営についての訓練をされております。今後の訓練、あるいはほかの地域の結果を捉えて、避難所運営にしっかりと適用させていきたいと考えております。

◆金田もとる委員 

 感染症流行下での対応として、見直し、再把握が求められている事項はやっぱりほかにもあると。UPZ圏内の医療機関や社会福祉施設の入所者の受入れ先、マッチングも見直されてしかるべき中身だと思いますし、今おっしゃられたように、バス1台当たりの輸送能力自体も見直ししなければならないと思います。

 6月17日に改定した5日後に、国の原子力防災会議に報告されて、具体的かつ合理的であるということが確認されたわけですけれども、感染症対策のこういったところも踏まえた中身として、原子力防災会議に報告されていたのでしょうか。その上で、具体的かつ合理的であることが確認されたのでしょうか。大いに疑問です。

◎坂内俊洋参考人 

 御指摘の6月22日の原子力防災会議では、6月17日の地域原子力防災協議会のほうで決定されたものと同じものをお諮りさせていただいたわけでございます。その中には、先ほどの答弁で申し上げた、6月2日にお示しさせていただいた感染症防止対策と原子力災害の避難時の対応を両立するための基本的考え方を盛り込んだ形となっております。

 当然、新型コロナウイルス感染症対応というのはオンゴーイングの話でございまして、日々新たな知見が得られている状況であると。あと、先ほど申し上げたとおり、各自治体のほうで、まさにこの10月、11月に感染症対応も念頭に置いた訓練がされていると。これらの教訓をしっかり踏まえて、特に地域原子力防災協議会の場には厚生労働省のメンバーもおります。原子力規制委員会、原子力災害からの安全を確保する政府の責任者と、感染症対応の責任者、厚生労働省と原子力規制庁といった方々と今後も継続して、避難対応と感染症対応の両立をより確かなものとしていくことが我々に課された現時点での課題であるというふうに考えております。

◆高橋伸二委員 

 今日はわざわざおいでいただきまして、本当にありがとうございます。

 御案内のとおり、賛成の請願と、それから反対の請願が提出されておりましたけれども、その中で指摘されている点がございます。今までの議論の中でも何点か確認をされていましたけれども、まず、東北電力管内では大震災以降、原発が稼働していない。稼働していないにもかかわらず、電力に困っていない。電気は十分に供給されている。よって、原子力発電は必要ないというような指摘がなされております。

 私は、既に老朽化した火力発電所を稼働させて、だましだまし使いつつ、ぎりぎりのところで電力供給を行っているんだというふうなお話を伺っていたりしますが、電気は十分だという指摘についてはどのような御見解をお持ちか、伺いたいと思います。

◎松野大輔参考人 

 御指摘のとおり、電力は震災後、原子力がない中でも停電がないように供給をされているということでございますけれども、当然のことながら、原子力に代わる発電、再生可能エネルギーも導入されてございますけれども、大部分は火力発電のほうで供給をしていると。こういった中で、東北電力のほうで電力を供給し、つないでいらっしゃるということだと思ってございます。

 足元の電力供給が滞っているわけではありませんけれども、エネルギーの安定供給、安全保障、自給率を含めたこととか、電気料金の低廉な安定供給というところがなかなかしんどくなっている状況があります。これを何とか解決していく、非常に大きな課題があるというふうに認識してございます。

◆高橋伸二委員 

 その課題を解決していく上においては、現時点では原子力発電所を動かすよりほかに方法はないという考え方だということでよろしいでしょうか。

◎松野大輔参考人 

 低廉で安定的な電力供給、そして気候変動も含めて対応していこうと思ったときに、やはり原子力発電は欠かせないと、政府として考えているということでございます。

◆高橋伸二委員 

 もう一点、先ほども議論がございました省エネルギーや断熱技術の活用、再生可能エネルギーの推進、更には廃炉作業も指摘されておりますけれども、この分野で産業を興して雇用を増やす、未来の希望を開く道に踏み込むべきだという指摘もございます。

 現時点で、原子力発電をやめて、それに代わり得る再生可能エネルギーの状況がどのような見通しに立っているのか。あるいは、断熱技術と再生可能エネルギーをもって原子力発電部分をカバーできるのかといった疑問があるんです。更には、それで雇用をどれだけ生めるのかといったような疑問点を私も抱えています。そのような点についてはどのようにお答えいただくことになるんでしょうか。

◎松野大輔参考人 

 当然のことながら、省エネも再エネも最大限の導入加速を政府としてしっかりやっていくということでございますけれども、やはりそこにも一定程度、限界があると考えてございまして、やはり原子力発電なくして3Eを同時に達成しながら、バランスよくエネルギーの安定供給を続けていくことは難しいとういうふうに考えてございます。例えば省エネでありますと、2030年のエネルギーミックスの中では、オイルショック以後の日本が経験しましたエネルギー効率の改善と同程度の省エネをやるんだという目標を掲げていたりします。これには当然、御指摘のあった断熱対策なんかも含めてでございますけれども、それぐらいやっていくと。

 再エネにつきましても、先ほども御指摘がありましたが、様々な制度改革も含めて、最大限の導入を進めてございます。当然、自然エネルギーは自然条件によって非常に大きな影響、制約を受ける現実もあると考えてございますので、やはり原子力発電の一定程度の活用は不可欠であるというふうに考えてございます。

 こういった中で、特に再エネにつきましては産業化をしなければいけないということで、これは再エネのコスト低下にとっても非常に大事なことだと思ってございます。産業化の中で雇用が生まれていく。そして、地域のエネルギーを考えたときに、分散型エネルギーという観点から再エネの導入加速なんかをやっていったらいいじゃないかという議論もございます。

 そういった観点から様々な対策を取っていこうとしていますけれども、原子力につきましても、御指摘のとおり廃炉という仕事がまだ、活用の後に残ってございます。こういったところも含めて、長期にわたる雇用が生まれてくるものと思いますし、逆に言いますと、安全で安定的に原子力発電を活用していく。そして、安全な中で廃炉を進めていく観点からも、そういう人材に残っていただかないと責任を持って進められないということがございますので、雇用も含めて非常に大事な課題だと認識してございます。

◆熊谷義彦委員 

 皆さんがこれまで住民説明会、あるいは宮城県議会の議員全員協議会で発言・答弁をなさったことに基づいて質問をしますので、よろしくお願いいたします。

 まず、第1点目。放射線被曝による死者は出なかったと、避難に伴い多くの犠牲者が出たとの発言があった、いわゆる福島事故の関係でね。しかしながら、いろんな記録には、避難命令が出たことによって、避難できたはずの方ができなかったと。放射線被曝ですよ。そういったことは一切認識がないんですか。

◎坂内俊洋参考人 

 福島第一原子力発電所事故では、多くの方に大変な健康的な被害を、これは主に避難によるものと考えておりますが、及ぼしたと。大変反省すべきことが多く、それに基づいて今般の避難計画を国を挙げて検討し、それを具現化していると認識してございます。

 御質問の放射線被曝による死者の話でございます。福島第一原子力発電所による放射線被曝による確定的な健康影響は認められていないと認識しております。

◆熊谷義彦委員 

 放射線被曝の確定的数値を出せと言っているんじゃなくて、消防団も含めて避難ができたはずの方が、避難できなかった。その方々が数多くいるというのが記録に残っている。津波と被曝、両方合わせて亡くなった方がいるということは御存じないんですか。

◎坂内俊洋参考人 

 避難できずに津波災害に巻き込まれて、福島県の中でお亡くなりになられた方については認識してございます。また、地震等による物理的な被害を受けた方もいらっしゃると認識してございますけれども、放射線被曝によって死に至ったというケースは認識しておりません。

◆熊谷義彦委員 

 現実には調査をされていないから数字が出てこないわけでして、これだけ言っていてもしようがないので次に移ります。

 40年で廃炉、延長20年、法的な根拠ですね。これについてお話し申し上げますが、女川原発2号機については残り10数年というふうに理解してよろしいですね。

◎松野大輔参考人 

 原子炉等規制法に基づいて40年の運転ということでございますので、その法令にのっとって決まっていくものと思います。

◆熊谷義彦委員 

 ですから、国のほうで今回再稼働を求めているのは、法令の40年の期間内での再稼働を求めているというふうに理解してよろしいですね。

◎松野大輔参考人 

 原子炉等規制法が40年の運転期間、そして、これは事業者の申請に基づきまして、原子力規制委員会の審査を受けた場合には、1回に限って20年間延長できるという制度になってございます。そういった期間の中で対応をされていくというふうに思います。

◆熊谷義彦委員 

 私が言っているのは、今は40年の法的根拠があるから、40年のうちの残り10年程度の再稼働を求めているんですねと言っているだけです。

◎松野大輔参考人 

 そういうことだと思います。

◆熊谷義彦委員 

 次に移ります。現時点で、女川原発に保管されている高レベル放射性廃棄物、高レベル排出液、使用済み核燃料、低レベル放射性廃棄物はどのように保管しろと言っているんですか。どのように、いつ搬出予定ですか。再稼働をすれば、更にこういったものが増えるというふうに理解をいたしますが、現状、どのような法的根拠に基づいて保管を命じていますか。

◎松野大輔参考人 

 使用済み燃料につきましても、原子炉等規制法に基づいて、当然、構内の燃料プールに貯蔵されていると認識してございます。これも関係法令にのっとって対処されていくべきものだろうというふうに考えてございます。

◆熊谷義彦委員 

 いつ搬出予定ですか。

◎松野大輔参考人 

 そこは事業者のほうで決めていただいていると思います。現在、私としては、搬出という議論につきましてはちょっと把握してございません。

◆熊谷義彦委員 

 今お話し申し上げた保管敷地というのは、女川原発であれば、東北電力の私有地であればどこでも可能ですか。

◎松野大輔参考人 

 私どもの所掌の範囲を超えるところもございますが、使用済み燃料の保管の方法も、繰り返しになりますけれども原子炉等規制法にのっとって対応されるということでございますので、それに尽きると思います。

◆熊谷義彦委員 

 私は、東北電力の敷地、私有地であればどこでも置けるんですかと聞いたんです。それには答えがない。

◎松野大輔参考人 

 どこでも置けるのかということについても、関係法令にのっとった方法で保管されると思っております。

◆熊谷義彦委員 

 原子炉建屋にひび割れが生じて補修したという説明がありましたが、原子炉周辺の機器、格納容器の被害状況はいつ、どのように確認をされましたか。東北電力は技術基準維持義務を持っているとの答弁で、適切にやっているかどうか検査の中で確認するとしていますが、言葉からはまだやっていないと理解をいたします。それでよろしいんですか。

◎松野大輔参考人 

 大変申し訳ありませんけれども原子力規制委員会のほうの所掌になりますので、資源エネルギー庁、内閣府のほうからはお答えを差し控えたいというふうに思います。

◆熊谷義彦委員 

 原子力規制庁が来られていないので極めて残念です。

 次に、科学的に分かっているものは全て対策を取っている、それでも追加的知見が生じる、速やかに対応するとしています。これは内閣府のほうにぜひ答えていただきたいんですが、コアキャッチャーを輸出のときに認めてきた。しかしながら、今回の原子力規制委員会では、コアキャッチャーを新規制基準の中に入れていない。多くの方々は、なぜコアキャッチャーを入れないんだと指摘をしてきたわけでありますが、なぜ入れないんですか。

◎坂内俊洋参考人 

 今の御質問について、先ほど松野課長からも申し上げたとおり、原子力の施設の基準は原子炉等規制法にのっとって、原子力規制委員会で定めるものでございます。コアキャッチャーの取扱いについては原子力規制委員会のほうに問い合わせるべきお話と認識しております。

◆熊谷義彦委員 

 避難道路についても、数多くの方々から、住民説明会等々でも質問があったわけであります。女川原発の1号機が稼働をした30年ほど前に、こうした課題があるにもかかわらず、政府、あるいはこれは私ども県のほうにも責任があるんだろうと思いますが、こうした状況を生み出してしまった。それについてはどのようなお考えをお持ちですか。

◎坂内俊洋参考人 

 福島第一原子力発電所の事故を我々も経験いたしまして、実際に円滑な避難がいかに重要であるかというのを政府として再認識したわけでございます。事故以前についても、一定の防災対策はなされてきていたという認識を持っておりますけれども、更にそれを円滑化して、住民の方々に適切な避難行動を取っていただくようにするということで、震災以降、県とも御相談しながら、適切な道路整備等、円滑な避難路の確保に努めてきているところでございます。

◆熊谷義彦委員 

 安全神話に頼り過ぎたがゆえに、結果として避難道路の計画についてやってこなかった国の責任があるということだけお話し申し上げておきます。

 次に、避難先自治体の備品確保に関して、避難元自治体から避難先自治体へ提供している交付金があるというふうに答弁をなさっています。これはどういう交付金で、例えば私は栗原市というところに住んでいますが、避難元は女川町です。栗原市が女川町から頂きなさいという中身の発言ですか。

◎坂内俊洋参考人 

 これは前回の議員全員協議会の場で御説明させていただいた話でございます。若干舌足らずなところがあったかもしれません。私が説明申し上げた趣旨は、広域避難で避難元と避難先の自治体が異なる場合、基本的には避難元に対する交付金が出るわけですけれども、避難先において避難受入れのために必要な費用は、避難元に出させていただいた交付金で整備すると。それで賄っていただくということでございます。

◆熊谷義彦委員 

 それはいつの通達で各市町村に出されていますか。

◎坂内俊洋参考人 

 手続的なところはちょっと手元にないんですけれども、この交付金のための様々なルールといったところで、関係自治体の方には適切に伝達あるいは連絡をしているところでございます。

◆熊谷義彦委員 

 ただいまの答弁の関係で言うと、栗原市と女川町が協議をしなさいということですか。

◎坂内俊洋参考人 

 当然、その広域避難を適切に確実に行うには、避難元から避難先へしっかりと避難を進めるために、避難元の自治体と避難先の自治体で適切に相談していただく必要があると考えております。

◆熊谷義彦委員 

 現状ではそういうふうになっていない部分が数多く見受けられますので、併せて今お話を申し上げました。

 次に、特定重大事故等対処施設、いわゆる特重施設の許可は誰が審査して、宮城県は関与できるのかどうか。宮城県が関与できないとすれば、何をもって安心を確認するのか、お答えください。

◎松野大輔参考人 

 本件につきましても原子力規制委員会の所掌でございますけれども、東北電力、事業者のほうから申請を行い、原子力規制委員会によって審査を受けて設置するものと認識してございます。

◆熊谷義彦委員 

 これも原子力規制委員会が来ていないので、回答できないということだろうと思います。

 次に、特重施設、あるいは道路も、今いろんな方々が申し上げたように、十二分な条件を備えていないという中で、なぜ再稼働を求めるんですか。この条件が整備されてから再稼働を求めるのが筋じゃないですか。

◎松野大輔参考人 

 原子力発電所の再稼働につきましては、繰り返しになりますけれども、3Eの観点から大事な政策の一環だと考えてございます。その上で、原子炉等規制法と関係法令にのっとり、安全が確認されたものについて、原子力規制委員会の判断を尊重しまして、それをクリアしたものについては再稼働の要請をさせていただいているという状況でございます。

○渡辺勝幸委員長 

 熊谷委員に申し上げます。ほかの委員の質疑時間に配慮するようお願いいたします。

◆熊谷義彦委員 

 ほかの方々にも配慮をいたしますが、その後にまた私の質疑時間を確保していただけるように委員長にお願いをしたいと思います。

 次に移ります。女川原発3号機、これは女川原発2号機との関連があるのでお話を申し上げますが、3号機にはプルサーマル計画がありました。これは今でも生きていると理解してよろしいですか。

◎松野大輔参考人 

 女川原発の3号機につきましては、現在、設置変更許可の申請はまだだと認識してございますので、私からはコメントを差し控えたいというふうに思います。

◆熊谷義彦委員 

 UPZ管内の避難の関係で、自宅待機避難の場合、いろんな発言があるんです。放射能被曝が3割削減されるとか、別の箇所では5割削減とか。私たちは、皆さんの3割、5割削減の言葉の意味を理解できない。どういう建物であれば3割、5割削減をするという実験結果が出ているんですか。

◎坂内俊洋参考人 

 前回の議員全員協議会の際にも御説明させていただきました。現時点においては様々な試算結果がございまして、議員全員協議会の場で御紹介したのは、内閣府が今年の2月に、暫定版ということでございますが検討結果をまとめたものを出させていただいたところでございます。また、この数値については、現時点では例えば、建物部材が放射性物質を吸収する、その効果を捨象した、要するに、通気性のいい建物ではプルームが全部入ってくるような、そういう保守的な評価をしたものでございます。それによっても、例えば木造建築でも、外部被曝、内部被曝を合わせると50%程度の低減が得られるということを申し上げたところでございます。

 いずれにしても、現時点においては様々な試算結果がございまして、外国で試算された数字も紹介されているような場もございます。そういったいろんな数字について、内閣府としても今後分かりやすく説明できるようによく整理して、あるいは検証中のものについてはしっかりと検証を進めて、分かりやすい発信に努めたいと考えております。

◆金田もとる委員 

 関連して伺います。緊急時対応の根幹という、既に説明されている2段階避難、屋内退避の問題についてです。福島第一原発事故の教訓の1つとして、高齢者や傷病者等の要配慮者の中に過酷な避難行動が原因で亡くなられた方がおられたことから、避難よりも屋内退避を優先することが必要になることは理解できます。ただ、その場合であっても、屋内退避先としては原則、放射線防護対策施設を選ぶことが求められている。15回も連続して改悪されてきた原子力災害対策指針で、放射圏から比較的離れた区域ではまず屋内退避を実施することを掲げて、UPZ圏内の住民に十分な放射線防護対策が施されていない一般木造家屋でも屋内退避を原則と押しつけて一定の被曝を強いるのは、誠にもって罪深いと言わざるを得ないと思います。

 今年の3月に原子力災害発生時の防護措置が暫定版として示されておりますけれども、これではセシウム137の放出量を100テラベクレルと仮定した事故シナリオです。追加の防護対策を取っていない自然換気の建屋では、屋内退避の場合の内部被曝量は屋外にいたときとの比較で3割強の低減にとどまるというふうに表現されています。裏返すと、7割弱の被曝が前提とされている、そういう計画です。乳幼児や妊産婦への影響は軽視できないレベルと思いますが、いかがでしょうか。

 また、そもそも、放出される放射性物質をセシウム137に限定して、その放出量を福島原発事故の100分の1の100テラベクレルと設定するシナリオにも疑問が呈されています。いかがでしょうか。

◎坂内俊洋参考人 

 今、委員から御指摘のあった内閣府の試算につきまして、様々な分かりづらい点があったということは我々も認識しております。これは暫定版ということで、今後しっかりとしたものを世に出していくべく、より分かりやすく作成する所存でございます。

 また、御指摘がございました屋内退避の効果についてでございます。PAZとUPZでまず分けているという部分にも、1つの防護対策の、国際的に共有されている精神がございます。5キロメートル圏内では屋内退避をもってしても、なかなか低減できない程度の濃いプルームが飛散する可能性が高いわけでございまして、PAZにいらっしゃる方については、全面緊急事態になったところで住民全ての方に避難いただくことになってございます。それでも避難が難しい方々、避難によって健康リスクが高まる方々については、放射線防護施設に、ここですと相当程度の放射線の低減が得られますので、そこでいろんな条件が整うまでとどまっていただくということでございます。

 一方でUPZ、5キロメートルより遠いところになりますと、放射線の被曝の影響等が各段に低くなるという検証結果もございまして、更にその方角によって、実際にプルームが飛んでいくところとそうでないところの差が非常に大きく、また、飛んでいっても相当希釈されているわけでございます。そうしますと、仮に陽圧化等がなされていない建物であっても、屋内退避をすることによって放射性プルームを直接浴びることが回避されるということでございます。また、先ほど申し上げた、PAZの方々が速やかに避難先に避難できるようにする上でも、不要な交通災害、交通障害を出さないようにするといったような様々な合理的な考え方に基づくものでございます。こうした考え方は国際的にも会議等で示されているところでございます。

 ただ、この段階的避難は非常に分かりづらいものでございますので、今後も訓練等を通じて理解の促進に努めていきたいと考えております。

○渡辺勝幸委員長 

 目安とする時間を超過しておりますので、御協力をお願いいたします。

◆金田もとる委員 

 最後に述べられたUPZ圏内での屋内退避の問題で、更に7日間程度の屋内退避を強いられた際の生活物資の確保について伺います。県の地域防災計画では、3日分の食料や生活物資の備蓄を求められています。しかしながら、全ての家庭で3日分の備蓄が行われているわけでもないし、仮に7日間となれば、不足することは目に見えています。

 9月24日の議員全員協議会の場で、坂内参事官が、避難民あるいは屋内退避している方々に対して物資をどのように届けるかについてもしっかりと計画していると、女川地域の緊急時対応全体版で説明されておりました。この142ページ以降に示しているというふうに述べられましたけれども、私には142ページ以降を何度読み直しても、UPZ圏内の屋内退避する家庭にどのように生活物資が届けられるのかが分からないんです。具体的に教えていただけませんでしょうか。

◎坂内俊洋参考人 

 御指摘のありました女川地域の緊急時対応全体版の142ページ以降に書いてございます物資の調達・供給体制についてでございます。当然、関係自治体のほうで一定程度の備蓄はなされているところでございます。そうしたものを住民の皆様にまず配っていただくというところでございます。今日、この全体版でお示ししたものより詳しいものをお示しするのは、ちょっと時間の都合上、難しいんですが、基本的には関係自治体のほうで備蓄されているものを供給していただく。それでも間に合わない場合は関係省庁を通じて必要な物資を、例えば関係業界から御提供いただくといった、全国レベルの供給を図っていくというところでございます。

 こうした物資の供給につきましては、既に一般災害のオケージョンでもなされているところでございますが、それがそのまま適用できるかというと、やはり原子力災害の難しいところは、物資を供給する側、職員の方々の被曝もしっかりと防いでいかなければならないということでございます。今まさにそうした物資供給体制に、放射線被曝体制、更に言えば感染症防止対策をしっかりと具備させていくことを図っているところでございます。

◆遠藤伸幸委員 

 1点だけ。原発の使用済み燃料についてなんですが、貯蔵容量が逼迫しているというような懸念もあります。そうした中で原発の再稼働を進めるのはどうかという声もあるんですが、現在の状況、課題と今後の見通しについてお伺いします。

◎松野大輔参考人 

 使用済み燃料につきましては、おっしゃるとおり、非常に重要な課題だと認識してございます。これは女川原発に限らず全国どこのサイトも同じでございますけれども、燃料プールの空き容量が、当然のことながら消化されていくことになってございますので。

 いろんなやり方がございますけれども、例えばリラッキングといいまして、燃料の保管のやり方を再整理いたしましたり、サイトによりますけれども、乾式貯蔵といったことに取り組まれている事業者もおられます。そういったことを通じまして、使用済み燃料の適切な保管に努めていくということでございます。

 政府としても、使用済み燃料を再処理いたしまして、最終処分をしっかり進めていくことが、やはり非常に重要な課題であろうと考えてございます。当然、再稼働も御理解いただきながら、しっかり進めていきたいと考えてございますけれども、使用済み燃料対策、その再処理、そして最終処分といった、いわゆるバックエンドと言われている対策につきましても、責任を持って進めていきたいと考えてございます。

 使用済み燃料対策につきましては、これは各事業者に最終的にやっていただく必要がございますけれども、政府としても各電力会社の皆様方に適切な対策をお願いすべく、使用済燃料対策推進協議会という、これは梶山経済産業大臣、そして電力会社の社長にも参加いただいて協議会を開催いたしまして、政府のほうから適切な使用済み燃料の保管対策をお願いさせていただいたというところでございます。

 引き続きバックエンドの問題に、しっかりと対応していきたいというふうに思ってございます。

○渡辺勝幸委員長 

 以上で、質疑を終了いたします。

 本日拝聴いたしました貴重な御意見等は、今後の委員会活動の参考とさせていただきます。

 本日は誠にありがとうございました。

 以上で、参考人意見聴取を終了いたします。

 暫時休憩いたします。

△休憩(午後0時22分) 

△再開(午後1時29分) 

○渡辺勝幸委員長 

 環境福祉委員会を再開いたします。

 議事に入ります。

 これより、請願の審査を行います。

 お手元に配布の文書表のとおり、新規のもの3か件でありますが、ここでは環境生活部に係る2か件について審査いたします。

 審査の方法は、一括審査といたしますか、それとも個別審査といたしますか、お諮りいたします。

    〔「一括審査」と呼ぶ者あり〕

 一括審査との声がありますが、これに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

 御異議なしと認め、一括審査といたします。

 請願番号375の1、「原発ゼロ」の希望ある未来のため、女川原発の再稼働をしないように求めることについて、及び請願番号375の4、東北電力株式会社女川原子力発電所2号機の再稼働にかかる早期理解表明に関することについて、一括して質疑を求めます。

◆金田もとる委員 

 午前中に内閣府、資源エネルギー庁から御出席いただいて、質疑を行ったわけでありますけれども、本日は原子力規制庁からの御出席がなかった。そのことで、実際に委員からの質問に対しても、安全性に関わるところについてはお答えいただけない、そういう状況も残っております。

 昨日、委員長からの提案で今回、内閣府、そして資源エネルギー庁を呼んでいただいて、一定の議論はなされましたけれども、引き続き原子力規制庁に御出席いただいた議論も必要かと思いますので、併せてその点を御検討いただきたいというふうに思います。

○渡辺勝幸委員長 

 それは質疑ですか。

◆金田もとる委員 

 すみません、改めてお聞きします。午前中に原子力規制庁からお越しいただけなかったことについて、経過を含めて御説明いただければと思います。

○渡辺勝幸委員長 

 私に対する質疑というのは……、私が答弁するのもおかしいんですが。

 再度、昨日と同様のお答えになりますけれども、3項目の要望をいただきまして、実現できる可能性を探りながら、要望の趣旨にかなうものの1つとして、内閣府と資源エネルギー庁の補充的な参考人質疑を昨日、御提案申し上げたところでございます。その過程におきましては、9月24日に開催をした議員全員協議会において説明・質疑があったことを前提として補充的に行うものということでございます。

 もちろん、ほかにも時間的な制約があったということもございますが、それも含めた上で、昨日、委員長提案をし、皆様に御理解をいただいたところでございます。

◆金田もとる委員 

 今回、請願者に御出席いただいて趣旨を説明していただきたいということは、佐々木功悦委員、熊谷委員、私とでお願いして、実際には御出席いただけない……、それぞれ公平性の確保の問題等についても委員長から御説明いただきました。

 これまで議会の中で、請願の紹介議員になられた方からその趣旨について御説明いただいたこともあったというふうにお聞きしておりますけれども、そういう対応等も御検討いただけないんでしょうか。

○渡辺勝幸委員長 

 これも私が質疑に答えるのもあれですが……。その点も含めまして検討した結果、昨日の提案を委員長としてしたところでございます。

◆金田もとる委員 

 請願内容について、請願書をお読みいただければ趣旨については理解いただけるだろうと、そういう委員からの御発言も昨日ありましたけれども、やはりこれだけの問題、再稼働をめぐって推進・容認、そして反対の立場からの、それぞれの請願となっております。

 繰り返しになりますけれども、安全性に関しての確認事項等もまだまだ議論が残されている状況の中では、引き続き審査する場を改めて設けるとか、そういう判断も必要かなと思いまして……(「それは継続審査の提案だから、議事進行動議でやってください」と呼ぶ者あり)

○渡辺勝幸委員長 

 ほかに質疑はございませんか。

    〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕

 質疑を終了いたします。

 続いて、採決を行います。

 採決は、請願の趣旨から、個別採決としてよろしいか、お諮りいたします。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

 それでは、個別採決といたします。

 初めに、請願番号375の1、「原発ゼロ」の希望ある未来のため、女川原発の再稼働をしないように求めることについての取扱いは、いかがいたしますか。(「採択」「不採択」と呼ぶ者あり)

 採択、不採択、おのおのの声がありますので、挙手により採決いたします。

 請願番号375の1については、採択すべきものと決することに賛成の委員の挙手を求めます。

    〔賛成者挙手〕

 挙手少数と認め、請願番号375の1については不採択とすべきものと決しました。

 次に、請願番号375の4、東北電力株式会社女川原子力発電所2号機の再稼働にかかる早期理解表明に関することについての取扱いは、いかがいたしますか。(「採択」「不採択」と呼ぶ者あり)

 採択、不採択、おのおのの声がありますので、挙手により採決いたします。

 請願番号375の4については、採択すべきものと決することに賛成の委員の挙手を求めます。

    〔賛成者挙手〕

 挙手多数と認め、請願番号375の4については採択すべきものと決しました。(「委員長」と呼ぶ者あり)

◆熊谷義彦委員 

 この問題については、少数意見の留保をお願いしたいので、取扱い方、よろしくお願いいたします。

○渡辺勝幸委員長 

 ただいま、熊谷委員から請願番号375の4について、少数意見を留保したいとの申出がありましたが、留保には2名以上の賛成者を必要といたします。

 熊谷委員の少数意見留保に賛成の委員の挙手を求めます。

    〔賛成者挙手〕

 賛成者2名以上でありますので、熊谷委員の意見は少数意見として留保されました。

 したがいまして、少数意見の留保は認められました。

 なお、少数意見報告書については、速やかに委員長を経て、議長に提出願います。

 以上で、請願の審査を終了いたします。

 次に、お手元に配布の文書表のとおり、陳情書が5か件送付されておりますので、環境生活部に係る3か件について質疑を求めます。

 なお、環境生活部に係る陳情は、陳情番号375の6、375の7及び375の9です。

    〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕

 質疑を終了いたします。

 続きまして、執行部から報告したい旨の申出がありますので、発言を許可いたします。

 環境生活部の報告事項は8か件です。

 環境生活部長の報告を求めます。

◎鈴木秀人環境生活部長 

 環境生活部からは、本日は8か件の報告事項がございます。

 まず、1件目、山元沿岸地域風力発電導入事業の中止について御報告申し上げます。

 

【以下省略、環境生活部関係の報告事項及び質疑。詳細は、宮城県議会ホームページをご覧ください。】

○渡辺勝幸委員長 

 以上で、執行部の報告に対する質疑を終了いたします。

 次に、当委員会における閉会中の継続審査・調査事件について、お諮りいたします。

 お手元の配布の一覧表のとおり、議長へ閉会中の継続審査及び調査の申出をすることに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

 御異議なしと認め、そのように決定します。

 その他、環境生活部の所管で何かございますか。

    〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 その他を終了いたします。

 次回の委員会については、集中審議の関係から、追って連絡いたします。

 この後、委員間討議がございますので、執行部の方は退室願います。

 暫時休憩いたします。

△休憩(午後2時41分) 

△再開(午後2時42分) 

○渡辺勝幸委員長 

 環境福祉委員会を再開いたします。

 初めに、意見書案について協議をいたします。

 

【以下省略、保険福祉部関係の意見書、「宮城県文化芸術振興ビジョン」に関する集中審議について。詳細は、宮城県議会ホームページをご覧ください。】

◆金田もとる委員 

 すみません、昨日の常任委員会の委員間討議で、昨年12月16日の議会運営委員会で建設企業委員会での参考人招致の件を前例としないことを確認したと御説明いただきました。議会運営委員会の会議録を取り寄せてみたところ、このときの前例としないということについては、当日の午前中に議論されてその日のうちに招致するという、そういう日程的な問題を中心に、急遽決定されたというところについて前例としないという確認をされていたようにお読みいたしました。(「読み方の問題じゃない」と呼ぶ者あり)いやいや……。

◆安藤俊威委員 

 はっきり申し上げて、紹介議員を呼ぶことはあってもいいと思いますが、参考人として請願者を呼ぶことは、本来は避けるべきであるという見解ですから。

◆金田もとる委員 

 いや、過去に呼んだことはありますよね。

◆安藤俊威委員 

 ありますが、前例としないという申合せを必ずつけているはずです。

◆金田もとる委員 

 それぞれのときに……。

◆安藤俊威委員 

 請願者が出たいということで、一方の請願者のみに許したことは1回もありません。つまり、請願者の意図に関わらず呼びつけることは絶対にないというのが、今までの通例です。

◆金田もとる委員 

 それは理解します。

○渡辺勝幸委員長 

 昨日の委員会の発言についての補足的なお話であると思いますので、金田委員の御意見は委員長として承ったということでとどめさせていただきたいと思います。ありがとうございます。

 ほかにございませんか。

◆佐々木功悦委員 

 女川町商工会の会長から請願が出ている件で、結果については受け止めましたけれども、内容の文言を私が理解できないのか、それとも文言に……。私は間違いじゃないかと思っている箇所があるんです。(「それなら、反対の請願にも同じように間違っているところはありますよ」と呼ぶ者あり)別に、結論に対していいとか悪いとか、そういうことではなくて、このまま受けて審議して通したとなると、ちょっとうまくないんじゃないかなと思ったので。まあ、私の理解不足であれば、それはそれで構いません。

○渡辺勝幸委員長 

 御意見として受け止めます。

◆佐々木功悦委員 

 ここの、再稼働賛成の陳情4件が活発なる討論と慎重審議の結果、未採択とされ、となっている……。(「結果の末、採択され、ということだと」と呼ぶ者あり)結果の末……。

○渡辺勝幸委員長 

 様々な御意見があったことも受け止めさせていただきます。

 以上で、委員間討議を終了いたします。

 これをもちまして、環境福祉委員会を閉会いたします。

△閉会(午後2時52分) 

≪議決(決定)事項≫

◯議案審査

 議第142号議案 地域医療再生臨時特例基金条例の一部を改正する条例

 議第143号議案 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行条例の一部を改正する条例

  以上原案可決

◯請願審査

 請願番号375の1 「原発ゼロ」の希望ある未来のため、女川原発の再稼働をしないように求めることについて

  不採択

 請願番号375の3 精神障がい者に対し公共交通運賃割引制度の適用を求めることについて

 請願番号375の4 東北電力株式会社女川原子力発電所2号機の再稼働にかかる早期理解表明に関することについて

  以上採択

◯継続審査・調査事件

 1 環境の保全及び公害の防止について

 2 県民生活の安定及び向上について

 3 青少年の健全育成について

 4 保健衛生及び医療対策について

 5 社会福祉対策及び社会保障対策について

 6 病院事業について

 7 前記各号に係る放射線対策について