【渡辺勝幸一般質問】【大綱1】アフターコロナの宮城県政について【第373回宮城県議会】
本日6月25日、
第373回宮城県議会(令和2年6月定例会)において、
渡辺勝幸は一般質問に立ちましたので、
このメルマガで数回に渡って、
一般質問の内容等についてお伝えしたいと思います。
1回目として、
大綱1 アフターコロナの宮城県政について
内容をお伝えしたいと思います。
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【渡辺勝幸一般質問要旨】
【大綱1】アフターコロナの宮城県政について以下4点について知事の所見を伺いたい。
(1)今回の感染拡大を受けて、未来に向けた新たな政策を取り入れる観点から県政を大きく見直すべきと考えるがどうか。
また、富県躍進の理念を掲げる次期総合計画の策定に当たり、感染症で大きく変化した社会の状況をどう取り入れていくのか。
(2)国内回帰とグローバル分散について
イ 国の補助金による支援もあり、生産拠点の国内回帰や分散化が進みつつあることを踏まえ、県内への企業誘致を進める好機と考えるがどうか。
ロ インバウンドや県産品の輸出先を一国に依存するのではなく、リスク回避の観点からターゲットを複数化する視点も重要と考えるがどうか。
(3)感染拡大により、我が県の農業にも大きな影響が生じているが、農業者に対する支援はどう進めているのか、飲食店を含めた外食産業など農産物の販売先を確保する取組も含めてどうか。
(4)少子化対策として、合計特殊出生率を重視するほか、生涯未婚率を低下させる未婚男女の出会いの機会創出といった結婚を支援する政策も重要と考えるがどうか。
【大綱2】新型コロナウイルス感染症拡大防止対策について以下2点について知事の所見を伺いたい。
(1)PCR検査の拡大について
イ 出産を予定する妊婦全員に対するPCR検査の実施を希望する声もあるが、所見はどうか。
ロ クラスター発生リスクの高い介護分野では、職員を含めた即応的な検査体制の充実が重要と思うがどうか。
ハ 海外渡航が緩和される中、多くの国では陰性証明等の提出を求めている。水産業界をはじめ、ビジネス目的の海外渡航者に対するPCR検査の実施についてどうか。
(2)歯科医療について
イ 入院又は施設・自宅待機している感染者や濃厚接触者が、歯科的急性症状を生じ、治療を希望した場合の歯科医療の対応について、どのような見解か。
ロ 一般診療所と歯科診療所への支援に格差があると聞くが、我が県の支援策を含めた所見はどうか。
ハ 以前から要望のある歯科医療担当部署の設置及び歯科医師の県職員採用について所見はどうか。
【大綱3】県立高校のエアコン設置等教育の諸課題について以下3点について知事及び教育長の所見を伺いたい。
(1)将来的な生徒の減少や高校再編を踏まえながらも、県立高校の普通教室へのエアコン設置を段階的に進めていくべきと思うが所見はどうか。
(2)オンライン授業の実施体制整備に向けて、予算の更なる拡充とともに早急にICT機器の確保に動くべきであるが、今後のICT機器整備について所見はどうか。
(3)教育現場における拉致問題への取組状況及び今後の対応方針について、アニメ「めぐみ」を上映した学校数と併せてどうか。
【一般質問要旨ここまで】
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【大綱1】アフターコロナの宮城県政について以下4点について知事の所見を伺いたい。
(1)今回の感染拡大を受けて、未来に向けた新たな政策を取り入れる観点から県政を大きく見直すべきと考えるがどうか。また、富県躍進の理念を掲げる次期総合計画の策定に当たり、感染症で大きく変化した社会の状況をどう取り入れていくのか。
自由民主党・県民会議の渡辺勝幸でございます。
議長のお許しをいただきましたので通告に従い、大綱三点にわたり伺います。
まず大綱一点目、「アフターコロナの宮城県政について」お伺いいたします。
昨年十一月、中華人民共和国湖北省武漢市で「原因不明のウイルス性肺炎」として最初の症例が確認されて以降、
武漢市内から中国大陸に感染が拡がり、その後、新型コロナウイルス感染症は全世界的に拡大、
三月十一日にはWHO(世界保健機関)により、「パンデミック」との認識が表明されました。
その後、東京オリンピック・パラリンピックの延期、緊急事態宣言の発令と解除など、
宮城県のみならず、全国に、全世界に、大きな混乱をもたらしたところです。
さらに、新型コロナウイルス感染症は、私たちの生活様式にも大きな変化を与えることになりました。
今後、ワクチンが開発され、元の生活に戻っていくものとは思いますが、
また別の感染症が生まれる可能性を考えると、コロナ以前とコロナ以後では、
県が進めるべき様々な政策も変化をさせていかなければならないと考えます。
私たちはこのアフターコロナの時代にあたり、生活における急激な変化を体験しました。
巣ごもりにより孤独感が増したこと、そしてこのことによりエンターテイメントの世界も変化をしました。
また、多くの人が運動不足になり健康意識も変化しました。
働き方改革も劇的に変化し、テレワーク、時差通勤などが急速に広まり、
教育面ではオンライン授業、健康面ではオンライン医療まで、大きな変化が生じています。
さらには都市の過密が感染の大きな原因であり、過密から開疎へ、都市から地方へという観点も
アフターコロナにおいては重要視されるようになっており、
本県にとっては従来の課題を解決するチャンスが来たともいえるでしょう。
大きな変化はチャンスでもあり、ピンチからチャンスを生み出すことが今この時代を生きる私たちがなすべきことであります。
平成二十三年の東日本大震災は本県にとって未曽有の大災害でありました。
しかし、その後の本県が歩んできた道は、震災からの単なる復旧ではなく、
未来に向けた新たな政策を取り入れていく「創造的復興」の道であり、
創造的復興の先頭に立ってきたのが村井知事でありました。
様々な議論があり、評価も分かれるところではあるかとは思いますが、
いまや”Build Back Better”(より良く再建する)という、
本県が進めてきた「創造的復興」は、国際的基準になりつつあります。
新型コロナウイルスにより、私たちはまたもや大きなダメージを受けました。
そして先ほど述べたように、全世界的に人々の生活様式が変化しつつあります。
このような状況下のいまこそ、創造的復興の観点からアフターコロナの宮城県政を大きく見直すべき時であると考えます。
大局的見地から、アフターコロナにおける知事の所感を伺うとともに、
「富県躍進!」の理念のもとにつくられる宮城県の次期総合計画策定にあたり、
コロナで大きく変化したこの状況をどう取り入れていくのか見解をお伺いいたします。
(2)国内回帰とグローバル分散について
イ 国の補助金による支援もあり、生産拠点の国内回帰や分散化が進みつつあることを踏まえ、県内への企業誘致を進める好機と考えるがどうか。
ロ インバウンドや県産品の輸出先を一国に依存するのではなく、リスク回避の観点からターゲットを複数化する視点も重要と考えるがどうか。
次に、国内回帰とグローバル分散についてお伺いします。
今回のコロナウイルスによって、一国にサプライチェーンを依存することが、
いかに危ういことかということが改めて示されたところであります。
価格が安いことがすべてであるというのがコロナ以前の大勢の考え方でありましたが、
今後はあらゆる経済活動が価格のみで判断されるのではなく、
国内回帰という観点、またはグローバル分散という視点を取り入れていかなければなりません。
さて、四月に成立した国の一次補正予算に「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」が計上され、
その総額予算は二千二百億円、一件あたりの補助上限額は百五十億円という大規模なものでありました。
この事業は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、我が国サプライチェーンの脆弱性が顕在化したことから、
生産拠点の集中度が高い製品・部素材、または国民が健康な生活を営む上で重要な製品・部素材に関し、
その円滑な供給を確保するため、国内で生産拠点等の整備を行う企業に対して補助を行うものであります。
日刊工業新聞によれば、
「名古屋市の医療製品メーカーは、中国で生産する製品の一部を国内回帰するため、本社への設備導入に補助金活用を検討」、
福岡県の企業も「農業や林業向け運搬車の部材供給を中国に進出する日系企業に一部依存していたが、分散化や国内生産への切り替えを検討」、
また別の企業は、「国内回帰よりも中国からベトナムなど海外の中で移す」とするなど、
全国で企業が国内回帰、グローバル分散の動きが急激に起こっているところです。
本県にとってはチャンスでもあり、いまここで油断をしてはなりません。
県内への企業誘致を政策支援も含めて打ち出す好機であるとも考えます。
またあわせて、インバウンドや県産品輸出を一国に頼るのではなく、
リスクヘッジとして、全世界にグローバル分散をしていくという視点も重要です。
県としての見解をお伺いいたします。
(3)感染拡大により、我が県の農業にも大きな影響が生じているが、農業者に対する支援はどう進めているのか、飲食店を含めた外食産業など農産物の販売先を確保する取組も含めてどうか。
次に食料自給率の観点から農政についてお伺いいたします。
新型コロナウイルス感染症の拡大により、グローバルな世界といわれていたものが永続的なものではなく、
危機が起こればあっという間に国境の高い壁がつくられることが明らかになり、
世界の価値観が一変されました。
そして、世界のあらゆる国境を越える移動が制限され、
四月の訪日外国人旅行者数は、前年同月比九十九・九%減の二千九百人となり、
昭和三十九年の統計開始以降、月間の人数として最少となり、前年同月比の減少率も最大を記録しました。
国境の高い壁は、食料自給率三十七%のわが国にとっては死活問題であり、
食料の六割以上を他国に依存しているわが国はアフターコロナの時代にもう一度、
食料安全保障について考え直す必要があります。
今回、新型コロナウイルスの影響により農業にも大きな影響が出ていると伺っています。
特に県内においては、花きと県産和牛に大きな影響が出ているとのことです。
また、私の地元の若林区の農家の方々にメール等で話を伺ったところ、
「個人で学校給食に出荷している農家の方は影響が大きい」
「農業者の収入、特に稲作農家は外食産業の売上に大きく左右されるため、今後の夏需要も含め、飲食業の景況と連動しており厳しい」
とのこと、また米価の下落を心配する声、
新型コロナ関連支援策が複雑でなかなか中小農家にまで情報が届かないとの声が聞こえております。
宮城県をはじめ、東北地方は食料自給率が高く、
わが国の危機における食料基地の役割を果たさなければなりません。
県として農業者に対する新型コロナウイルス対策の支援はどのようにすすめているのか、
また飲食店など外食産業を含め、農家の販売先となる出口をつくる政策が今後ますます重要になると考えますが、
県当局の見解をお伺いいたします。
(4)少子化対策として、合計特殊出生率を重視するほか、生涯未婚率を低下させる未婚男女の出会いの機会創出といった結婚を支援する政策も重要と考えるがどうか。
新型コロナウイルスの感染を防ぐためには、
三密を避け、不要不急の外出を控え、人との接触を控えることが重要です。
アフターコロナの世界においては、濃厚接触を避けることにより、
オンラインでの交流が推奨され、人間同士の密な関係は急速に控えられるようになっています。
一方で、わが国が直面する少子化、人口減少もまた厳しい課題となっており、
その原因は未婚化・晩婚化にあると言われ、政府をあげて結婚支援政策が推進されてきたところであります。
今後、あらゆる人間の交際が密から疎になっていくにつれて、
親密な人間関係をつくる工夫が新たに求められることと思います。
国立社会保障・人口問題研究所の調査によれば、現在の未婚者の約九割は結婚願望があるとされ、
結婚しない理由の第一位は「適当な出会いがない」というものだそうであります。
少子化対策という観点からいって、コロナウイルス対策を進めながらも、
未婚男女への出会いの機会創出を今まで以上にサポートをしていく必要があるのではないでしょうか。
例えば、埼玉県では結婚支援センター立ち上げのみならず、マッチングシステムの導入が進められ、
県、市町村、企業等が連携し、民間の力も借りながら、男女の出会いの機会創出を進めています。
さらに京都府、福島県、秋田県なども民間企業と連携し、
今後はさらに県を超えた結婚支援の広域連携も進展する動きが見られています。
昨年の宮城県における合計特殊出生率は一・二三で、前の年を〇・〇七ポイント下回り四年連続の減少となり、
東京都に次ぐワースト二位となりました。
厳しい数字が出ている中で、子供を産み育てやすい環境をつくることはもちろん重要ですが、
私のまわりを見ると意外と三人子供がいる家庭、四人子供がいる家庭もけっこう見受けられます。
少子化対策として合計特殊出生率を見るということも大事ですが、
「生涯未婚率を重視する政策づくり」が重要であると考えます。
本県における少子化対策について、生涯未婚率を下げるための結婚支援政策が重要であると考えますが、
県としての見解をお伺いいたします。
(大綱二、三は明日以降に続けます)
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